xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

ただ、悲しかった

知的障害の息子の腕に電話番号タトゥー 行方不明を案じた母の選択に賛否両論(中国)

https://netallica.yahoo.co.jp/news/20180730-18068867-techinq

中国でこのほど重度の知的障害を持つ少年が家から姿を消し行方不明となったが、腕に彫られたタトゥーがきっかけで親との再会を果たすことができた。『South China Morning Post』『Oddity Central』などが伝えたが、中国のソーシャルメディアではこのタトゥーに賛否両論の声があがっている。

…との事。

高速道路を一人で歩いていた知的障害がある少年の身元が分かるものを警官が探そうとしたら、少年の腕に電話番号が彫られているのを見つけ、その番号に警官が電話をしたおかげで少年の保護から30分で母親が現場に駆けつける事が出来た。

記事によると、

今回の件について、中国のソーシャルメディアでは「いくら心配だからといってもタトゥーまではやりすぎ」「こんなタトゥーを子供に彫る親が信じられない」「首からカードでも吊るしておいたほうがマシ」「究極だが、こうした状況では効率的だと思う」「出稼ぎに来ている貧しい親のようだから、GPS装置は高くて買えなかったんじゃないか?」といった賛否両論の声があがっている。

…との事。

たびたび行方不明となる知的障害の子どもをもつ母親が私ならどうするだろうか。
首からカードを下げさせたり、GPS機能を付けたリストバンドを装着させたりしても子どもの手によりはずされてしまうかも知れない。指紋を警察へ登録しておいても、ペットに付けるようなマイクロチップを埋め込んでも、照合するまでに時間がかかってしまいます。(マイクロチップは人道的な問題もあるか?)
今回は通報を受けた警察官が少年を保護しましたが、一般の人が保護した場合、少年の腕に電話番号が彫られている事に気づいて貰えれば、警官でなくても母親とすぐさま連絡が取れたでしょう。
これはとても効率的です。
ただ、タトゥーという点が多くの人の心に引っ掛かったようでしたが。

私なら産院の取り違え防止策で新生児の我が子の脚に私の名前を書かれたように、子どもの腕に油性ペンで私の連絡先を書くだろうと思います。それは単に今現在、タトゥーを彫ってくれる店を知らないからと、手元にある油性ペンで事足りるからです。
ただ油性ペンではいつかは薄くなるのでいずれ書き直しが必要になり、記入内容が薄れていないか毎日確認しなくてはなりません。また、それが何十年も続く作業かと思うと途中でうんざりしそうです。

他者が記入内容を確認する際の容易さ、内容の消えない確実性を考えれば、腕へのタトゥーは最も効率的です。
(消せないせいで電話番号が変更になってからは以前の番号に訂正線まで彫られていたのは痛々しいですが)

方法は間違っていたのかも知れませんが、そこには我が子の身を案じる愛情しか感じませんでした。
このニュースの初見の印象は、ドラマ「透明なゆりかご」(NHK)第1話で主人公が想像した、赤ちゃんへの添い乳中に眠り込んだ母親が寝相で覆い被さり赤ちゃんを窒息させてしまったシーンを観た時に似た切なさでした。
死因は、愛。
愛情に満ち溢れているけれど、それはひどく悲しい。


知的障害児や認知症の方を安全に過ごさせたいならば、隔離すれば早いのかも知れない。危険な外へ出ないよう、身体拘束は必要悪なのかも知れない。
しかし、この母親はそうしなかった。

我が子に電話番号のタトゥーを彫った母親を、批判する気には私にはなれなかった。
ではどうする事が最善なのか分からず、ただただ、悲しかった。