xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

子どもは3学年差がベストだと思う

先日テレビをつけた時にEテレにて「時々迷々(ときどきまよまよ)」という番組が放送されていたので視聴しました。小学校3~4年生向けの道徳の番組らしいのですが、その内容がいたく心に残りました。私が観たのは第23回「バースデーの空」です。

主人公の小春は小学生の女の子(番組対象の小4あたりか)。小春のお母さんは妊娠中で、高齢出産になる事を少し心配している。それまでひとりっ子だった小春はお姉ちゃんになる事になったが、そのせいでかお母さんは小春に対し何かと「お姉ちゃんになるんだから、しっかりして」と口うるさく注意する。
ある日、お母さんの出産予定日が近いというのにお父さんが出張に行ってしまう。そのせいで小春はお友だちからの遊びの誘いを断らなくてはならなくなった。お友だちは小春の家に赤ちゃんが産まれる事を「いいな」と言うが、小春の心境は複雑だ。そのせいで自由に遊びにも行けないのだから。
八つ当たりするように自室を散らかし、お母さんからの手伝い要請を無視して漫画を読み続けているとお母さんが小春の部屋にやって来た。部屋の惨状を見てお母さんは言う。
「ねえ何回言えばいいの? 小春、お姉ちゃんになるんだよ!?」
その言葉に小春の思いは爆発する。
「小春は…小春は『お姉ちゃん』じゃないもん! 小春は『小春』だもん! ママは小春のこと邪魔なんだ! 小春なんか生まれて来なければ良かった!」
そうして小春は家を飛び出し公園に向かう。「生まれて来なければ良かった」など、もちろん本心ではない。帰宅するとお母さんに陣痛が来ていた。
タクシーを呼び、母子手帳を探し、お母さんを励ます小春。病院に着くと一人で廊下の椅子で待たされる事になった。
看護師さんに母子手帳を持ってきたか訊かれ2冊手渡すと、1冊を返される。それは小春の母子手帳だったのだ。中身を読むとお母さんはいかに赤ちゃんだった頃の小春に心を砕いていたかが分かった。そこへお父さんが出張先から到着する。
気が付くと朝になっており、小春は廊下の椅子で寝かせられていた。看護師さんが弟が産まれた事を知らせに来る。
小春は生まれたばかりの弟を抱き優しく言う。「お姉ちゃんだよ」と。

番組はそこで終わりでした。おそらくこの番組は授業資料の位置付けなので、他のEテレの番組のように「このシーンはどう思った?」や「皆はきょうだいってどう思う?」などという投げ掛けは番組内には無いのでしょう。

視聴中、一番「あちゃーーっ」と叫びたくなったのはお母さんに陣痛が来る前の、お母さんがダイニングにいるお父さんにお茶を用意する場面です。このとき小春は一人でリビングのソファーに座り雑誌を読んでいましたが、同じ空間なので両親の会話は耳に入っています。両親の会話は以下の通り。
「男の子なんだなぁ」
「パパ、男の子欲しかったもんね」
「そうだっけ?」
「一緒にキャッチボールしたいって」
「言ってたっけ?」
「言ってた言ってた」

自分が小春の立場でこの会話を聞いていた場合、パパは男の子を望んでいた=女の子である小春の誕生をお父さんは望んでいなかった、と受け取ります。
両親はそんなつもりでしていた会話ではないし、二番目の子どもが上の子と異なる性別だと判明した家庭では普通にする会話だと思います。しかし両親の注目がただでさえ下の子に注がれている状況では、上の子が両親の何気ない会話に過剰に反応してしまうのも致し方ありません。

我が家の子どもたちもこのドラマと同じく上が女で下が男の順番で生まれました。私たち夫婦は対外的には下の子の性別はどちらでも良いと言っていましたが、正直に言えば私は今度は男の子が欲しい気持ちがやや強くありました。
下も女の子なら服はお下がりが着られるので出費を抑えられるな、部屋もしばらくは姉妹同室で大丈夫だな、ジブリ映画「耳をすませば」の雫(主人公)姉妹のようなレイアウトにすれば大きくなっても一室のままでいけるかな、でも名付けの一番良い候補は上の子に使ったから余計に悩むな。
下が男の子ならトイレトレーニングの事とか思春期あたりなんかに苦労しそうだな、でもこれで子どもが男女揃えば周囲から三人目を催促されなくて済むな、男の子の父にもなれたなら夫が喜ぶかな、男の子の母にも私もなってみたいしな。

やがてお腹の子どもが男の子だと判明した時に私の両親の反応が「おー、そうか」だったのに対し、夫の両親の反応はとても大きかった。それまで特に男児を産めと直接言われてはいませんでしたが、娘を産んでから以降、「女の子じゃあ○○出来ないものね」と言葉の端々から跡継ぎとなる男児誕生を期待している節があったのです(継ぐものも自宅とお墓だけの一般家庭ですが)。
もし上の子が「時々迷々」の小春のような大人の言動が理解でき、覚えていられる年齢でその場にいた場合、女児である自分の誕生は祖父母に歓迎されていなかったのではと娘は疑心暗鬼になっていたかも知れません。
また上の子が小学校中学年~中学生になっている時に母親が妊娠中だと同級生に知られた場合、子どもの作り方を知る頃なので性的なからかいを受ける可能性もあります。

では上の子と下の子が年子や2歳差だった場合はどうなっていたかを考えます。年子を妊娠した場合には強制的に上の子の断乳をしなければなりません。授乳するとオキシトシンというホルモンが分泌されるのですが、このホルモンは子宮を収縮させる効果もあるので次の子を流産してしまう危険があるからです。
2歳差だとしてもまだまだおっぱいが恋しい子もいるので厳しい断乳になっていたかも知れません。また、下の子の月齢が低いうちに上の子のトイレトレーニングが始まります。トイレトレーニングが完了しない間はおむつも新生児~SサイズとM~Lサイズの二種類を購入しなくてはなりませんが、特売の時は購入制限がかけられる事がしばしばあるので一回の精算で何パックもまとめ買いが出来ません。
食事もまだまだ上の子の補助をしなければならないというのに下の子の離乳食に取り組まなくてはなりません。何より下の子がつたい歩きを始める危険な頃に上の子がイヤイヤ期かと思うと考えただけでも大変そうです。

その一方で3才~4才差きょうだいのメリットを挙げますと、下の子が産まれる頃には上の子は食事は大人とほぼ同じ物を一人で食べる事が出来、食べ終われば食器を自分でシンクまで運んでくれる。トイレトレーニングも完了し自分で服を下ろして便座にも座れる。寝なさいと言えば上の子は一人で寝室に行けるし遊び相手をしてやらなくても玩具で遊び、テレビも自分が観たいものをリモコンを操作して選択できる。一人で着替えもできる上、下の子がソファーなどによじ登ろうとした時にはそれは危険だからと羽交い締めにしてでも止めてくれ、下の子が嘔吐しそうな時には洗面器すら用意してきてくれる。
保育園に行かずとも3年保育の幼稚園に上の子を入園させれば親が昼間に自宅で面倒をみる未就園児は下の子一人だけなので世話に集中できる。上の子、下の子の0~3才の時期をどちらも一人っ子のようにしっかり相手をしてやれます。
そして年齢が離れすぎてもいないので上の子も下の子も遊びの内容にあまり違いはないため二人一緒に遊べるのです。
下の子が幼稚園に通う頃には上の子は小学生なので渡されるお便りがさほど混同せず、上の子が高校生の時に下の子が中学生になるので上の子が綺麗に着てくれれば同性であれば制服のお下がりも可能で、思春期ど真ん中の中学時代にきょうだいの校内での動向を同級生に知られる気恥ずかしさが減ります。更にいずれ来る受験の時も、3学年差であれば上の子が大学受験の時に下の子が高校受験になるのでどちらも受験生。受験を控えている子が、そうでないきょうだいが呑気にしている様子にピリピリする機会も少なそうです。
唯一のデメリットは各々の入学式と卒業式の日程が重なってしまった時に親のどちらがどちらの式に行くのかを悩むくらいでしょうか。
勿論これらは脳内シュミレートなので実際には様々な苦労が出てくるのだろうとは思いますが、他の年齢差に比べると随分メリットが多いように思えます。

きょうだいは年の差が近すぎても大変で、少し離れても何かと大変です。いっそ16才以上に差があれば喧嘩も一切なくなると聞いた事がありますが、それでは産む方の体力面などが心配です。
私の周囲は2才差きょうだいがとても多いので、私に下の子の妊娠が判明するまでは自分が二人目不妊なのではと悩んだ事もあります。

なのでネット上だけでも声を大にして言いたい。
育児は3学年差が最高だと。