xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

車の運転は胎内くぐりだった?

一般的に男性が速い乗り物が好きなのは、遠くに出かけて成功し地元に帰ってくる、というロールタイプが本能に刻まれ、それゆえ本能的に遠くに行ける乗り物に惹かれる為、というような話を聞いた事があります。
また乗り物に乗る事で生身ならば出せない速度で自身が移動できるようになり、幼児的万能感を満たすが為に男性は乗り物が好きだとも聞きました。
しかし下記の記事によって男性に乗り物好きが多い理由の新説が発見されたかも知れません。


「エンジン音で赤ちゃん泣きやむ」ぬいぐるみ試作 「販売して」の声、ホンダにぶつけると...

https://www.j-cast.com/2018/12/18346383.html?p=all

  「車のエンジン音で赤ちゃんが泣きやむ」という現象を、本田技研工業(ホンダ)が本気で検証した。検証結果をもとに、エンジン音が鳴る「ぬいぐるみ」を製作し、東京都内で体験イベントを開催している。

   ただ、このぬいぐるみは「非売品」だ。企画の告知がツイッター上でなされると、エンジン音で子どもが泣きやんだ経験があるというユーザーが殺到し、ポップなデザインも相まって、「ぜひ市販してほしい」という声が相次いだ。

夜泣きが辛い時に赤ちゃんをドライブに連れて行く、という話は育児苦労話としてよく聞きます。自動車に乗せると赤ちゃんは大人しくなり寝てくれると。心地よい振動が眠気を誘うのかと思っていましたが、秘密はエンジン音にあったようです。胎内の音と車のエンジン音は周波数が似ているのだそう。

心地よいエアコン、好きな音楽、そして外界から守られていた頃を彷彿とさせる周波数のエンジン音。ホンダが取り組んだ「エンジン音が鳴るぬいぐるみ」の検証実験の結果により、自動車の運転(エンジン音)が好きな方は、もしかしたら無意識に胎内を懐かしんでいる可能性が出てきたように思います。

昨年、私は中耳炎になり耳が聞こえない期間がありました。外界の音が聞こえない代わりに脳内に響いたのは自身の心臓の音でした。そしてその音を聞いているうちに妊娠中に受けたNST検査を思い出しました。
NST検査とはノン・ストレス・テストの略で、子宮収縮というストレスの無い状態の時に胎児の心拍数を調べるものです。出産時、母体は大変な苦痛を味わいますが、狭い産道を通る赤ちゃんもまた苦しい思いをします。そこでお産の時に赤ちゃんが強い子宮収縮に負けずに心臓が正しく動き続ける事が出来るか(ストレスに耐えられるか)を出産前に検査で確認するのです。心拍の波形から出産のストレスに赤ちゃんが耐えられそうに無いと判断されれば、安全に生まれるように帝王切開にするのだそうです。
そんなNST検査の間、妊婦はリクライニングチェアに30分程座り動かないように指示されます。検査している間は胎児の心音が部屋中に響きます。私が通った産院ではカーテンで仕切られた一室で同時に6人程が検査していた為、部屋中が太鼓を無造作に叩いているような音で満たされていました。
ですが今、中耳炎の間に聞こえるのは自分の心音だけ。胎児の鼓動ではありませんが、その音はNST検査を思い出され、そしてまた自分の両隣で寝る子どもたちが私の子宮にいた頃にずっと聞いていた音でもあります。生命の始まりの音、そう認識した途端、何とも言えないこそばゆい気持ちが湧き上がりました。自分も母の子宮で守られていた存在であった事を思い出し、かつ自分もお腹の中で子どもたちを守り育ててきた自負の思いからでした。
もし無意識に胎内を懐かしんで自動車の運転が好きになる事があるのであれば、女性に車好きの印象が薄い理由の説明にもなり得ます。女性は自身がその胎内に子どもを宿し守る側にもなる為、守られるだけの胎児の経験しか無い男性よりは胎内の周波数を懐かしくは思わないのかも知れません。妊娠期間は様々な不便や不愉快感も味わい、良い思い出だけとは限らないのです。だからこそ車好き=エンジン音好き=胎内懐古には男性が多いとの仮説が思い浮かびました。

この度、ミニカーの「トミカ」シリーズにもトミカ4Dという、アイドリングの鼓動を手のひらから感じられる玩具が発売されました。もしかしたらこの玩具でも赤ちゃんが泣き止む効果が得られるかも知れません。その振動は乗り物好きの男児の中に数年前にいた心地よい環境を無意識に思い出させ、男児たちはより一層乗り物の虜(とりこ)になるのではないかと思いました。