xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

私の出産はフランス式だったらしい

我が家の子どもは二人。上の子は女の子なので年頃になれば星占いにも興味を持つかも知れません。そんな星占いは誕生日が一日ずれるだけで対応する星座が変わる事もあります。さそり座の女、乙女座の男と聞くと、その人の印象すら変わってしまう事もある星座。もしかしたら将来は娘に「○○座で生まれたかった」などと言われる日も来るかも知れません。
誕生日、出産とは神秘的なもので、満月の日に珊瑚が一斉に産卵するように、人間も満月の日の産科病棟は慌ただしくなると聞きます。だからこそ人工的に胎児を取り出す帝王切開は不自然だからと抵抗がある人もいるのではないかと思います。
アニメ「HUGっと!プリキュア」でも一人目の子の育児は失敗ばかり、二人目こそは完璧な母親になろうと思っていたのに帝王切開で出産する事となり、最初から「完璧な母親」からつまづいてしまった自分は駄目な母親だと落ち込む女性が登場しました。自然に来るべき赤ちゃんの誕生日を人工的に造り出す事はエゴなのではないかと悩む人は少なくないのかも知れません。

私に帝王切開の経験はありませんが、実は私の二回の出産はどちらも人工的なものでした。上の子も下の子も出産予定日を越えても自然な陣痛が訪れず、破水もしないまま陣痛促進剤による誘発分娩となったのです。
これから出産を控えている方は出産費用も気掛かりの1つにあるかと思います。私が産んだ産院では初産か経産か、経産でもこの病院での出産は初回か二回目以降か、平日か土日祝日か年末年始か、出産した時間が時間内(8:30~16:30)、時間外(6:00~8:30または16:30~22:00)、深夜帯(22:00~6:00)かで分娩料金が変わりました。
促進剤を投与しての出産は妊婦の体質によって薬の効きが異なるらしく、初日に出産に至らなくても翌日にまた挑戦出来るよう、平日が数日続く曜日に実施される事が多いそうです。
人によっては数日チャレンジしても陣痛がつかず帰宅させられる事もあるらしい中、私は医師より「ブーストかかると速いね」と言われたように、促進剤投与から6時間で出産に至りました。二人目の時は経産婦だったので5時間で完了しました。結果的に子どもはどちらも平日の昼間に出産した為、分娩費用は最も安価な金額となったのです。

破水から始まったお産は促進剤を投与しても「自然なお産」だと言えるでしょう。投薬はあくまで補助の為で、出産のきっかけではありません。しかし我が子は完全に人工的に陣痛を起こされて子宮から押し出されてきました。
自分が自然な陣痛により誕生した訳ではない事を我が子は知りません。あと数日お腹の中に入れておけば自然な陣痛が訪れていたかも知れず、そうなると上の子の星座は今のものとは変わっていた可能性があります。しかし上の子の誘発分娩をお願いした時には既に10日も予定日を超過していました。「出産予定日」とは胎盤の機能が正常に働く期限、それを過ぎると胎盤の機能が衰えてしまうと知りました。また窮屈な子宮でへその緒が圧迫され胎児への酸素や栄養が滞ってしまうのではと気が気ではなかったので、自ら医師に誘発をお願いしたのです。
他の妊婦さんの予定日や医師のスケジュールを考慮して私への陣痛促進剤投与日が決定しました。つまり我が子の誕生日は担当医師の勤務スケジュール次第だったのです。
そうして決められた自身の誕生日を占い好きに育った娘が将来知ったとしたら何と言われるだろうかと気がかりだったのですが、下記の記事を読んで少し心が軽くなりました。


フランス人の「出産&子育て」が、日本とここまで違うワケ

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181212-00058536-gendaibiz-bus_all

 無痛分娩が一般的なフランスでは、約8割の人が無痛分娩を選びます。出産が近づいてきたら、あらかじめ担当医と相談して出産日を決めます。日本のように陣痛が来るまで待つことはしません。

私の出産の仕方はフランスと同じだったのです!

自然分娩が主流の日本でも徐々に無痛分娩が増えてきているそうで、日本産婦人科医師会の調査によると2007年度の実施率は2.6%だったのに対し2016年時点での実施率は6.1%(5.2%と報道している新聞社もある)と、徐々に増加しているのだそうです。
ならば娘が出産する年齢になる頃には日本でも無痛分娩が一般的になっているかも知れません。もしそうなれば産科で娘は担当医師と出産日の相談を行うでしょう。そして自分が生まれた時の事に思いを馳せた瞬間、「ああ、私の誕生日もこうやって決まったんだ」と気付くかも知れません。

自然分娩か帝王切開か、はたまた促進剤によって出産日を人工的に造り出そうとも、正期産ならば子どもの発育には何ら影響は及ぼしません。陣痛を経験しないと母性本能は芽生えないというのも今ではあり得ない話です。どんな産み方をしようとも子どもが健康に育っていれば良いのです。帝王切開を気にする母親の話が多い中、経験した全ての出産が誘発分娩だった自分は微妙な立場でしたが、時代の先取りだったと思う事にしました。



何でもない状態からいきなり強烈な陣痛が始まる為、誘発分娩は自然な陣痛よりも痛いらしいと後から知りました。
でも一番頑張っているのは帝王切開の人だと思う。帝王切開を楽だと言う男は内臓まで切腹したあと歩いてみれば良い。