xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

子育てに向く家とは

現在幼児二人と夫婦の四人暮らしの我が家は2Kの間取りで賃貸住まいをしています。居間と寝室、あとは台所と風呂とトイレだけのシンプルな作りです。シングル敷き布団を二枚くっつけ子どもを挟み、シングル掛け布団三枚(下の子は私と同じ掛け布団)で親子四人で一緒に寝ているのですが、二人いる子どもの性別が同じではない事もあり、上の子が小学生になる頃にはあと二部屋はある間取りの住居に住み替えが出来れば良いなと考えています。最低でも寝室は男女で分けたいところです。
私は今なおマイホームを構えてこそ一人前だと思っている人間なので、賃貸住まいは何だかいつまで経っても根無し草のような落ち着かなさを感じてしまうのですが、夫は夫で考えがあるようです。
曰く、ライフステージによって必要な間取りは異なり、マイホームではそれに柔軟に対応する事は出来ないと。
転勤もあり得る会社に勤務している為、より強くそう思っているようです。

現在住んでいる物件の間取りは2Kの一階で、階段がなく、段差も風呂以外にはなく、玄関とトイレ以外は引き戸なところも幼児の育児には確かに丁度良いと感じています。しかも玄関の鍵は二つあり、一つは幼稚園児には届きにくい高さなので、親が見ていない時に幼児が一人で外に出てしまう事を防げます。小児科と内科のある病院、幼稚園、スーパーマーケット、ドラッグストア、銀行とコンビニが徒歩5分圏内にあり、大人一人に車一台が当たり前の田舎のわりに車なしでも不便さを感じません(一台ある自家用車は夫が出勤で使用します)。夫の転勤でこれまでにも2回住み替えをしていますが、いずれも夫が車なしでも暮らしやすい環境の物件を見つけてくれていました。
今の2Kという間取りと住宅環境は幼児の育児中、そして子どもが巣立ち老夫婦の二人暮らしになったならば、ぴったりの物件だと思っています。しかし残念ながら子どもたちが思春期を迎える時には不向きな間取りです。
下の子はそろそろオムツがはずれる頃なので、今後はドラッグストアにこれまでよりは足を運ばなくなる事もあり、また私や上の子が幼稚園生活に慣れた頃なので、上の子がいま通っている幼稚園に数年後には下の子を通わせつつ、今度は上の子が登校しやすいよう、子どもたちに通わせたい公立の小学校と中学校に近い、今よりも部屋数の多い住まいへの引っ越しを検討している所です。私が一人で買い物に出られるようになれれば、スーパーまでに多少距離があっても平気です。

ちょうど夫の考えに通じる方の記事を読みました。

私が賃貸にこだわる理由 絶対に受け入れられない持ち家のリスク
https://www.moneypost.jp/512207

 何しろ、フリーランスで暮らしている身からすれば、ローンで生活が縛られるのがイヤなのです。現在は賃貸暮らしをしていますが、所得が減ったらもっと安い賃貸に移ればいいと考えています。もしローンを組んで家を買ったら、今より所得が減った場合、分不相応な出費を毎月強いられることになります。

(中略)

家を買ってしまい、15年程ローンを払っていた場合、それをいかに売るか、ということにも悩まされます。さっさと新しい生活をしたいというのに、家の買い手がつくまでやきもきする。

(中略)

 現在、海外への引っ越しを考えていますが、家があると、借り手を見つけたり、処分をしたりしてからの移転となります。賃貸でしたら一切そこら辺を考えないでもいいですし、あとはモノを捨てるだけです。「土地に縛られない人生」を送ることが可能となります。

 そして、今の時代、かなり重要なのが、どうしようもないほどDQNな隣人がいた場合、家を所有することがリスクになる点です。冒頭で紹介したような「バーベキュー嫌い男」や「連続殺人男」が近所に住んでいたら、最悪です。あとは「引っ越しおばさん」やらゴミ屋敷の主人などがいた場合、自分の家を見るだけで「あぁ、こんな不良債権をさっさと放り出してこのアホどもから離れたいものだ……」と思うことでしょう。

田舎ゆえに戸建ての持ち家を保有している世帯が多く、そうしたマイホームに住んでこそ一人前と見なされている風潮が私たちが住む地方にはあるように思うのですが、確かに記事の通り様々なリスクが持ち家にはあります。
持ち家(土地)の財産としての価値を気にしている方には近隣にどのような施設が今後建築されるのかも気になるところでしょうし、暮らしていく上では近所に住む方との相性も忘れてはなりません。

住居は間取りも大事ですが、生活のしやすさや子どもの通園通学ルートの事も考慮して決めるのが良いと思います。マイホームはそれから決めても遅くはないのかも知れません。

そういう意味では2019年2月20日に放送された日本テレビ「家売るオンナの逆襲」第7話には思うところがあります。
その話では同じ物件の取得を争う二人の女性が登場しました。一人は既婚子無しのバリバリのキャリアウーマンと、もう一人は子ども二人を育てている時短勤務のワーキングマザー(共働きなのに夫は家事育児を妻に丸投げ)です。
二人は課は異なるものの主人公と同じ不動産会社に勤務しており、主人公と一緒に社内のウーマンプロジェクトに参加しています。女性に訴求力のあるスマホポータルサイトを立ち上げようとしている所で、ワーキングマザーは
「私たちの仕事ってファミリーが相手だし、やっぱり子育て世代のママたちに刺さるものが良いと思うんです」
と、サイトのデザインを幼稚園の壁面飾りのような可愛らしいものにする事を提案してきます。
またサイトで力を入れて紹介したいものとして最新のキッチンとお風呂が魅力の物件をバリキャリが挙げると
「キッチンとお風呂が別フロアにあるのかぁ。これって子どもをお風呂に入れながら食事の用意をするの、すっごい面倒なんですよぉ」
リビングイン階段がある物件については
「こんなの絶対ダメですよぅ! 隙間から子どもが落っこちたら危ないですも~ん」
と否定するなど、ワーキングマザーは事ある毎に育児を基準に考える為、バリキャリ女性から「私は夫と二人でファミリーのつもり」「子育てしている人だけが人類じゃない」と言われます。
ワーキングマザーがバリキャリと同じ物件をどちらが購入するか争った時には、バリキャリがその家を求めている理由を馬鹿にするような言い回しをした上で
「子育てする為にあるような家なんですぅ」
と言い切りました。

子育てに向く家だと幾つも「子育てに向く理由」を挙げられるその家ですが、彼女が想定している「子育て」など10年で完了なのではないかと思うのです。特に「保育園への近さ」などはすぐに理由ではなくなります。
子どもも小学生になれば家の中での行動は大人とほぼ変わらなくなり、今回取得を争った物件の事ではありませんが、リビングイン階段では隙間から落ちないよう子どもが自身で気を付けるようになるだろうし、子どもが一人で入浴できるようになれば風呂とキッチンの流れるような導線も必要なくなります。

子育てしている人がいま求めている設備や間取り、住宅環境も、子どもが育てばいずれは必要ではなくなります。人間が幼児でいる期間は人生においてそれほど長くはないのです。たった数年の間だけの生活だけを考えてマイホームという高い買い物をするのはいかがなものかとドラマを観て思いました。

子どもがつけた家の傷、落としきれなかった落書きの跡とともに老後を送るのもまた魅力的ですが、その都度都度で適切な住居に移る生活も悪くはないのかも知れません。