その苦労は誰の為なのか

苦労した子ほど可愛い、という話を聞いた事があります。教師も問題児だった子ほど思い入れがあり記憶に残りやすいと聞きます。しかし私見では初めての育児で試行錯誤した第一子よりも、精神的に余裕のある第二子の方が「赤ちゃんの可愛さ」は堪能出来たような気がします。
もちろん上の子も可愛いのですが、上の子の場合は「きちんと育てなければ」という精神的重圧や「今の発達段階は正常か」といった心配、下の子の世話をしている時にちょっかいを出してくるせいで上の子可愛くない症候群に陥るせいもあり、「可愛くない」と思ってしまう瞬間が正直なところ少なからずあります。
子どもを可愛いと思う為には大人側に心の余裕が必要です。その為に便利グッズを活用したり、このたび解禁された液体ミルクを活用したりする事に罪悪感を抱かせるような事はしないで頂きたいと思います。

液体ミルク解禁に「愛情不足」と筋違いな批判。苦労を押し付けて誰が幸せになるのか？
https://hbol.jp/188788

　しかし一部からは辛口な意見も出ている。批判の内容はこのような感じだ。

「手抜きだ」

「愛情不足で子どもがかわいそう」

「私たちの頃は、大変な思いをした」

「ネグレクトにつながる」

　スマホ育児や手軽なベビーフードに対しても、しばしば不寛容な意見が寄せられる。「苦労して子育てして一人前」「親ならそれくらいの手間は覚悟しておくべき」と言わんばかりだ。

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育児は自分の思う通りにいかない事が多くあります。だからこそストレスが溜まり、声を荒げたり子どもに手をあげたりしてしまう人がいるのだと思います。私も何度「うるさい！」と上の子に怒った事か分かりません（叱る、ではなく怒った）。子どもが元気な事は良い事な筈なのに。

会社員の「休日」とは心身を休ませ次の業務に備える為のメンテナンス日であり、実は公休日にリフレッシュする事は業務のひとつです。そういう意味では育児を便利グッズで時短にし、親がほんの少し休憩をとり心身の健康を保つ事も適切な育児に必要な事だと考えられはしないでしょうか。
手間を惜しむ事がイコール愛情を惜しんでいる事にはなりません。便利グッズを駆使して時間を短縮した人が、浮いた時間で何をすると言うのでしょう。浮いたと言っても僅か数分です。あくまで私の想像ですが、その浮いた時間も結局は子どもの為に使う人が多いのではないでしょうか。

液体ミルクを活用する事により外出時の親の荷物が減ると、子どもを抱っこする事も以前より苦にならないでしょう。荷物の重さが億劫で外出の機会を減らしていた人も、これを機会にどこかに赤ちゃんを連れて行ってみようという意欲がわくかも知れません。親にとっても子どもにとっても良い事だと私には思えます。
自分は自分で他人は他人、他人が液体ミルクを使っていようが母乳だろうが、自分には何の影響もありません。育児に便利なものが登場しようと、自分のポリシーに反するならば自分が使わなければ良いだけで、使っている人をとやかく批判するのは筋違いです。

「そのひと手間がアイラブユー」というキャッチコピーのCMがありますが、果たして「そのひと手間」を子どもは望んでいるでしょうか。

「普通の弁当がいい」デコ弁に娘が放った一言に「母親が可哀想」「気持ちわかる」の声
https://www.lettuceclub.net/news/article/115399/

しかし、頑張っているにもかかわらず、女性はお弁当に対して「主人と娘がノーリアクションなんです」とコメント。実際に女性が娘に「元気出るでしょ？」と聞いても「あんまり出ない」「卵焼きが入っていて、から揚げが入っていて… 普通のみんなが持って来ているようなお弁当がいい」と本音を漏らしました。

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まるで苦行…！ 5児の母を待ち受ける怒涛の卒入学シーズン【めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々 第106話】
https://trilltrill.jp/articles/1148617

小学生組の春休み！

春休み中は学童でお世話になっているためお弁当作りがスタート。

もともと料理が苦手なので、いつもワンパターンな内容になってしまい、たまに頑張ってアレンジおかずを作ったら

『あのさ…できればいつものやつの方がいいです…』と言われる始末(笑)

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我が家の場合、普通のホットケーキでは味気ないからと冷凍のブルーベリーや桃を小さく切って生地に練り込んだところ
「これも悪くないけど、何にも入れない普通のホットケーキが一番美味しいと思う」
と上の子に言われました。５才になると言葉にワンクッションが入るのでこちらの精神的ダメージが少なくて助かります。
インスタントラーメンに野菜を入れて喜んでいるのは私だけで、実は夫は何も具を入れない方が好きらしいとは何となく感じています。でも健康の為だと無視しています（ならそもそもインスタントラーメンを出すなと言われそうですが）。

「そのひと手間」は親の自己満足である事もあるのではないでしょうか。
母乳にこだわり子どもを栄養失調にさせる親、乳首の痛みをこらえ苦悶の表情で授乳してくる親よりも、笑顔で栄養補給をさせてくれる親を子どもは望んでいるかも知れません。そのミルクの用意がこれまでよりも手早くなれば、きっと赤ちゃんだって空腹で泣く時間が短くなるので嬉しいと思います。
粉ミルクを熱湯で溶かし、適温になるまで冷ます手間。それを赤ちゃんが望んでいるとは私には思えません。赤ちゃんが望んでいるのはいち早くお腹を満たす事と抱っこして貰う事だと思います。

苦労をしたい人は毎日の炊飯も薪で行い、洗濯板で洗濯して下さい。結果が大差ないならその苦労はただの自己満足でしかありません。
「苦労している自分」に酔いたい人は、そこに赤ちゃんや他人を巻き込まないよう配慮をお願いしたいです。