xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

価値は色々なところにある

アニメ「HUGっと!プリキュア」の敵は幸福なままで時を止める事を目的とした大人たちであり、その中の一人は多くの女性にとっても理解できる願いを実現しようとしていました。その願いとは「若く美しいままでいたい」です。劇中ではもっと切実に「時よ止まれ、まだ私に美しさがあるうちに」と口にしていました。

婚活市場では男性は自分の年齢を省みずに20代の女性との縁組みを希望する方が多いそうです。子どもが欲しいと考えている男性は、出会い、お付き合いを経て結婚に至るまでに数年と見積もると、マッチングの段階で35才以上の女性は条件から除外する傾向にあるそうです。妥協して30代前半も視野に入れるとの事。

HUGっと!プリキュア」第45話「みんなでHUGっと!メリークリスマス☆」では、敵組織の女幹部がプリキュアに向かってこのように叫びました。
「あんたたちは知らないのよ! どれだけ頑張っても可愛がられるのは若いうちだけって事! 年を取るたび色褪せていく、そんな未来…!」と。

女子高生、あるいは女子大生は女の私から見ても非常に魅力的なイメージです。そして今作のプリキュアはその前段階の中学生や小学生の少女たちが変身して戦っています。年を取るたびに魅力が増している最中のプリキュアたちには「若いうちしか可愛がられない」という相手の発言は理解しにくいものでしょう。
しかし現実に20代前半と30代前半とでは男性からの扱われ方が変わると聞きます。女性は若ければ若いほど価値があると考える男性は一定数いるようで、インターネット上では20才の女性すら「ババア」と呼ぶ人も目にします。更には女性の年齢による変化の事を「劣化」と表現する人さえもいます。
とにかく女性には、一定の条件を満たすとそれまで受けていた扱いをされなくなる事があります。その条件の大きなひとつに「年齢」があるのです。子どもを作る機能が男性よりも早く限界を迎える事を知れば確かにその条件に納得せざるを得ません。

個人的には第一子妊娠中が私の記憶にある限りでは一番チヤホヤされた時期だったように思います。どこに行っても席は勧められ道は開けられ段差では手を差し出され、荷物は持って貰えました。親戚の集まりでは「何で皆その人ばっかり構うの? お腹が出てるなんて気持ち悪いだけじゃん」と自分がその集団で初めていわゆる姫扱いをされなくなった女子中学生から嫌味は言われましたが、とにかく出産まで大事に大事にされました。出産した段階で「姫」の座は娘に移りましたが、その姫の筆頭お世話係の私もそれなりに丁寧に扱われました。なお第二子妊娠時も「姫」は娘のままです。

チヤホヤ扱いが当然だと勘違いするようになった私を正気に戻したのは産後の入院中の間に世話をしてくれた看護師さんたちです。産科外来担当の看護師さんは妊婦をお客様扱いしていたのに対し、入院病棟担当の看護師さんにとって産後の女性は生徒のようなもの。「こんな事も分からないのか」と言わんばかりの態度の人や「お母さんになったんだからしっかりしなさい」と叱咤激励してくれた人のお陰で「自分は主役なんかじゃなく、ここでは何人もいる新米母の一人でしかないんだ」と気付けたのでした。

親戚の女子中学生は私の妊娠に、その後は私の娘の誕生に「姫」の座を奪われ不服そうでした。しかし彼女にはあれ以降も中学卒業や高校受験、高校入学と卒業、進路決定、成人式と、自分が話題の中心になるイベントが目白押しの状態だったので、まだまだ自分こそが主役だと感じているかも知れません(現在は大学生です)。しかし若いからと可愛がられる期間の終わりは誰もにいつかは訪れます。

一般的に男性が女性を評価する際に年齢が大きな要素を占める事は、子どもを産めるか産めないかという期待が根底にある為、生物学的に仕方がない事なのかも知れません。代わりに男性は収入で評価される事が多いと思いますが、こちらは増減があり、若さは常に減るのみです。
若さを永遠に止めておく事は出来ませんが、しかし、年齢に応じた美しさを獲得し続ける事は可能だと信じています。昨今はグレイヘアという、白髪染めをして黒髪を保つのではなく、白くなってきた髪の毛を美しく魅せる髪の色が人気になってきたと聞きます。


ディズニーでファストパスを… 美人すぎて人生得する女性の衝撃エピソード7選

https://netallica.yahoo.co.jp/news/20190102-19471489-sirabee

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こちらの記事は美人だと得をする事が多い、という内容をまとめたものです。この中で編集部が全国20〜60代の容姿端麗な男女263名に「人生」についての意識調査を実施し、【美人・イケメンに生まれて人生楽だったと思う】という質問に「はい」と回答した年代と性別をまとめたグラフが掲載されていました。
「美人に生まれて人生が楽」との回答は、年を取るたびに女性の「はい」の割合が減少している事が分かります。これを若い時よりは美人ではなくなった女性がその恩恵を得る機会が減り「はい」回答が減じていると単純に受け取るか、若かった頃の過去も含めて回答している為、男性は年代によって増減があるのに対し女性の「はい」回答は40%台を保っていると読むか、はたまた自身に若さ以外の新たな価値が発生した事により自己肯定感が保たれ、男性60代の「はい」回答が27.3%なのに対し女性60代は40.0%と有意に高いと受け取るか、判断に迷う所です。
しかし私は希望をもって後者の推測を支持します。60代でも「美人で得をした」と回答できるという事は、若さ以外に評価される美しさを人は得られるのだと。

HUGっと!プリキュア」第45話でプリキュアに浄化された敵の女幹部だった女性は、かつての部下たちと雪道を歩いている際に、元部下の男性からケーキ販売のアルバイト先で貰ってきたというケーキを差し出されました。
「売れ残りでしょ」という女性に元部下の男性は「そんなの関係ないですよ」と応じます。
かつて女性はクリスマスケーキに例えられました。24才で最も求められるが、25才では値下げされ、26才以降は見向きもされないと。だからこそ25才になるまでに結婚しなさいと言われていたそうです。しかし売れ残りだろうとケーキはケーキに変わりはありません。
「じいさん、ばあさんになってもずっと一緒にいましょう」と言ってくれる相手とならば、きっとそのケーキは楽しい思い出とともに美味しく食べられる事でしょう。

時は止まらない。変化を恐れてはならない。女性の価値は若さだけにあるのではない。自分を磨き続ければ、何歳になっても人は輝ける。「HUGっと!プリキュア」から私はこのようなメッセージを受け取りました。
プリキュアは「女児アニメ」のシリーズですが、今作の「HUGっと!プリキュア」は、あらゆる世代の女性への大いなるエールが込められていると思いました。


というか肝心の女児は理解出来ているのか。