xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

もし加害者になってしまったなら

靴を脱いで幼稚園の園舎の中を歩き、子どもの保育室まで保護者が直接園児を連れて行く送迎スタイルの我が子が通う幼稚園では、子どものお友だちからも保護者の顔を覚えて貰え、自然と仲良くなります。下の子を連れているせいか、娘が登園すると私と息子は娘のクラスの先に登園していた子どもたちに囲まれます。
ある日、その中の一人の女の子が私にこんな事を言ってきました。
「あのね、○○ちゃんのママが、△△ちゃんのママを『怖い』って言ってたんだよー」
(・・・は?)

「えーそうなのー?」
と軽く流して帰宅しましたが、その後はモヤモヤが止まりませんでした。

え、何あれ悪口の流布?
何で私に言ったの?
私に同調して欲しかったの?
5歳(年中)女児って、もうそんな女の嫌な部分が出てくるの?
というか、○○ちゃんのママがそう言っていた事を聞いたのはあなたのママ?
だったら、あなたのママは何故あなたにそんな事を教えたの? その場にいたの?
子どものいる前で○○ちゃんのママは、あなたのママとそんな話をしているの?
5歳の子の完全な作り話…ではないよね、5歳だものね
もしかして、あなたのママこそが△△ちゃんのママを嫌っていたりする?

△△ちゃんのママの耳に入らない事を祈りつつ、いじめの現場に立ち合ってしまったような不愉快な気分が残りました。
出来れば「怖い」ではなく「可愛い」って言っていたよ、の聞き間違いであって欲しいです。

5歳の女の子の悪意の無い牙に意表をつかれましたが、集団生活をする中で好きな相手とそうでない相手に「お友だち」が区分される事はある意味で仕方の無い事なのだろうと思います。誰かを選ぶという事は、同時に、他の誰かを「選ばない」という選択を私たちはしているのですから。
娘にも特定の仲良しの子が出来たようなので、仲の良い友だちグループと、そうでない同級生とに娘の中でも「お友だち」の扱い方が変わるのは時間の問題でしょう。
そうなれば今度は、我が子がいじめの加害者になった時の事も勉強しなければなりません。このような記事を読みました。


子供がいじめ加害者になったときにとるべき親の態度
https://allabout.co.jp/gm/gc/438028/


この記事によると
1、我が子がいじめをしてしまった行為に対して親が被害者へ謝罪する覚悟
2、子どもを正しい方向に導く覚悟
3、子どもの家庭環境を振り返る覚悟

加害児童の親となった場合、この3つの覚悟を決めるべしとしています。

いじめ加害者の親は「うちの子がそんな事をする筈が無い」とまずかばうでしょう。しかしそこで思考停止をしていては誰も救われません。大事な我が子がいじめ加害者となったならば、いつか我が子に因果応報もあり得ますし、何よりそんな子に育ってしまった事が悲しくなります。そのようなひどい子を矯正する役目は親にあると思います。

人間関係のヒエラルキーで言えば、いじめ加害者は上位に位置し、被害者は下位に位置するかと思います。そういう意味ではいじめ加害者は勝者と言えなくもないので、加害児の親は気にも止めないのかも知れません。何より自分の子に被害はありませんから。
ですが栄枯盛衰という言葉があるように、常に我が子が勝者側にいられるとは限りません。それまでのしっぺ返しで急にいじめの被害者になる事もあるでしょう。完全な勝者など子どもの世界にはいないのではないかと思います。


保育園・幼稚園トラブル、7割以上が経験! 明日、当事者になるかも…?
https://trilltrill.jp/articles/1114254

Q1 園でのお友達トラブルを経験したことはありますか?
よくある 23%
たまにある 51%
ほとんどない 15%
全くない 8%
その他 3%

保育園での子ども同士のトラブルは他人ごとではなく、いつか自分たちにも降りかかると思っておいたほうが良いのかもしれません。

このように保育園や幼稚園でもトラブルが尽きないように、いつか我が子もお友だち関係で悩む事が出てくると思います。園は子どもにとって初めての社会で、人間関係を練習する場です。もしトラブルが発生したならば、まだ親が介入しやすいこの頃のうちにフォローする親の姿を見せる事で、子どもが今後の自身のトラブルを解決する力を養えるのではないでしょうか。

いじめは被害者の心を壊す行為です。その場だけと思っている加害者とは異なり、被害者は長く辛い影響を被り続けます。インターネット上では、大事な結婚式で過去のいじめ加害を暴露され結婚を白紙に戻された話や、社会的地位が逆転し強者となった元被害者から盛大な仕返しをされる元加害者の話などを読みました。何年経過してもされた側の恨みは消えないという例でしょう。
加害者にとっていじめ(いじり、という認識なだけの事もある)は一時の娯楽やストレス発散なのかも知れませんが、そんなものがなくても楽しい人生を我が子には送って欲しいと思います。

いじめは子ども同士の問題ではありません。加害児の背景には子と親の関係に何らかの歪みがある事もあるのではないでしょうか。あるいは加害児は親の姿を映しているだけの事もあるのかも知れません。
私の母はドッキリ番組が嫌いでした。これは騙された人の反応をあざけ笑うものだと言って、こういう番組は見たくないと、母から他の番組にテレビチャンネルを変えられてきました。その影響か、私も何も知らない人に、その人が喜ぶとは思えないサプライズを実施する行為を見るのは苦手です。

アドレスを失念してしまいましたが、「ドラえもん」のジャイアンは何故のび太をいじめるのか、という記事を読んだ事があります。ジャイアンは実は母親から受けるストレスをのび太で発散している、またはのび太を自分の代替として「鍛えてやらなければ」という思いがあるのだ、という話だったかと記憶しています。ジャイアンが他者に見せられない「自分の弱さ」を恥ずかしげもなく他者に見せられるのび太が羨ましく、イライラするから殴ってしまう、という事も書かれていたような気がします。
一方でのび太は自己肯定感が強くあるので、いじめを深刻に捉えていない、とも。何とかしてくれるドラえもんが登場する以前からのび太はいじめられ続けていましたが、それを苦にしていないのは「のび太のび太のままで良い」という愛情を祖母から受けて育ったからだと書かれていました。

いじめ被害に親は気付きにくく、ましていじめ加害はもっと気が付きにくいものです。我が子が被害者にも加害者にもならない事が理想なので、まずは加害者にならないよう、私の何気ない姿を子どもは模倣するのだという事を常に意識しながら今後も生活していくつもりです。