xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

避けられるなら

5年前の2013年に風疹が流行し患者数が1万4000人を超えた際、不幸にも母体が妊娠中に風疹にかかってしまい、先天性風疹症候群(CRS)の赤ちゃんが45人生まれたそうです。

そしてまた、下記のニュースが報道されました。

風疹が流行する兆し 厚労省、予防接種の徹底を呼びかけ

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000099-asahi-soci

厚労省によると、5日までの2週間の患者数が38人に達し、千葉県など関東地方を中心に急増している。今年の累積患者数は96人で、すでに昨年1年間の93人を超えた。夏休みなどで多くの人の往来が見込まれることから、今後さらに感染が広まる恐れがある。


私自身は小学生の時に風疹にかかりました。覚えているのは少しの発熱と身体中に出た小さな赤い発疹で、「三日ばしか」という別名の通り数日で治りました。
私にとっては嫌々エントリーさせられたマラソン大会に、風邪より辛くもない病気で出場しなくて済んでラッキーとほくそ笑んだ思い出の病気です。ところが私の看病でうつってしまった母は重症化し、一週間以上寝込んでしまいました。

この出来事が重要な意味をもつ事を知ったのは第一子を妊娠してからでした。
妊娠初期の血液検査で風疹抗体が調べられ、数値の高さを医師から誉められたのです。
2013年の大流行の際、様々なメディアで風疹が大々的に報道されました。そこで当時の30代以上の男性には国がワクチン接種を行っていなかったせいで流行を防げない事や予防接種一回だけでは免疫獲得は不完全な事、そして何より妊娠初期に母親が風疹に感染すると胎児に障害が出る事を知り愕然としました。
あんな軽い病気で、目の見えない、耳の聞こえない子どもが産まれる。
あんな、風邪より楽だった病気で。

私の風疹の抗体の高さを確認した医師が言った誉め言葉、「エクセレント」
大袈裟な言葉の裏には産婦人科医師にとって懸念がひとつ、完全に消去できた喜びが隠れていたのでしょう。


ゼロにできる赤ちゃんの障害がある 一生で2回、風疹ワクチンを打つだけ

https://ex.yahoo.co.jp/buzzfeedjapan/medical/9.html

こちらの記事から抜粋します。

妊娠中に風疹の免疫のないお母さんが風疹にかかると、お腹の赤ちゃんにうつってしまって、妊娠初期だと70%程度の確率で赤ちゃんに障害が出ます。先天性風疹症候群と呼ばれるものです。

白内障で産まれてくる(出産して数ヶ月してからなる事もある)、心臓に障害を持って産まれてくる、耳が聞こえない、などが代表的なものです。昭和40年に、沖縄で風疹がはやったときに、米軍機が飛んでいてもスヤスヤ眠っている子どもがいる、ということで障害があることがわかったという話があります。

さらに、流産や死産もあります。ちなみに、妊娠20週以降の感染であれば、ほぼ障害は出ません。つまり、風疹という病気自体は軽いけど、妊婦のお腹にいる赤ちゃんの障害が問題なのです。


ーー先天性風疹症候群で難聴の赤ちゃん

妊娠中に風疹に感染したために先天性風疹症候群になった赤ちゃんに会ったことがあります。よく笑うし、元気いっぱいのかわいい子でしたが、音がほとんど聞こえていないそうです。

母親は、上の子を産んだときに産科医から「風疹のワクチンをしたほうがいいよ」と一応は言われていたそうです。しかし、そこまで重要なことだとは思わずにいて、ワクチンを打たないまま妊娠して風疹にかかってしまいました。「風疹のワクチンを打ってさえいれば・・・」と、悔やんでいらっしゃいました。

また、妊娠中の風疹感染がわかったときに、産婦人科医が中絶を強く勧めて、3か所目の病院でようやく出産を受け入れてくれたという事実も衝撃でした。

(中略)

私の勤務している病院でも、妊婦の夫が2人、妊婦の実父が1人、風疹になり、流行を実感しました。赤ちゃんに障害が残る可能性のある人もいましたが、いろんな検査から赤ちゃんへの感染はないと判断して、産むことになりました。結果的に大丈夫でしたが、「大丈夫と言われても生まれてみるまでは不安だった」とおっしゃっていました。

先天性風疹症候群の患者数に出てこなくても、妊娠中にこのような不安を抱えながら過ごした妊婦が大勢いたのです。障害の可能性などから中絶という選択をした人もいますが、その数は統計には出てこないということも、忘れてほしくないです。実際には先天性風疹症候群の赤ちゃんの数十倍の中絶があると考えられています。

妊娠中に風疹にかかると、障害をもった子どもが産まれる可能性がある。それゆえ上記の記事では二ヶ所の産婦人科医師が母親に中絶を勧めた。
私の抗体の高さを指して「エクセレント」と大袈裟に誉めた医師の気持ちを、この記事を読んで初めて理解しました。
勝手なイメージですが、赤ちゃんが大好きで、新しい生命の誕生を応援しようと診療科目を選んだのが産婦人科医師だと思うのです。堕胎手術の提案など出来れば避けたいでしょう。

母親にしても、ただでさえ精神的に不安定になる妊娠中に「自分のせいで子どもに障害をおわせたかも知れない」という不安を数か月抱え込むストレスは相当なものです。
ですがこれらは、ワクチンさえ接種していれば防げるのです。


他にも、努力すれば避けられる障害があります。NHK朝ドラの「半分、青い。」は主人公が小学生の頃におたふく風邪に感染し、ムンプス難聴で左耳の聴力を完全に失っています。これもワクチン接種をしていればおたふく風邪にかかっても軽く済み、障害が残らずに済んだかも知れません。また、おたふく風邪は将来の不妊症の原因にもなると知り、定期接種でないため実費なのは承知で私たち夫婦は子どもたちにワクチン接種をさせました。
わずかな努力で我が子の将来の悲しみを取り除けるのならば、そうするのが親の責務だと思ったのです。


おたふくかぜで耳が聞こえなくなることも!予防はワクチン接種だけ!
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=14411&utm_source=headlines.yahoo&utm_medium=referal

おたふく風邪については、子どもの予防接種スケジュールを確認した時に、定期接種ではないし、受けなくても良いワクチンなのだろうと思って除外していました。風疹、おたふく、水疱瘡は自然とどこかから感染して子どもの頃に自分で免疫を作るものだと思っていたのですが、上記の記事を読んでおたふく風邪の怖さを知りました。

ただし、記事では副反応についても記載されています。

「日本では、おたふくかぜのワクチンは、一時期だけMMR(麻疹[ましん]・おたふくかぜ・風疹[ふうしん])ワクチンとして定期接種で受けることができました。ところが、ワクチンの副反応である無菌性髄膜炎(ずいまくえん)の発症率が問題となり、定期接種のワクチンから外れてしまいました。そのため、現在ではおたふくかぜワクチンは任意接種のままとなっています。

副反応を恐れてワクチン接種を見送るか、難聴になってから後悔するか。
ワクチン接種に副反応の可能性はつきものとはいえおたふく風邪ワクチンは実に難しい二択を迫るので、絶対に受けるべし、とは無責任に書けないところが悩みどころです。


また私が妊娠関連のサイトを巡ったせいか、インターネットに接続すると葉酸サプリの広告をしばしば目にします。
広告は、やや不安を煽り気味なところはありますが、妊娠前から積極的に葉酸を摂取していれば、いざ妊娠してから胎児の二分脊椎を防ぐ事が出来るそうです。
二分脊椎(にぶんせきつい)とは赤ちゃんの背中の皮膚が裂け、割れた背骨から半透明な色調をした こぶ、脊髄神経がはみ出してしまう症状です。
こちらも葉酸を摂取するだけで防げるのなら安いものです。私がその事を知ったのは妊娠後だったのでもう遅いかもと思いつつ、妊娠中に葉酸含有の高い食品としてブロッコリーを頻繁に食べました。
妊婦向けの商品に鉄分ならまだしも、葉酸プラス、と書かれているものが多い事に初めは疑問を持っていました。葉酸なんてビタミンCやビタミンB1等のようにはこれまで摂取せよと特に言われてこなかった知名度が低そうな栄養素が、よもや妊婦になると欠かせないものになるとは驚きでした。
その立場になってみないと理解できない事柄は、おそらくこれから他にも色々出てくるのでしょう。


例えどんなに出生前診断を駆使しても、どのような障害が子どもにあるかは産まれてみないと分かりません。
しかし、無くせる障害はあります。
かつて、子宮頸がんワクチンの副反応の重大さが報道され社会に衝撃が走り、他の全てのワクチンにも恐ろしいイメージを持ってしまった人もいるかも知れません。しかし、ワクチンの副反応を怖がるよりも、ワクチン接種をしなかったせいで病気になり、障害が残る方がリスクは大きいと思います。
ほんの少しの努力で避けられる障害は、避けるべきだと思うのです。

先に取り挙げた
【ゼロにできる赤ちゃんの障害がある 一生で2回、風疹ワクチンを打つだけ】
この記事によると、2017年にも先天性風疹症候群の赤ちゃんが福岡で生まれたそうです。
可能であれば今年は、避けられるはずの障害をおう赤ちゃんの人数が2013年の時よりも少なければ良いなと願います。