xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

生活の為の学問

母親がマニキュア落としに使った除光液から有毒物質、同じ部屋で寝ていた2か月男児が中毒

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181006-00010000-yomidr-sctch


 ある夜、生後2か月の男児を床に寝かせた母親が、同じ部屋で爪のマニキュアを落としていました。男児は12時間以上寝ていましたが、起きた時には母乳を吸う力が極端に弱くなっており、嘔吐(おうと)も繰り返しました。

 様子がおかしいため医師に診てもらったところ、血液検査などからアセトン中毒と診断されました。アセトンは有機溶媒の一種で、マニキュアを落とす除光液に含まれていたものです。

 揮発しやすい液体ですが、蒸気は空気の2倍も重く、低い場所にたまります。つまり、床で寝ていた男児はアセトンを含む空気を一晩中吸っていたことになります。男児は入院後回復し、4日で退院できましたが、大量に吸えば意識障害を引き起こすなど危険な物質です。

この記事についてインターネット上で「学校で習っただろ」「こんな事も知らないのか」などといったコメントがついていますが、恥ずかしながら私は除光液がここまで危険な薬品だとは知りませんでした。100円均一ショップでも売られている手軽な物で、マニキュアを落とす時にコットンに染み込ませて使用する道具、それが私にとっての除光液の知識です。
マニキュアを塗った事はありますし、除光液のような刺激臭を「シンナー臭い」と表現する事も知っています。シンナーは「昔の不良が吸っていた物」というイメージで、酩酊する感覚を楽しむ危険な薬品。そんなシンナーは揮発してすぐに無くなってしまうから、袋に入れて吸うのだとも。
揮発とは空気中に拡散する事かと思っていたのですが、除光液に含まれる成分アセトン(アセチレンガス)は空気よりも重い気体のため低い場所に留まるとの事。それで記事のような事故が発生してしまうとは。
工作用の塗料などが換気に注意するよう記載してあるのも同じ理由なのだと改めて気が付きました。

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記事についてインターネット上で「こんなのは常識だろう」とコメントしている人が少なくないように、理系の授業でアセトンの危険性を教わった方は多いのかも知れません。
私も高校時代、化学の授業を受けました。ですが実生活でその知識を生かしきれているかというと、答えは「いいえ」です。それは机の上で必要な知識という意識で、自分の生活には関わってこないような気がしていたのです。
誰もが学校で習った知識を実生活に結び付ける事が出来たならば、ベビーカーに乗せていた子どもが熱中症になる事もないのではと思うのです。輻射熱は習っても、それがベビーカーに関わる知識だとは繋がらない。今回の記事もアセトンが危険な薬品だと知っていても、布団に寝かせている赤ちゃんに影響が出るとは繋がらなかったのではないでしょうか。

手元の除光液の成分は「アセトン、水、ツバキ油、ローズヒップ油、イソステアリルアルコール、テトラオレイン酸ソルベス-60、PPG-12-PEG-65液状ラノリン、オキシベンゾン-3、赤106」でした。件のアセトンは主成分だったのだと知り、子どもが小さいうちはマニキュアを塗るまいと封印していたかいがありました。
こんな身近にこんな危険なものがあったとは。本当に盲点でした。

学業から離れて思うのは、家庭科や保健体育の授業こそが人生で最も必要な事だったのではないかという事です。家庭で親が子に教えるべき内容とは思いますが、確認の意味で、生活に密着した授業があっても良いのかもと思いました。