xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

男性にとっては救急車レベル

このカップルはその後どうなったのだろう…。そんなモヤモヤを抱えてしまう体験談を読みました。

生理でベッドが血だらけ!慌てた彼の予想外の行動とは…!?【体験談】
https://trilltrill.jp/articles/1439359


彼氏の家で彼氏帰宅前に先に眠った生理中の女性が目覚めると、そこには救急隊員と彼氏の姿が。ベッドは血だらけ、呼んでも返事が無い女性の身に大変な事が起きたのだろうと彼氏が救急車を呼んだとの事でした。
付き合い始めて日が浅く、生理の事をオープンに話せる程の関係性が出来ていなかったとの理由から女性は彼氏に「体調が悪いから先に寝ている」とだけしか連絡を入れていませんでした。それ故にベッドに付いた血液に驚いた彼氏が怪我か病気かと勘違いしてしまったようです。

そもそも生理の事をオープンに話せない関係なのに彼氏の家の合鍵を持ち、女性はよく泊まっていた、という前提に私は戸惑ってしまいました。そんな関係でありながら男女でする事はしていたのか、それとも清い関係でありながら女性は彼氏宅に頻繁に泊まっていたのか…
恋愛関係無しの男女のルームシェアもあるようなので、彼氏彼女と言っても、そういう感覚なのかも知れないと飲み込む事にします。

次に気になったのは、記事の漫画部分の救急隊員の方を見送る場面。ベッドが血だらけだったという事は女性の衣服も血まみれの筈。その衣服のままで救急隊員の方とやり取りをしたのかと思うと、事の真相を知った後の女性のいたたまれなさに他人事ながら胸が痛くなりました。
漫画は投稿内容から推測して描いたものだろうので実際に女性は玄関の外にまでは出ていなかっただろうなとは思いますが、それでも衣類に血が付いている状態でこれから彼氏に説明をするのかと思うと我が事のように気が滅入りそうです。頻繁に泊まりに来ていたのであれば、女性の着替えも常備してあると良いのですが。

また彼氏が救急車を呼ばなければと思うくらいにベッドに血が付いていたとするならば、その夜はもしかしたら、どちらももうそのベッドを使う気は無くなってしまったのではとも思いました。自分の部屋で起きた出来事ならば、女性は然るべき処置をした後にまたベッドで眠りに就いていた事でしょう。しかし記事の件は彼氏の家のベッドでの事なので、彼氏はきっと血が付いたベッドに横になる気にはなれず、女性は彼氏の手前、もうベッドを使えなかったのではないかと思います。
この二人の関係が、この件の後でどのように展開していったのか。その後の事が書かれていないので想像するしかありませんが、出血している彼女を心配して救急車まで呼んでくれた彼氏の事ですから、そのまま二人の関係性がもっと深まっていったなら良いなと願います。

記事の件は女性にとっては面白いハプニング話として投稿したのだろうと思います。生理の出血に個人差は大きく、私は布団を汚した事は殆どありませんでしたが、どちらにせよ男性にとっては体験できない現象なので、女性が思う以上に、より深刻に受け止めてしまったのではないかと思います。
生理は私たち女性には毎月の事ですが、男性にとっては救急車を呼ぶくらいに衝撃的な事なのかも知れません。そう思うと、女性たちは皆これだけいつも頑張っているのだよと世の男性に言いたい気分になりました。

4月生まれの話

私の知り合いに、4月1日生まれのお子さんを持つママさんがいます。4月1日と言えば通常は年度の始まりの日ですが、誕生日の前日に加齢する、という決まりにより、そのお子さんは他の4月生まれの子たちよりも一つ上の学年になる為、当該学年の中で最も誕生日が遅い子となるのだそうです。
4月1日生まれの子の場合は助産師さんらが書類に細工をして4月2日生まれにし、学年をずらす事があるという話を聞いた事がありましたが、それは都市伝説か何かなのか、どうやらそのお子さんにはそのような措置はなかったようです。

私が妊娠を意識するようになってから気付いたのは、子どもを4月生まれにしたいと希望する人は案外多いという事です。スポーツ選手に4~6月生まれが多いという話もその流れで目にした事があります。子どもは授かり物ですが、産み月を逆算して妊活をする方は多いのかも知れません。
うろ覚えですが、海外ドラマか何かで「ジューンブライド(6月の花嫁)だと子どもは春生まれになる」と登場人物が話していたような記憶があります。それを観た子どもの頃には、何故6月に結婚式をすると子どもが春に生まれる事になるのか意味が分かりませんでしたが、妊娠の仕組みを知ってから解せました。6月に結婚式をしてから子作りをスタートして7月に受精すれば、確かに春生まれの子どもが誕生します。カトリック信者の国が舞台だったのか、婚前交渉は概念になかったのでしょう。またそのドラマか映画では、春に子どもが生まれれば、気候が穏やかで育てやすいとも言っていたような気がします。
同じように、4月生まれの子は現代でも何かと有利らしいと、主にネット記事等で読みました。特に保育園激戦区では子どもが3月生まれになるか4月生まれになるかで母親の職場復帰のハードルが変わるのだそうです。また、幼稚園や小学校のお受験が盛んな地域では、早期に教育が始められる4月生まれは「勝ち組」とすら言われているようです。


4月生まれの子を計画出産の母 「9月入学」導入見送りに一安心
https://www.moneypost.jp/668103

 コロナの蔓延で長期の休校が続くなかで浮上したのが、「9月入学」構想だった。しかし、来秋からの導入は見送りに。これにより、“逆転”の難を逃れた人がいる。
 仮に導入されていれば、「4月生まれの子」が勝ち組から負け組に転じる可能性があったのだ。

4月生まれが「勝ち組」だと言うのであれば、実を言えば私は相当に勝ち組になります。私は例年、入学式や始業式の日までに誕生日を迎えてきました。
確かに4月生まれは子育て中の親にとってメリットは大きいのかも知れません。現行の日本において4月生まれの子とは学年で最も発育が良く、同学年の子と比較すると何をさせても平均以上の事が出来ると一般的に思われているかと思います。幼稚園や小学校のお受験を控えているのであれば、子どもを4月生まれにしたがる気持ちはよく分かります。

しかし、自分が4月上旬生まれだからこそ感じたデメリットもあります。
私の誕生日が始業式の前なので、他の人たちと年齢と学年の認識がズレてしまう事が度々あります。小学校一年生で入学式を迎えた時には私は既に7才でした。学年が上がるタイミングで私は年齢も上がっていたので、15才と言われれば中学三年生だと私は認識し、何でもない会話にズレが生じてしまうのです。おかげで上の子の幼稚園入園の説明会をあやうく見落とす所でした。

小学生の頃には、誕生日の同級生にお祝いのメッセージカードを用意する習慣が私の母校にはありました。担任教師が用紙を用意し、○○ちゃんがお誕生日なのでメッセージを書きましょう、と全員に配付するのです。ところが、始業式でクラス発表が行われ、その日に同級生になったばかりの子にお祝いのメッセージを書けと言われても何も文面など思い浮かばないものです。私の手元には鉛筆書きで形式的に「○○ちゃん おたんじょうび おめでとうございます」と書かれたカードが集まりましたが、3月生まれの子の元には一年間の苦楽を共にした仲間意識が既にあるので、カラフルなペンやイラストで彩られ、豊富なメッセージが書かれたカードが多く寄せられました。学年が上がる度にそれらの差は薄れてきましたが、あの切なさはアラフォーの今でも覚えています。

会社勤めをするようになると、会社の規定を新人研修の時に教えられましたが、退職のタイミングは同期入社と言えども人によって異なると知りました。私が勤めた会社では60才の誕生日が来ると定年になるという規定だったので、同じ日に入社したにも関わらず3月生まれの人は私よりも長く働け、給与を得る事が出来るのだそうです。4月上旬生まれの私が退職した後に3月下旬生まれの同期は12ヶ月近くも長く働ける。同じ会社に在籍し、お互い仮にずっと同じ給与でも、生まれ月で生涯年収に差が出てしまう事が分かりました。

アラフォーの今、3月下旬になるとその日が誕生日だった同学年だった友人を思い出し、その1週間後に来る自分の次の誕生日にため息が出そうになります。
幼児期の頃には誕生日がいつかで同級生内で発育に差が出ます。4月生まれは人生のスタートが早いのですから、そこからほぼ一年後に生まれた3月生まれの子とは開きが出る事は当然です。
小学校一年生の時、私はクラスで最も背が高い子でした。男子からは「デカい」とからかわれたような気がします。座席は必ず後ろになり、大きい背の順に並ぶと小学三年生あたりになるまで決まって先頭でした。背が小さくて可愛らしい同級生を羨ましいと思い、一生懸命猫背をしていたような覚えがあります。

私が自動車の運転免許を取得したのは大学生の時だったので、生まれ月は関係ありませんでした。高卒で就職しようと思うと3月生まれの人は免許取得が大変だと聞きますが、誕生日までに仮免許まで進めておけば何とかなるのではないかと思います。

私がこれまで挙げたデメリット以上に、自覚していないメリットが4月生まれにはあるのかも知れません。しかし4月生まれ本人から言わせれば、子どもは何月に生まれようと決して「勝ち組」「負け組」に分けられるものではないと思います。


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厚生労働省:平成17年度 出生に関する統計の概況より
出生の推移
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo05/syussyo1.html

こちらのグラフによると、赤ちゃんが生まれているのは9月をピークに、夏頃が多いようです。最新の統計は見つけられませんでしたが、概ね同じような傾向にあるのではないでしょうか。
個人的に、誕生月が同じ子同士だと親近感が湧き、早く仲良くなるような気がします。我が子の幼稚園では誕生会ごとにその月に生まれの子たちと先生で記念写真を撮影していましたが、誕生日の子が多い月の写真はわちゃわちゃしていて楽しそうでした。

あえて「勝ち組」と表現するならば、私は9月生まれの子が4月スタートの日本では勝ち組のような気がします。夏休みが明けてからの誕生日で、同級生に一番お祝いされやすいイメージで。

長子の話

「俺は長男だから我慢できたけど
 次男だったら我慢できなかった」

週刊少年ジャンプで連載していた吾峠呼世晴鬼滅の刃」(集英社)は、上記のセリフが何かとネタになっているのではないかと個人的に思っています。
2020年4月28日にTBS「この差って何ですか? ~★お気楽末っ子芸能人・加藤浩次ミキ指原カミナリVS長子川田爆笑トーク~」 が放送されたかと思ったら、その数日後の5月2日にはEテレ「すくすく子育て」で「きょうだい育ての悩み」がテーマになるなど、何だかきょうだいにまつわる話をこの期間はやけに多く触れた印象です(「すくすく子育て」は2019年10月19日放送の再放送のようですが)。

我が家の子どもは上が小学生の女の子、下が幼稚園の男の子という二人きょうだいです。きょうだい育児の場合は上の子を優先に、としばしば言われています。上の子と三学年差で下の子を産んでからは私もそのつもりで上の子と接しようとしましたが、いかんせん乳児が相手ではどうしてもお世話の手がかかり、下の子のお昼寝の寝かしつけの間の時など、上の子には一人でテレビを観ている時間がかなり多い幼児期を過ごさせてしまいました。そうした結果のせいなのか下の子は末っ子らしくのびのびと朗らかに、上の子は生真面目で甘え下手に育ったような印象です。
三学年差で子どもたちを出産した事もあり、下の子が生まれた途端に上の子は幼稚園に入園しました。そして上の子が幼稚園児だった三年間は、上の子を登園させた後の私は下の子とずっと一緒に過ごしました。上の子の幼稚園送迎の時も下の子は私と一緒だったので、上の子が私に甘える隙は無かった事が気がかりでした。
私は長子では無いので想像するしか無いのですが、世の中の長子の方々は、きっと本当に、幼児期に色々な事を我慢してきたのだろうなと思うのです。

長子の性格の特徴として、TBS「この差って何ですか?」という番組では「生真面目で責任感が強い」と説明していました。実際に我が家の上の子も物事に対して「~しなければならない」と考える傾向が強いように感じます。長子は「兄弟のお手本として、自分が弟や妹に示しをつけなければならない」という気持ちが働くのだと番組で説明がありました。生真面目な所は上の子の個性によるものかなと思っていましたが、どうやら長子として生まれた方の多くはそうした傾向の性格になってしまうようです。
番組では「お兄ちゃんなんだから」と親からも期待されるからこそ、そうした性格に長子はなるのだと解説がありました。私がこれまで読んできたママさん方の声をまとめたサイトでは「自分が言われて嫌だったので、自分の子には『お姉ちゃんなんだから』とは絶対に言わない」というものがありました。たまたま生まれ順によって「お姉ちゃん」にさせられただけで、仮にひとりっ子であったならばそう呼ばれる機会は殆ど無いのに、不可抗力で「お姉ちゃん」になってしまった上の子にその役目を強要する事は不憫であろうと、私も上の子に「お姉ちゃんなんだから」とは言った事はありません。口で言った事は無いのですが、上の子は私が下の子を寝かし付けている間の独りでのテレビ視聴中、きっとずっと、「私はお姉ちゃんなんだから、お母さんに甘える事は我慢しなければならない」と思っていたのかも知れません。また、そのように上の子が考えるよう私が振る舞ってしまったのではないかと思います。

そんな上の子は、このコロナ対策での休校中、やけに素直に勉強をしました。幼稚園児にまで成長した下の子は今や一人でも安全に遊べるので、自宅内では大人が常に様子を見ていなくても良くなりました。それに対し上の子は学校の課題の内容をまだ学校では習っていなかったようで、親が見てやらなければなりませんでした。自分がドリルを広げれば私が下の子よりも自分を優先すると気付いたようで、上の子の課題はトントン拍子に進みました。
何とも切ない上の子なりの気の引き様ではありますが、そう育ててしまった自分としては、精一杯受け止めてやろうと思いました。

TBS「この差って何ですか?」という番組では、長子は「お兄ちゃんなんだから、ちゃんとしなさい、我慢しなさい」と言われる事で「しっかりした性格」になると解説していました。我が家の上の子も「しっかりした性格」に育ち、それ故に失敗をとても怖がる子になりました。
緊急事態宣言が解除となり、学校が再開となりました。先日、上の子は授業で失敗したらどうしようと先回りして心配していました。もしかしたら、このまま家庭学習の方が性に合う子なのかも知れません。
時折、この子は長子として生まれなければ、どんな性格の女の子になっていたのだろうかと考えます。もし我が子たちの生まれ順が逆になっていたならば、上の子はドリルなど開かずとも私に自由に甘えて来れる子になっていたのかも知れません。それとも、子どもたちの性格が生まれ順、ひいては私の育て方に起因しているのであれば、今度は今の下の子に対して同じように悩んでいたのでしょうか。

長い休校に疲れた方々も多いかと思います。しかし、我が家にとっては上の子と私の濃密な時間がとれて有意義な期間となりました。でも次の長期休業の時には勉強以外の事で二人の時間をとってやりたいと思います。

彼女は、いつかの私

私がこの保育士でも、目的を果たす為には、結果を知らずに使ったかも知れないなとニュースを見ながら戦慄した覚えがあります。2019年6月に京都の認可保育園で発生した一件の続報を目にしました。


園児やけどで捜査書類送付、京都 メラミンスポンジでこする
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020052201001329.html

 京都市右京区の認可保育園で昨年6月、男児(3)の頬を研磨作用のあるメラミンスポンジでこすってやけどをさせたとして、京都府警が元保育士の女性を業務上過失傷害容疑で捜査した結果の書類を京都地検に送っていたことが22日、府警への取材で分かった。

顔に付いたペンの汚れが落ちなかったので、この「汚れが良く落ちるスポンジ」を使おう。だってこのスポンジは、軽く擦るだけで洗面所がピカピカになる程の洗浄力なのだから。
この事件の容疑者はきっと、その程度の認識だったのではないかと思うのは、実を言えば私もメラミンスポンジの特性をよく知っていなかった為です。

子どもがお絵描きをしていれば、誤って手や身体のあちこちにインクがつく事はあると思います。我が子も先日、牛乳パックに絵を描きたいからと言うので油性ペンを使わせた所、ペンを持たない方の手にもお絵描きをしていました。手に書いた物はどうせ何日かすれば落ちるからと気にはしませんでしたが、責任感ある保育士ならば、付いたインクを落とそうと躍起になるのではないでしょうか。
私が小学生だった頃、隣のクラスの男子が腕の内側にタトゥーシールを貼って学校に来た事がありました。水でシールを濡らして、肌に貼り付けると模様が肌に転写されるという物です。彼はとても自慢気で、色々な子に見せていました。
そのタトゥーシールを見咎めた男子の担任の先生である中年の女性は、その男子児童を手洗い場に引っ張って行き、寒い季節でありながら流水とタワシでタトゥーシールを落とそうとしました。子どもの皮膚を亀の子タワシで擦っていればどうなるか、想像は容易いかと思います。
タトゥーシールを貼り付けてきた男子児童の腕は真っ赤になり、所々から出血もしていました。私が子どもの頃は教師が児童を叩く程度の事は教育的指導だと容認されていた時代でもありましたので、保護者が学校にクレームをつけたとは、ついぞ聞きませんでした。
「将来、刺青をするような人になるかも知れないから」
そんな事を先生は言っていたような気がします。どこかの国では合法とされている大麻が日本では禁止なのは、それがより依存度や危険性の高い薬のゲートウェイドラッグになるからだと聞いた事があります。この件はたかがタトゥーシールですが、そうした事をあの時の先生は危惧したのでしょう。やり過ぎの感は否めませんが、きっと、児童を正しく導かなければならないという使命感がそうさせたのだろうと私は思っています。

子どもを朝と同じ状態で保護者に引き渡さなければならないと思う責任感と、メラミンスポンジを「汚れが良く落ちるスポンジ」としか認識していなければ、きっと私がこの保育士でも子どもの肌にメラミンスポンジを使ったのではないかと思います。
道具は使い方を知っているだけでは足りない事がある。その道具がどのような特性で効果を発揮するのかも知らなければ、悪気は無くても過失傷害になり得る。普段は子煩悩でも、抱っこの時に手を滑らせて赤ちゃんを床に落とせば、こちらもやはり虐待と過失傷害の容疑がかけられるでしょう。
以前、除光液を赤ちゃんの近くで使うと除光液の成分が気体となり、それが空気よりも重い為に下に溜まり、その気体を吸った赤ちゃんが危険な状態になるという話を聞いた事があります。便利な道具でも、機能だけを見ていては電子レンジに洗った猫を入れかねない。
何気無い事でも、これをしたら結果はどうなるかを意識しなければならないなと改めて思いました。道具は使いようです。




我が子の通う幼稚園では、先生がご褒美だと言っては子どもの手の甲に花丸や動物のイラスト等を描いてくれます。
ちゃんと保護者は子どもをお風呂に入れてやっているかの確認かなと私はひそかに思っているのですが、穿ち過ぎでしょうか。
子どもは折角の花丸だからと残そうとするので、子どもが自分で書いた肌への落書きも、それで私は気にしなくなった気がします。
…あれ、うちの子の先生、流石プロだ。

一回2億円!?

幸いな事に私はこれまで高額医療とは縁の無い人生を送ってきました。治療費の話が出来る程の身近に大病にかかった人もいない為、病院からの請求を受けた中で最も高額だったものは私が我が子を出産した時の50万円程度、それも出産育児一時金(42万円)の直接支払制度を利用したので、差額の7万円程度が私の中での最高値の医療費です。
結婚時に夫の知り合いの保険代理店の方にあれこれ勧められ医療保険には入りましたが、その証書は今のところ少々高額なお守り代わりとなっています。
こんな高額な保険に入る必要はあるのかと思いながらも、夫の知り合いの方だからと無下には出来ず加入した訳ですが、下記の記事を読んで、今は何とも無くても加入しておいて良かったと後から思う事もあるのだろうなと思い直しました。


ひゃー、こんなことが…! 結婚して気がついた予想外の出費
https://trilltrill.jp/articles/1411899

「結婚する前は自分が病気になると思っていなかったし、保険とか考えてこなかったけど、結婚して夫が倒れたりするとやっぱりお金は大事だな、治療費高いなって思うようになった。みんな若いと健康面でお金がかかることを想像していない人が多い印象」(30代/IT)

▽ 健康であることは決して当たり前ではありません。でも若いとなかなかそれに気がつけなかったりもしますよね。結婚して病気になり、初めてお金がかかることを知るそう。自分だけでなく相手の健康のことも考えるのが結婚なのです。

結婚とは自分だけでなく、家族みんなの健康の事も考えるもの。運命共同体となった夫には出来るだけ長く健康でいて貰いたいので、野菜を意識した献立を私の可能な限り用意しています。
そして上記の記事を読んだ後で、テレビニュースで驚くべき医薬品の価格を知りました。一回の投与で2億円を越える超高額な点滴があるのだそうです。


乳幼児難病治療薬 1億6707万円で了承
https://www.news24.jp/sp/articles/2020/05/13/07642391.html

薬の価格を審議する「中央社会保険医療協議会」は13日、乳幼児の難病の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」を公的な医療保険の対象とし、価格は、およそ1億6707万円とすることで了承しました。国内では、最も高額な薬となります。

なお、この薬は、アメリカでは、日本円に換算すると2億円以上で販売されていて、世界一高額です。

筋力が低下する難病「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」が医療保険の対象となったそうです。
日本では高額療養費制度が適用され患者の自己負担はほとんど無いそうですが、それにしても何と言う高額でしょうか。また別のサイトではこのような記述もありました。


ゾルゲンスマ、保険適用を提案 1回の投与1.6億円
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN5F3GDGN5FUTFL004.html?iref=sp_ss_date

 これまで国内最高額の薬は、昨年から保険対象となった白血病治療薬「キムリア」で3349万円だった。創薬技術の進歩で、高額な薬の開発が続いている。

不謹慎な物言いになりますが、白血病は有名人や、テレビドラマ等で登場人物が罹患する事で知名度が高い病だと思います。その白血病の治療薬の価格も相当なものなのだと知り驚愕してしまいました。もしこんな金額を請求されようものなら、我が家の貯金では賄いきれません。
「限度額適用認定証」の交付を申請すれば、こちらも自己負担はかなり減り、更に一年間に四回以上、高額療養費制度に該当すると「多数該当」と言って、自己負担分がもっと下がる制度もあるのだそうです。それでも元々の金額が高額なので、治療期間によっては我が家には相当な負担になるとは思いますが。

話は戻りますが、2億円を越えていた「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の治療薬が保険適用となった事は純粋に素晴らしいと思います。何しろ投与対象は2才程度の乳幼児、こんなに可愛い盛りの子どもを救う事が出来るのですから。
この国の医療体制と医療保険の素晴らしさを知り、この国で暮らしている事に誇りすら感じました。医療に携わる皆さん、本当にありがとうございます。

立場が変われば

近頃メディアでは「コロナ離婚」という言葉が使われているようです。
新型コロナウイルスが切っ掛けとなった離婚の事を「コロナ離婚」と呼ぶようです。非常時だからこそ、互いの価値観の違いが顕著になる事で夫婦として今後も続けていく自信が無くなってしまい、離婚という選択肢が出てきてしまうのでしょう。
そんなコロナ離婚にまつわる記事を読んだ時に、引っ掛かるものがありました。


このままではコロナ離婚かも? 夫に憤りを覚える妻たちの生の声
https://serai.jp/living/392223

35歳女性:夫が自宅で仕事をするようになり、ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。私はリモートワークができない仕事なので、コロナ前と同様に出勤していて帰りも遅いです。せめて、食材の買い物や夕飯のしたくくらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。自宅にいても仕事をしていると分かっていますが、せめてお昼を食べた後の後片付けくらいできるでしょと思って、二人の生活にうんざりしています。

この場面を頭に思い描いた時に、これまでしばしば読んできた育児にまつわる夫婦のすれ違いのシチュエーションをふと思い出しました。この場面は、赤ちゃんのお世話を言い訳にして、ずっと自宅にいたくせに夕食を作っていない妻に苛立つ夫、と類似してはいないでしょうか。

仕事から疲れて男性が帰宅すると、自宅の中は洗濯物は畳まれていない、玩具は散らかしっぱなし。専業主婦、あるいは育児休業中で妻はずっと自宅にいた筈なのに台所のシンクには汚れた食器が残ったまま。掃除も行き届いていない。子どもの世話に追われて、自分は昼食も食べていないと妻は言う。あげく夕食が作れなかったからコンビニで買ってきて欲しいなどと、ぬかす。こっちは仕事で疲れているのに。そっちはずっと自宅にいたくせに。
乳幼児を育てた事のある人ならば、この妻の言い分はよく分かるかと思います。やった事のない人が「このくらいの家事は出来るだろう」と思う事も、乳幼児の気分や体調次第では出来ない日は出来ないものなのです。

「ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。」

「せめて、食材の買い物や夕飯のしたくくらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。」

「せめてお昼を食べた後の後片付けくらいできるでしょ」

夫がこのように妻の愚痴を匿名掲示板などに投稿した場合、投稿した先にもよりますが、私が見てきた限りではインターネット上では育児に理解のない夫側に非難の声が集まりがちです。

ひるがえって今回の記事の、コロナ離婚を考えているという女性の場合はいかがでしょうか。
自分はコロナ前と同様に出勤して帰宅は遅い時間になる。テレワークでずっと自宅に夫がいるのに、夫は掃除も食材の買い出しや夕飯の支度もしてくれない。せめて昼食後の片付けくらいして欲しいのに、それもしていない事にうんざりしている。

この妻はもしかしたら、テレワークが出来る程度の仕事ならば、片手間に家事も出来るのではないかと考えているのではないでしょうか。
この夫のテレワークがどのような物なのかは想像するしかありませんが、私が思うテレワークとは、公私の区切りがつけられず、気付いたら本来あるべき筈の休憩時間すらとれていなかった、という事もあるのではないでしょうか。
私の夫はしばしば自宅でもパソコン仕事を行います。すると夫は区切りが良い所まで進めなければ作業の手を止めず、私にお風呂を沸かしておいてと頼んでおきながら、お風呂が沸いてもパソコンの前から動かず、結果お湯が冷めてしまう事がよくありました。
アイディアが浮かんだ時にすぐに形にしておかないと忘れてしまう時などは、昼食後の食器を洗っている暇など無いでしょう。そのままタイピングする指が興に乗れば、食器を洗っていない事なども忘れてしまうのではないでしょうか。
これはしばしば多くの男性が家事を自分事として捉えていないという側面もあるのかも知れませんが、女性がマルチタスクと言われる反面、男性がシングルタスクと言われているような特性の差もあるのではないかと思うのです。
記事の夫婦の元々の家事分担はいか程だったのかは分かりません。もし、これまであまり家事を分担してこなかった夫がテレワークで在宅するようになったのであれば、仕事のペースも掴みきれていない中で新たなタスクに取りかかる事は困難を極めるのかも知れません。

仕事の内容によっては、ずっと在宅でも家事にまで手が回らない事がある。多くの女性は育児の時にその問題に直面し、時には配偶者から「この程度の家事も出来ないのか」と呆れられた人もいるでしょう。
ずっと家にいるとは言え、育児をしていれば家事は疎かになるように、仕事をしていれば家事にまで手が回らない事もあると思うのです。
記事の夫婦には子どもはいないようです。もし子どもがいたならば、妻である自分の方こそが
「ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。」
「せめて、食材の買い物や夕飯のしたくくらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。」
「せめてお昼を食べた後の後片付けくらいできるでしょ」
と言われ、離婚を考えられてしまっていたかも知れません。

NHKのドラマ「伝説のお母さん」では、夫婦でありながら「夫が仲間になった」のは最終話でした。婚姻届を出しただけでは本当の夫婦(仲間)にはなれないのだと、結婚歴十年未満の私はこのドラマで学んだように思います。
新型コロナウイルス感染拡大防止の為の自粛生活が続き、多くの方々が大なり小なり疲れてしまっているのは分かります。記事によれば、40代の方では46%がコロナ離婚を考えたことがあるそうです。せっかく縁があって夫婦になったのですから、離婚という結論を出す前に、相手の状況を一度考えてみても良いのではないかと愚考した次第です。

人の振り見て

男性から見れば、女性は家事だ生理だ妊娠だ育児だと、仕事から逃げる口実が数多くあって羨ましいのかも知れません。
勿論、別にそれらに「逃げて」仕事への責任を放棄しているつもりは女性には無いかと思いますが、大黒柱であり続けなければならないと常に重圧を感じている男性にとっては、女性はお気楽そうに見えるのではないかと思います。
ならば仕事から逃げられない男性に対してその収入をけなす事は女性にとっては、いか程の罵倒に相当するのでしょうか。
痛ましい事件が起きました。


外出自粛“家飲みゲンカ”平手打ちで妻が死亡 夫がキレた一言
https://bunshun.jp/articles/-/37457?page=1

事件当日も飲みながら仕事の愚痴をこぼしていた妻。生活への不安から話は夫の収入にも及び、とうとうこの一言を口にしてしまう。

 あんたの稼ぎが少ないのよ――。

私は結婚を機に退職し、下の子が三歳になった今でも専業主婦のままです。仕事を持っている既婚女性の割合が専業主婦を逆転した現代において、私の事を健康な成人でありながら仕事をしていないニート、あるいは寄生虫と評する人もいるかと思います。
結婚前の私は夫と同じ会社で勤務していた為、当時の私よりも高い賃金を得ている夫の事は純粋に尊敬しています。世の中に何千万円という年収の人がどれだけいようと、少なくとも当時の私よりも高い収入が夫にはあるのですから、その数字を他人と比較してどうこう言う権利は私には無いと思っています。もしも少ないなと思ったならば、私が社会復帰すれば良いだけなのですから。しかし復帰したところで、仮に以前と同じ会社に就職したとしても、以前のような給与には戻れない事くらいは容易に想像出来ます。だからこそしっかり収入を得てきてくれる夫を私は尊敬しているのです。

2020年4月5日に東京・江戸川区で起きた初老夫婦の痛ましい事件の切っ掛けは、妻からの「あんたの稼ぎが少ないのよ」だったそうです。
記事によると妻はケータリング会社に勤めていましたが、新型コロナウイルスの影響で出勤回数が減り、収入が減る事を気にしていたそうです。
元々の夫婦仲はとても良好で、一緒にお酒を嗜む時間を楽しんでいたようです。ならば妻が口にした「あんたの稼ぎが少ないのよ」という発言は、妻からしてみれば少しの不安の吐露と、ほんの軽口だったのでしょう。「お前の収入も減ったしな」という反論を期待し、「コロナが早く収まれば良いね」とオチをつけるつもりでいたのかも知れません。ところが実際に待っていたのは激高による夫からの平手打ちで、床に頭を打ち付けた事が原因の急性硬膜下血腫による妻の死亡でした。

女性はどんな男性とお付き合いをしているか、既婚か未婚か、結婚を何歳の時にしたか、子どもは何人いるか、子どもはどこの学校に在籍しているか、持ち家か賃貸か等のスペックが他の女性とのランクの上下を決める事があるかと思います。自身が努力の末に得たものではなく、配偶者や子どもが与えてくれたものまで女性は女性同士の戦いの手札にしがちです。
その一方で男性はと言うと、収入の高い低いくらいしか男性同士では競い合う事がないのではないかと思うのです。つまり、女性が思っているよりもずっと、男性は自身の収入を気にしているのではないでしょうか。
大黒柱である事を常に求められて育った年代の男性は、妻も働きに出なければならない自身の収入にも後ろめたさがあったかも知れません。仕事も楽しい事ばかりではなく、悔しい思いや辛い思いをする事もあっただろうと思います。懸命に働き、得た収入を「少ない」と妻に言われる事は、相当に尊厳を傷付けられるものなのではないでしょうか。
子どもが産めない女性を石女(うまずめ)と蔑称する言葉はありますが、男性不妊も広く知られるようになった昨今では、私の希望的観測ですが、かつて程は女性は言われていないのではないかと思います。また、夫婦だけで生きていく幸せもだいぶ認知されつつあるように思います。そもそも不妊は身体的特徴の一つなので、努力では補えないものを貶す事はまた別の問題です。女性にとってのこの蔑称も、男性の収入をけなす暴言には相当しない気がします。
収入は努力すれば必ず上がるものではありませんが、努力は必要です。また努力次第でどうにかなると思っている人も中にはいるかも知れません。特に、社会経験に乏しい人ほど「勉強しなかったせいで良い職種に就けなかったのだろう、低収入は自業自得だ」と思っているかも知れません。しかし頑張ったところで社会情勢次第では正社員への間口は減り、良い会社に就職しても収入が減る事すらままあります。
既に頑張っている人に「頑張れ」と言う事は酷な事だと、女児向けアニメのプリキュアでも触れています。事件を起こした男性は、ずっと頑張っていたのだろうと思います。しかし頑張ったところでどうにもならない壁がある事を自覚し、ずっと苦しんでいたのかも知れません。新型コロナウイルスの感染を拡大させない為の終わりの見えない自粛生活で自分でも思いの外、心が疲れてしまっていたのかも知れません。
女性は不安を誰かと共有すれば心が軽くなる人が多いのか、大した事でなくても愚痴を言いやすい印象です。一方で男性は不安を抱えていても誰かに打ち明ける事が苦手なのか、自分の胸の内におさめておいてしまう人が多い印象です。また男性は女性から愚痴を聞かされた時に、問題解決の提案をしてしまいがちだそうですが、それはつまり男性は「愚痴」を自分がされた「相談」だと感じるからではないでしょうか。
「あんたの稼ぎが少ないのよ」
これを、どうやったらあなたの収入は上がるのかという問題提起をされたかのように受け止め、答えが出せないもどかしさと、これまでの仕事上で味わってきた様々な思いが過り、激高してしまったのでしょう。

女性が不快な事をされると、今やセクハラだ何だと、○○ハラスメントと名前を付ける事が出来るようになりました。しかし、男性が「男性らしからぬ」振る舞いをした時に男らしくない、と誰かが言った時に、それをセクハラだと男性は訴える事が出来るでしょうか。「か弱い女性」は、「強い男性」には何を言っても許されると勘違いしてはいないでしょうか。
より高い収入を得る事が男性のステータスであるとするならば、あまり高い収入でない男性と夫婦になる事を選んだ女性は、それについて言及してはならないような気がするのです。今回の痛ましい事件は、女性は男性の大変さを考える切っ掛けになるのではないかと思います。
特に、私自身が夫の尊厳を傷付ける事などないよう、自分の言動に気をつけていこうと思いました。