きっと無駄では無い
2019年１月２日の年始早々に、まさかの下の毛の話題がYahooヘッドラインに挙がっていました。しかも無毛。
女性のアンダーヘアの「無毛」はアリか？ナシか？
https://dime.jp/genre/645263/
世の男性たちは女性のアンダーヘア、特に「無毛」についてはどのような考えを持っているのだろうか？
（中略）
女性のアンダーヘアが無毛であることを「あり」と答えたのは69%、「なし」と答えたのは31%と、約7割の男性が女性のアンダーヘアが無毛であることについて「あり」と思っていることが明らかに。
…
アンケート結果を年代別にみると
20代は「あり」が85%「なし」が15%
30代は「あり」が66%「なし」が34%
40代は「あり」が67%「なし」が33%
50代は「あり」が66%「なし」が40%という結果だったとの事。
ヤフーのコメント欄では50代の合計が106％になってしまう事から「それだけこの世代は毛に関心が高いのだ」などと書き込まれていましたが、それはともかく。
二次性徴期になると生えてくる下の毛やワキの毛は、生えてくる頃には何とも奇妙な感覚を与え、生え揃った頃には水着になる事が私は嫌になりました。
ムダ毛は処理をしていなければ女失格であるかのような意識がこの社会にはあるような気がします。メディアに登場する女性のムダ毛の処理は完璧で、スネ毛どころか腕の毛だって見えません。特にワキの毛は女性は生やしておくべきではないと考える人が多いでしょう。私も他人の目を気にしてカミソリやピンセットで自己処理していましたが、次に生える時に皮膚の中で埋没してしまう毛や、皮膚がカミソリ負けをしてしまう事があり苦痛でした。
下の毛もピンセットで抜いたりカミソリで剃ってみたりした事がありますが、処理中の自分の姿の滑稽さに情けなくなり、また生えてくる時のチクチク感が非常に不愉快でした。
下着からはみ出さない程度に自己処理を続けていましたが、無毛にしている人もいると何かで知り、思いきって下の毛を全て剃ってみた事があります。
下の毛が無いとすっきり衛生的でいられるかと思いきや、下着や生理用ナプキンが直に当り、擦れて痛い事はこの時に体験し、以降はＶラインのみ気になった時にピンセットで処理をするようにしました。幼児の時は無毛状態でまったく違和感がなかったのに、下の毛が生えてからは、このムダ毛のクッションはデリケートな部分を護るのに必要だったのだと痛感したのです。
また下の毛は生えている事が中学生以上では普通であるので、公衆浴場で「無い事」が知られた方が恥ずかしいとも思い直しました。皆に普通に生えるものなら、下の毛は生やしておくべきだと思い至ったのです。婦人科検診で無毛の状態を見られれば「この人はその道のプロなのだろうか」「意識高過ぎ」「そういう性癖なのか」と医師に内心で笑われるのではないかとも思うのです。
夫と知り合った頃には男性との関わりも薄く自然体で良いやと開き直っていたのでムダ毛は生やし放題でした。社会人になると水泳の授業のように露出しなければならない事態もなくなったので特に不都合はなかった為、ワキの毛も自然のままにしていました。
夫とお付き合いするようになってからも、結婚前提だった事もあり、ありのままの私を受け入れて貰おうとムダ毛の処理はしていません。何しろ私の母も父の為にムダ毛の処理などしていなかったので、夫婦となるからにはいつかはムダ毛のある自分を見られてしまう、だったら最初から自然体でいようと思ったのです。
下半身の衣服を脱いで局部を医師に診せる内診のある妊娠中も、お手入れをやろうやろうと思いつつ、夫にありのままの私を受け入れて貰っていたせいですっかり忘れ、スネ毛も下の毛も自然のままで臨みました。どのみちお産は痛みで獣になる人もいるものですし、人体の構造を理解している医師ならばムダ毛も気にしないだろうと思ったのです。
しばらくぶりのムダ毛の処理は子どもの幼稚園の入園式でスカートをはく為でした。こちらは他者の目に足をさらすので、エチケットかなと思い実施しました。ストッキングが黒で良ければ実施しなかったと思います。
下の毛もワキの毛も剃った時に痛感したのは、これらの毛にはクッションの役割があったという事です。ワキの毛がないとワキの下の皮膚が貼り付いて実に不愉快です。男性も下の毛を処理する事が海外ではエチケットだと知り、実践した方によると、内ももに陰嚢が張り付くようになり袋ポジションが気になるようになってしまうのだそうです。
また何かの書籍で下の毛は縮れていないと性器のにおいが周囲に拡散してしまうのだと読みました。ワキにも臭腺がありますから、きっとこれらのムダ毛には異性を惹き付けるにおいをその場に留めておく役割があるのでしょう。だからこそのあの形状なのだと思います。
スネ毛や腕の毛を剃った後で衣服を着用するとスワスワとした肌寒い感覚になります。という事は猿よりは薄くなっているとはいえ体毛には体温を保つ効果もあるのかも知れません。ワキの下は高熱の際に冷やすと効果的な部位ですが、だからこそ衣服を身にまとう事が当然になっても、処理をする事がエチケットになっても体温を保ち身体を守る為にワキの毛は残り続けているのだろうと思います。
鼻毛にはウイルスやホコリを体内に侵入させないという役割があります。衣服がありながらムダ毛が退化しないのには、きっと必要性があるからだと思うのです。
ならば何故、大事な頭部を守る頭髪が年齢とともに無くなってしまう人がいるのかや、雄ライオンのように頸動脈のある首を守る毛が無いのかと問われれば返答に窮してしまいますが、神のみぞ知る理由がどこかにあるのでしょう。
海外で下の毛を処理するのはシラミ対策なのだそうです。またムダ毛は雑菌の温床でもあるので処理するという事です。
しかし、よく盲腸の手術で剃毛の話がありますが、それは切開部位がＶラインに近い為、雑菌対策というよりも、毛があると消毒も切開もしにくくなるので処理するのだそうです。切開した中にメスで細切れになった毛が侵入すると厄介ですし、術後に傷口に貼る保護テープは体毛があると浮き上がって剥がれてしまうので、術前に対策が必要だったのだそうです。
女性にはイメージがわきにくいかと思いますが、男性はヘソから下の毛は境目がない人もいるそうなので、そのあたり一帯の剃毛処理を「下の毛を剃られた」と感じるのではないでしょうか。
この時の剃毛はアンダーヘアを全て処理する訳ではなく、剃るのはヘソの周囲や恥骨の上あたりまでだという事で、決してＶＩＯライン全てを無毛にする訳ではないそうです。また今は腹腔鏡手術が多い為、剛毛の人以外はあまり剃らないのだそうです。
何より剃毛は皮膚を傷付けるので創感染のリスクがあります。デリケートゾーンは腕や足に比べて皮膚が薄く、自己処理は炎症にもなりやすいのでくれぐれも注意が必要です。
ムダ毛は処理すべしという傾向が現代社会にあるにも関わらず、このような記事も見つけました。
女性たちによる「ムダ毛処理をしない」宣言。その理由は
https://www.buzzfeed.com/jp/aliciabarron/januhairy-1
SNSでは自然な姿であろうとする女性たちが投稿するハッシュタグ「JanuHairy（ジャニュヘアリー）」というものがあるそうです。
「January（ジャニュアリー、1月）」と「hairy（ヘアリー、毛むくじゃらな）」をかけた造語「JanuHairy（ジャニュヘアリー）」のハッシュタグを始めたのは、イギリスの女子学生だそうです。
この記事にある画像の白人女性のスネ毛には私も目を見張りました。何となく私は白人女性には体毛が無いのではないかという勝手なイメージを抱いていました。生えても色素が薄いので目立たないのだろうと羨ましく思っていたのですが、やはり生身の人間、処理をして他人には見えないようにしていただけだったのです。
ムダ毛に関してはまだまだ記事を見つけました。
意外と男子は見てる…エッチ中「○○○のせいで」起こった悲しい出来事4つ
https://googirl.jp/item/181228kanashii015/
こちらでは女性のワキや下の毛の処理が甘かったせいでカップルがお互いに気不味い思いをしてしまった話が掲載されていました。
男性が女性の体で「くびれがない」以上に気になることとは？
https://googirl.jp/item/181123kininarukoto015/
「ワキフェチなので、ワキを攻めるのは恒例です（笑）。ぱっと見、きれいな肌の女性だったので、ワキもきれいでつるつるなのかなと期待したら、けっこう黒ずんでいてちょっとガッカリ。ある程度は仕方ないと思いますけどね……。
くびれがないとか、お腹や背中に肉がついているとかよりも僕は気になります。ワキも肌のケアのひとつなので、きれいであってほしい、という願望です」（29歳／通信）
…
なぜ女性はムダ毛の処理をしていないだけで男性にガッカリされなければならないのでしょうか。
ムダ毛の処理はしている事が当たり前で、無い方が良しとされます。極論かも知れませんが、その延長が幼女を性欲の捌け口とする男性なのではないかとも思うのです。女性に下半身の無毛を望む男性の中には、女性に幼さを求めている人もいるのではないでしょうか。無毛の成人女性は幼女の代替案なのではと私はいぶかしんでいます。
ところで、冒頭の記事でアンダーヘアのアンケートを実施した会社は脱毛関連の事業を行っている会社だそうです。脱毛ケアを受ける側である女性に、無毛に関して男性の意見が知りたいという事で実施したアンケートなので、そもそもの回答者の人選には偏りがあるのではないかと思われます。
ムダ毛は大人になる段階で誰にでも生える、大人の証明です。きっと人体にとって無駄なものではないと思うのです。
女性は男性の目線を気にしてムダ毛の処理をしています。男性には、ありのままの女性の姿を認めて頂きたいと願います。
最後にムダ毛に関して、このような記事もありました。
女性なら誰もが幸せを感じる、ちょっとした瞬間あるある。
https://www.buzzfeed.com/jp/bfjapan/things-women-find-satisfying
5. パンティを突き抜けている陰毛のツンツンさ加減。
6. 毛を指でひねりながら、陰毛をなでること。
この幸せを奪う権利は誰にもありません。
