xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

よかれと思っても

兵庫県の水族館で2019年1月下旬にペンギンが次々と突然死した原因が判明したそうです。

水族館のペンギン突然死 死因は塩分の過剰摂取
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/sp/0012059640.shtml

兵庫県姫路市立水族館(同市西延末)で1月下旬、飼育していたフンボルトペンギン(南米原産)11羽のうち8羽が突然死した問題で、同館は12日、「餌のイワシに塩分補給のため塩をまぶしたことで、塩分の過剰摂取になったと考えられる」と発表した。

海の魚を補食するペンギンなのだから、餌の魚に塩分を足してあげた方が良いだろうと飼育員さんが考えたのだろうと思います。本来は餌の魚を海水に浸すという手順での塩分補給だったらしいのですが、魚に直接塩を振り撒いてしまったのだそうです。そしてこの記事を読んだ時に私は、この事故を思い出しました。

【園児食塩中毒死・9/14有罪判決】事件直後は全身・服に塩の結晶が付着、容疑者を送検→処分保留で釈放
http://yodokikaku.sakura.ne.jp/?p=17812

盛岡市の保育施設で塩分の過剰摂取により一歳の女の子が亡くなってしまった事故です。暑さの厳しい8月に熱中症予防で塩を溶かした水を飲ませたのだろうと思いますが、その濃度や量が幼児の許容範囲を越えていたようです。
元経営者には保育資格が無く、亡くなった女の子の預かり保育中に資格保有者は不在だったそうです。裁判内容まで私は見てはいませんが、元経営者はきっと、熱中症予防には塩分補給が必要だと言われている、ならば塩水を飲ませれば良いだろうと安易に考えたのだろうと思います。そしてたぶん、味見もしていなかったのではないかと思います。
元経営者は後先を考えずに、やっつけ仕事をする人だったのではないかとのイメージを私が抱いたのは、保育施設開所の申請書類が何度も不備があったというエピソードからです。世の中には「これをやれ」と指示された時に「何故それが必要なのか」を考えずに動く人もいます。きっと元経営者は熱中症予防をする為ではなく、「塩水を飲ませる事」が目的になってしまったのではないでしょうか。

元経営者に育児経験があったのかは分かりませんが、私が子どもの頃には今ほど塩分補給などとは言われていなかったように思います。もっとも私の子ども時代はトレーニング中の水分補給は身体が重くなると禁止されていた頃ですが。
減塩、とは聞いていましたが、「塩分補給」という言葉を耳にするようになったのはここ最近だったように思います。それゆえ中途半端な知識が取り返しのつかない事態を引き起こしたのではないでしょうか。

かつては主流だった知識も、今では否定されているものもあります。抱っこ癖がつくからあまり抱っこするなと言われていた頃もあったようですが、今では愛情を育む為やら自己肯定感を育む為にどんどん抱っこしましょうと言われています。
乳児にハチミツが厳禁である事は2017年2月に乳児ボツリヌス症で赤ちゃんが亡くなり一斉に報道された事で知る人が多くなりましたが、私の親世代以上の方は知らない人もいました。ハチミツ入りの離乳食を与えていた母親も、自然の恵で健康にとても良さそうなハチミツが赤ちゃんの命を奪うとは思いもしなかったのでしょう。なおハチミツだけでなく、黒砂糖、コーンシロップ、野菜ジュース、井戸水も乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があるそうです。

良かれと思っての行動が裏目に出る事は多々あります。聞きかじった知識だけでは取り返しのつかない事態を引き起こす事もあります。
自分が経験者だからと自分がしてきた育児法を将来孫に行って、孫に何かあったら一大事です。きっと私の育児にも、たまたま大丈夫だっただけで、未来の世では禁止とされているものもあるのかも知れません。
私がおばあちゃんになる頃には、もう一度しっかり育児を勉強し直さねばと決意しました。