xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

子連れ出勤

政府が言った「子連れ出勤」とは、どういう意味なのでしょうか。私にとって子連れ出勤とは、子どもを連れて自宅を出て、保育施設へ子どもを送り届け、そのまま自分は仕事場へ行く事です。つまり仕事をしている親御さんが毎朝普通に行っている事を指す言葉のように思います。
ですがどうやら会社に子どもを連れて行き、会社の室内に子どもを閉じ込めておく事を政府は「子連れ出勤」と言っているのかも知れないと思い直しました。果たしてその間の子どものお世話は一体誰がするのでしょうか。子どもは人形ではなく、自我をもって各自行動します。年齢も発達もバラバラな子どもたちを保育士なしで放置するなど出来ません。それとも企業に対して企業内保育園を作れという意味だったのでしょうか。ならば選ぶ言葉は「子連れ出勤」ではないだろうと思います。
そんな政府と子育て家庭の認識の埋められない溝を描いた漫画が話題です。

親「保育園増やして!」→国「子連れ出勤を支援します」 希望と政策のすれ違いを嘆く風刺漫画が話題に
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/spv/1902/12/news033.html

 作者はTwitterユーザーの野井湧水(@noynoyes)さん。保育園の入所不承諾通知を受けた主婦を主人公に、その不満を描いています。「子どもを預けられなければ働けない……政府は働く女性を応援するのではないのか?」と怒りの声を上げると、戯画化された政府が「STOP! 少子化」のうちわを掲げて登場。子育て世代のためにがんばっていると主張します。

 では、具体的にどう応援してくれるのかと問うと、回答は「幼児教育の無償化」で、しかも財源は増税。主人公は、保育園を増やして待機児童を解消するほうが先だと反論します。そして、実情を把握していないように見える政府の対応に、「ちゃんと困ってる人のことを見て、少子化対策だと言うのなら、まず子どもが保育園に入れるようにしてください」と、あらためて願います。

 しかし、政府はこれまでの流れを無視したかのように、「子連れ出勤」の支援案を提示。実施した場合のトラブルを想定していなさそうな施策に、主人公はあきれて立ち尽くすのでした。

2017年に、子連れ出勤をしようとした熊本市議がいらっしゃいました。ところがこの時、赤ちゃんは議場から追い出されています。

熊本市議会で赤ちゃん連れ議員の出席認められず...でも、世界にはこんなにいます
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/m.huffingtonpost.jp/amp/2017/11/22/kumamoto_a_23285061/%3Fusqp%3Dmq331AQECAEoAQ%253D%253D


当時生後7ヶ月の赤ちゃんは母親である議員の膝に座っていましたが、規則により赤ちゃんは同席できないと指摘され開会が遅れました。
「本会議中は議員以外が議場に立ち入ることはできない」とされている市議会の規則は、おそらく情報漏洩対策で作られたものでしょう。ならば知り得た情報を他者に伝える手段のない生後7ヶ月の赤ちゃんが同席する事は何の問題もない筈です。
赤ちゃんの泣き声やオムツ替え、授乳が会議を中断してしまうかも知れないという事で追い出したのであれば、それを一般企業に求める事はおかしいと思います。
勤務先に子どもを連れて行けば赤ちゃんは泣き、対応する為に親は殆どの時間を使います。泣き声は電話の相手の耳にも入るので、他の人も仕事になりません。ならば赤ちゃんは別室に連れて行くしかなくなり、様子を見るために親はちょくちょく退席する必要があります。職場で普段は空いている部屋といえば会議室あたりになろうかと思いますが、子どもの相手をする為に親が会議室に入り浸っていては同僚から給料泥棒とも言われかねません。
幼児は何かと親に相手をしてもらいたがり、鍵をかけていなければ一つの部屋に居て貰う事も出来ないでしょう。誰も相手をしてやる人がいない部屋に鍵をかけておく事は監禁です。また静かにしている時には大人が想定していないイタズラをしでかすでしょう。机や椅子、ロッカーなどもよじ登るため撤去が必要です。
しかも子連れ出勤で会社に集まる子どもたちは年齢も発達段階もバラバラです。もし会社の会議室に子どもたちを集めておいたならば、ねんね期のあかちゃんのお腹を幼児が踏みつける、ハイハイの子や掴まり立ちの子が幼児の遊びに加わりたがり、自分の遊びが出来なくなる幼児はストレスを溜めて玩具を投げ、小さい子に怪我をさせてしまうかも知れません。
集められた子どもたちには空腹、排泄の世話も必要です。それらを適切なタイミングで行わなくても良いというのならば、自宅に子どもを監禁しておいた方がよほど簡単です。通勤電車に子どもを乗せる事がまず一苦労なのですから。

専業主婦ですら子どもからの要求に何かと中断され一つの物事をなかなか終わらせられない時があるというのに、そのような状態で仕事をしろだとは政府は民間企業の仕事を馬鹿にし過ぎてはいないでしょうか。
子連れ出勤で想定しているのは事務仕事の親だけなのかも知れませんが、育児も仕事も片手間にできるほど簡単なものではありません。

子連れ出勤を政府が奨めたいのならば、まずは議員の方々が議場に幼児を入れて「子連れ出勤」を疑似体験してみれば良いと思います。それもお塾にしっかり通った優等生の子どもではなく、普通のイヤイヤ期真っ只中の幼児を数名放つのです。座って書類に目を通し、発言するだけの場なら子どもの相手も楽なものでしょう。もちろん移動も車ではなく電車やバスでです。

仕事中の親が望む事は、子どもが事故なく安全に過ごせ、適切な世話を受ける事です。
幼児教育の無償化はありがたいと思いますが、保育料が払えない親はそもそも子どもを通園させていません。必要なのは保育施設に子どもを預けたい親が全員希望するエリア内の保育施設に預けられる事と、放課後の小学生が安全に過ごせる場所をたくさん用意する事、給食費や教材費、修学旅行の積立金を家庭が出さなくても良いようにする事なのではないでしょうか。
子どもの着ているもの、持っている文房具で家庭がどれだけ子どもにお金をかけているかの差は、子ども同士でも分かります。私の小学生時代に、私の近所に住む女の友人が「○○ちゃんって、いつも同じ服ばっかりだよね」と、とある同級生の女の子を揶揄してきた時に私は非常に嫌な思いをしました。○○ちゃんと私は実は親同士が仲良しだったようで、よく車で○○ちゃんの家に出掛ける親に私も付いて行って遊んでいた相手だったのです。学校では○○ちゃんと私はお互いに別の友だちグループに所属しており、車で出掛ける距離のある家同士だったので、その近所に住む友人は私と○○ちゃんが遊んでいる姿を見た事がなかった為に、二人で○○ちゃんを肴に盛り上がろうとして言ってきたのでしょう。
私が相手の服装にまで気が回らないタイプだったせいもあり、そんな事はこれまで思いもしていなかったので、この友人はそんな事で誰かを評価していたのかと驚いたのもあります。確かに近所に住む友人の服はいつも可愛らしかったし、言われた○○ちゃんは同じようなシンプルなトレーナーをよく着回ししていたような気がします。ただし汚れてはいなかったと思うので着た切り雀だった訳ではなく、単に似たようなデザインのトレーナーばかりを親御さんが用意していただけだったのだろうと思います。
私や私の親も小学生のお洒落に敏感な方ではなかった事もあり、この友人の家庭では同じように私の服装も馬鹿にされている事もあったのだろうなとも思い、嫌な気分になりました。こうした彼女からの同級生らの服装や持ち物などに対する陰口は、制服になった中学生の段階で聞かなくなりました。中学生になり、帰宅が同じ方向だからという理由では私が彼女とは一緒に帰らなくなったせいもあるかと思いますが。

公立小学校なら夏場以外は上の服は男女同じデザインの制服を貸与し、身体測定でサイズアウトが分かれば適正なサイズに交換する、ノートや筆記用具も学校から配付されるものだけを使用する、としても良いのではないでしょうか。
家庭が我が子の為に制服を用意するのではなく、学校や地区ごとの施設に衣装部屋を置き、上の学年からのお下がりを続けるのです。古びてきたならば処分し、処分したサイズのものを次の貸与者の為に新たに公費で購入するのです。そうすればサイズアウト甚だしい小学生時代に、各家庭の新たな被服購入の負担を減らせるでしょう。子どもたちが新品を着る機会はないかも知れませんが、上の服が同級生みんなが上級生のお下がりならば貧富の差もそう目立たないのではないかと思うのです。そして中に着るシャツのみ家庭で用意すれば、皆ほとんど一緒なので洋服選びのセンスを馬鹿にされる事も少なくなるでしょう。
文房具は、鉛筆が何cm以下になったなら子どもが新しい鉛筆をいつでも学校から受け取れる制度にすれば転売する意味もなくなるので何本も不正に受け取ろうとする転売ヤーも増えないでしょう。ノートの記入具合も同級生らは全員が同じ授業を受けているのですから、一人だけ何冊も要求しては来ないでしょう。要求してきた時にはイジメでノートを汚された時や上手にペース配分が出来ない時などだと、その子が抱えている問題が浮き彫りになりやすくもなるかも知れません。
共産主義の考えかも知れませんが、誰もが等しく教育を受けるべき義務教育期間中は、誰もに等しい待遇があった方が良いのではないかと思うのです。

可愛い盛りの子どもを預けてまで親が働くのは生活費の為でもあろうかと思いますが、その先の将来の子どもの学費の為でもあるのだろうと思います。
子どもが大学を卒業しなければ良い会社に就職できないと思うからこそ、親は教育費確保の為に働かなければならず、保育施設探しに必死になるのです。その勤務中に子どもを安全に過ごさせたいからこそ、専門知識を持った保育士さんがいる保育施設が保護者には多数必要なのです。できれば小学生も預かってくれる病児保育が各地にあれば助かる人が多いのではないでしょうか。

会社のある場所が密集し、そこに通勤するのに便利なように住宅も密集し、人口が都市部に集中しているからこそ同エリア内での保育園の受け入れ数が争奪戦になるのです。
子連れ出勤推奨より幼児教育無償より、企業の移転支援の方が問題解決の近道のような気がします。