xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

へその緒の話

出産の前に産院へ提出する幾つかの書類の中に、オプションとして桐箱を購入するかどうかの項目がありました。迷わず希望に○を付け提出すると、手のひらサイズの桐箱は産後にへその緒と乾燥剤が入った状態で渡されました。
初めのうちは白くプルプルとしたイカの刺身のようだったへその緒は、次第に黒ずみ干からびて、キクラゲのようになっていきました。へその緒の保管をしている桐箱は、今ではエコー写真と共にクッキーの空き缶の中に収まっています。
使う機会も見る機会もないへその緒を入れる容器に、なぜ私は数千円もの料金を払ったのだろうか。そのお金で子どもに好物でも買ってやった方がよほど有意義なのではないだろうかと思わなくもないのですが、一生に一度の記念品だと思うと、やはり桐箱を希望して良かったとも思うのです。人によっては自前で様々なデザインの小箱を用意しているかと思います。
ところが、もっと素敵な保管の方法を知ってしまいました。


赤ちゃんのへその緒には、こんな使い方があるらしい

https://www.buzzfeed.com/jp/mikespohr/people-are-turning-their-babies-umbilical-stumps-into-1

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へその緒をペンダントに!!!

黒ずんだ石のような欠片にしか見えないそれは、確かに手元にある乾燥したへその緒と同じです。アクセサリーなら身に付けていても見える場所に置いておいても、そうだと分かる人にしかへその緒だとは分かりません。
抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、母親にとっては自分の身体の一部だったもの。しかも大事な我が子を育てた誇りある機関です。ただ桐箱に入れておくよりよほど素敵な活用方法だと思いました。

へその緒を活用する話と言えばインターネット上で読んだ【死ぬ程洒落にならない怖い話】のひとつ「リゾートバイト」にあるような呪術的なものくらいしか思い浮かびません。
私にはへその緒は記念品、または戦利品ですが、当の子どもは干からびた肉片を前にどのように感じるでしょうか。私は自分のへその緒を実母から見せられた時に「あー、お母さん取っておいてるんだ」と嬉しくなりつつも、「この後どうするんだろう、お母さんが死んだ時に処分かな。…可燃ごみか?」と思いました。きっと、私から見せられる我が子も反応に困る事でしょう。自分がそう思ったにも関わらず、我が子との繋がりの証を保管せずにはいられなかったのですから不思議です。

遺骨もダイヤモンドにする時代、へその緒のこういう活用方法も面白いかも知れません。もちろん私の死後に受け取るであろう子どもたちにとっては、やはり扱いに困る代物となるでしょうが。
…という事はへその緒はへその緒のまま大人しく桐箱に入れておいた方が処分が簡単で助かるという事か。

ところで、へその緒の中にある臍帯血(さいたいけつ)には造血管細胞が含まれており、現在十分な治療法のない中枢神経系疾患(低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺、難聴、外傷性脳損傷、脊髄損傷など)、自己免疫疾患、自閉症スペクトラム障害などに対する再生医療・細胞治療での利用可能性が注目されており、更には白血病再生不良性貧血等の難治性血液疾患の治療に役立てられているそうです。
子どもが将来このような病気になり治療が必要になった時の為にと臍帯血を保管してくれる機関があるそうです。
臍帯血を採取する為には専門の病院ではなければならないそうで、あいにく私が住む県ではどこの病院も対応していないようで断念しました。これから出産される方はご検討してみてはいかがでしょうか。

干からびたへその緒からも造血管細胞が採取出来れば保管している価値が生まれるのに。もったいない。