xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

乳幼児用オムツは生の象徴

布オムツ育児に憧れ、しかし結局は紙オムツの利便性の前にひれ伏した私は、どんどん紙オムツを使用しました。
まだ上の子のオムツがとれていない頃に夫の仕事の都合で夫両親と同居していた時期があるのですが、使用済み紙オムツに対しての認識の差が私と夫の母にはありました。

使用済みオムツは丸めて蓋付きのバケツに入れてごみの日まで保管していましたが、ある時、夫の母からバケツの置き場所を注意されました。トイレが一階と二階にそれぞれある家だったので、私たちが使う二階のトイレの前の廊下にバケツを置いていたのですが、自分も通る場所に置くな、そもそも家の中に置くなと言われました。
また捨てる時には「みっともない」と言われました。臭いが漏れないよう、ごみ袋の内側にはチラシで目隠しをしていた時の事です。ではどうすれば良いかを訊くと「知らない」と言われました。

自分の娘は生後7ヶ月の時にオムツをはずさせたというのが姑の自慢らしく、私が当時2才だった娘にいつまでもオムツをつけさせている事にイライラしていたようです。
2才にもなったのにトイレトレーニングが出来ておらず、我が家からオムツがゴミとして出される。それが「みっともない」発言の真意だったのかも知れません。

その後、夫の両親とはまた別居になったのですが、別居になった途端に娘はトイレに成功するようになり、あっという間にオムツが外れました。
娘が成長したためか、私の意識がまた娘に多く行くようになり娘とタイミングを合わせやすくなったからなのか、娘の寂しさが癒されたからなのかは分かりませんが、特にトレーニングをした覚えがないままに娘はオムツが不要になりました。

乳幼児はオムツをするもの、だからこそ2才の子がオムツをしている事や、ゴミとして使用済み紙オムツが捨てられる事に対して「みっともない」と私は思った事はありませんでした。高齢者用のオムツは確かに「みっともない」かも知れませんが、子どものオムツは柄も可愛らしく、他の家庭から出たゴミ袋から透けて見えていたとしても私は不快には感じません。
今のオムツは消臭機能も進化しているのか、きっちり丸めさえすれば臭いも特に漏れないように思います。また自分も捨てているので、他の家庭の使用済み紙オムツ(=排泄物)が気にならないのだろうなと思っていました。
その感覚が何なのかをうまく説明できなかったのですが、以下の記事を読んで得心しました。


葬儀・霊園と紙オムツCMが、平成社会を反映している?
http://www.kk-bestsellers.com/articles/-/10209


この記事の文中に「紙おむつというのは生の象徴」だという一文があったのです。
そう、乳幼児用紙オムツのゴミに対して私が好意的なのは、便利な育児アイテムだからというだけではない。それが「赤ちゃんがいる家庭」の証、未来への希望が詰まっている、生の象徴だからなのです。

他の家庭から出たゴミから乳幼児用紙オムツが透けて見えていると、ああこの模様のメーカーはあれかな、サイズは何だろうなと何だか楽しくなります。何より赤ちゃんがいるのだなと微笑ましく思います。
一方で高齢者用のオムツが捨てられているのに気が付いた事は私はありません。他家のごみ袋などまじまじと見た事が無いからもありますが、きっと捨てる方がそれこそ「みっともない」と工夫をしているから私は気が付かないのでしょう。もし透けて見えたならば、こちらは何だか切なくなるような気がします。それは高齢者用のオムツは終わりの象徴だからなのかも知れません。

記事では、生の象徴である乳幼児用紙オムツのCMはあまり見なくなり、高齢者用のオムツのCMをよく見るようになったとありました。私はどちらもおなじくらいの頻度で目にしている気がするので、テレビを観るタイミングによるのかもと思います。

トイレトレーニングは2才の夏こそがおすすめ、というような記事も見た事がありますし、小学生でオムツの子はいないのだから焦らないで、というような記事も目にします。
下の子が2才になり、我が家もそろそろトレーニング開始かなと思っているのですが、いざ完了したら寂しくなる気がしてなりません。
オムツの交換という親子のスキンシップが減ってしまう事もありますが、料理で使用した揚げ油を捨てる時に、廃油を吸わせる手立てを失ってしまうからです。

「みっともない」と言う人がいなくなり、家庭内の事は全て私が采配できるようになり、使用済み紙オムツに抵抗がない私は、廃油を捨てる時に丸めた紙オムツを開いてそこに吸わせています。野菜炒めを作った後に出る汁もオムツに吸わせています。排水口に流すと水と排水パイプを汚してしまうかなと思ったものは、私は使用済み紙オムツにどんどん吸わせています。
もちろん大がついているオムツは別に保管しているので、この時に開くのは小の、しかもまだ吸水する余裕のあるものだけですが、これがまた便利なのです。
排水を過剰に汚さない、新しいゴミも出さない、廃油を処理する為のアイテムを新たに購入しなくても良い。一挙三得だと思っているのですが、さすがにリアルでは言えません。

生きる事は食べる事、そして排泄をする事なのです。生きる事はみっともなくなんてないし、料理をすれば廃油が出るものです。
乳幼児用のオムツは生の象徴。そこにあぐらをかいて、もう少しだけこの便利さの恩恵にあずかろうと思います。