xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

せいりと水泳の話

体感ですが、近頃は生理についてのネット記事が多くなっているような気がします。

「【悲報】生理でプールに入れない子は炎天下の校庭10周(2km)走るとの事。」という中学生の娘を持つ母親からの書き込みが、SNSで大きな反響を呼んだ事がきっかけのようです。


「生理でプール見学の子は校庭10週」指導が女子生徒を壊す
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180727-00056713-gendaibiz-bus_all

こちらの記事によると

「私の学校も生理痛が酷くてどうしても入れないという子はプールサイドで腹筋背筋体幹トレーニングを1時間休みなしでやらされていました」

「うちの学校もそうでした。しかも体育は1日でも落とすと欠点で、体育が欠点だと絶対留年という謎の制度のため……必死でタンポンを練習しました」

「生理で入れませんと男の先生に伝えたところ“ティッシュ詰めて入れ”と言われて嫌な気持ちになった思い出があります」


現在30代後半の私の中学時代にも体育がプールの日に生理の女生徒は、プールに入る代わりに炎天下のグラウンドでランニングでした。
しかも本当に生理中なのか女性の体育教師に下着を下ろされ、中を確認された生徒がいたとの噂さえ聞きました。
私の記憶の限りでは私自身は教師に下着を下ろされた経験はありませんが、暑いグラウンドから歓声が聞こえるプールを羨ましく眺めた覚えがあります。


生理中の水泳の授業 産婦人科医として考えた
https://www.buzzfeed.com/jp/natsusato/seirichuunosuiei?utm_term=.xn7jPJRqP#.mhxev8zEv

上記の記事によると、日本産科婦人科学会の小児・思春期問題委員会が1989年にまとめた「月経期間中のスポーツ活動に関する指針」にて生理中の水泳については、以下の提言を行っているそうです。

小学生では、精神的にも身体的にも、なお未熟であることから、強制的に行わせるべきではないと考えられる。
中学生以上では、「生理用品」を使用しない状態での水泳が望ましい。すなわち、プール外での経血の流出との関係もあるので、経血量が減少してから行う方が良いと思われる。なお、経血の流出量がある程度以上ある状態で水泳を行う場合には、内装具の使用が必要となるが、この場合には水泳時に限っての使用に制限するべきである(高校生以上を原則とする)。

「内装具」とはタンポンのことですが、タンポンの使用についてもこの提言は触れています。

思春期少女の場合には、内性器の発育状態、清潔に取り扱うことの困難さなどから、中学生以下ではタンポンの使用は避けるべきであり、とくに小学生では禁止するべきである。


生理中のプール授業対策でタンポンを練習した人の話を先に挙げましたが、性行為をした事のない少女にとって膣に異物を挿入する行為には精神的に抵抗があると思います。
タンポンを挿入する事で破瓜するのではないかという恐怖、取り出す際に紐が切れてしまい婦人科の世話になるかも知れない恐怖、そもそも挿入時の痛みへの恐怖があるでしょう。

私もタンポンを使用した事があります。プラスチック部分を膣に挿入するまではうまくいきましたが、そこから吸収体を押し出した時に内部を広げられる異常な感覚に不快感を感じました。
更に膣の中の異物感を感じない場所にうまく挿入する事ができず、あまりの違和感にすぐさま引き抜いた事があります。
(男性の方、つまり膣挿入だけでは女性は性的に感じないという事です)

また“ティッシュ詰めて入れ”と男性教師に言われたという女性の話もありましたが、それこそティッシュペーパーでは取り出す際に溶けて膣内部にティッシュが残りそうだし、そもそも挿入時は乾燥している紙を入れる訳ですから摩擦で痛そうです。
男性にとってはただの血が出る穴でも、少女にとっては聖域なのだという意識の違いが如実に現れているエピソードだと思いました。


生理中のプール授業の何が嫌かと言うと、プールの水に経血が広がるかも知れない事もありますが、最も嫌なのは泳いでいない時にプールサイドで待機しなければならない時間です。
その間に経血が足をつたい、自分の下に血溜まりを作ったら…

男性は自分が中学の授業中に下痢便をもらした場合を想定すれば、生理中の水泳を嫌がる女生徒の気持ちに寄り添えるのではないでしょうか。

その後、どんなからかいを受けるのか想像して頂きたいものです。


下痢便は肛門括約筋が頑張れば漏れないかも知れませんが、経血の場合は筋肉を締めても流出は防ぎきれません。

尿や便のように経血を貯めておければ女性は苦労しません。
そしてまた生理はただ経血が流れ出るだけでなく、子宮収縮の痛みを伴い、下痢などの体調不良にもなるのです。
見学だけでも辛い人もいるのに炎天下でグラウンド10周…
プールに入れない生徒がグラウンドを走らされるのは、教師の人数が足りず、体育館などで他の運動を指導する事が出来ない為に監督者不在でも成立する競技ゆえかと思いますが、それはあたかも生理になった事に対する罰則のようにも見受けられます。

生理は正式には月経と言い、健康な女性なら当たり前に毎月起きる生理現象だからこそ「生理」と呼びます。
起きて当然の事に罰則を与える事はいかがなものか。
水泳選手が大会中に生理にならないように調整するのと同じように、水泳授業の日程に生理周期を合わせない女生徒が悪いのでしょうか。


「生理は病気じゃない」教師から3kmマラソンを強要された経験を描いた漫画に共感広がる
https://m.huffingtonpost.jp/2018/07/03/cramps-marathon_a_23474188/?utm_hp_ref=yahoo


こちらの記事によると、女性の体育教師から「生理は病気じゃない」と言われ、生理痛で苦しむ女性がその日の授業内容であるマラソン3kmを休ませて貰えなかったそうです。

キリスト教の学校で礼拝中に倒れ保健室行きになる程の生理痛の持ち主にマラソン3kmを課す。
男性よりも、女性からの無理解の方が心に迫ります。

生理痛は個人差が大きく、日常生活に支障を来さない人もいれば、倒れる人や嘔吐して動けなくなる人もいます。
(私の母は学生の頃、生理の度に嘔吐していたそうです)

本人が不調を訴えているのであれば無理をさせるべきではなく、その代替授業は別途用意するべきです。
私の卒業した高校では、体育の授業中にプールに入れない場合はプールサイドで見学でした。
そして放課後には水泳部が活動する隣の幾つかのレーンがプール授業の代替の場として開放され、授業時間に水泳が出来なかった生徒は夏の期間の好きな日程で放課後プールに参加すれば水泳の単位が取得出来ました。


ところで、そもそも水泳の授業はそんなに必要な事なのでしょうか。
本当に生理中なのか下着を下ろさせて確認したらしい私の中学時代の教師は、ズルしてプールから逃れようとしている女生徒を摘発しようとしたのでしょう。

そもそも体毛が生え、体型に個人差が出てくる思春期に水着になる事に私は抵抗がありました。
水着の形も脇を出し、股間を強調させるデザインなのがいただけない。
乳房の大半は脂肪で、普段は下着で支えないといけません。つまり胸が大きい人の場合、泳ぐと水着の左右の脇部分から乳房がはみ出てしまい、水から出る度に直さなければならないのです。
上は二の腕を隠し、下は膝丈までの長さにし、胸部は乳首の突起と脂肪の流動を完全に抑え込める厚さのデザインの水着であれば、少しは安心するのに。

娘をもつ身となった今、将来娘が生理ごときで不利益を被らぬよう学校の水泳の授業自体がなくなれば良いのにと思っています。



一般女性が泳げなくて困る事って、船が沈没した時くらいじゃないですか?
服を着て泳いだ授業以外のプール授業は、私の成長にさして良い影響を与えたとは思っていません。
学校代表で水泳の大会には出場しましたが。