xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

特性を知るなら早いうちに

同年代の多くの人がそうであるように、私は小学生の頃に以下の図を見せられた記憶があります。最後に判読できない問題が出され、答えられなかった私は検査後に不安になったものでした。「読めない事が正解」などという問題がこの世にあるのだと知ったのはだいぶ後になってからでした。

f:id:xharuko:20190415122311p:plain


なぜ小学校低学年の頃に色覚テストを受けるかと言うと、数字が読め、見えたままに素直に答える年代が低学年だからだと聞いた事があります。中二病に罹患すると多重人格や眼帯に憧れるなど「普通ではない自分がカッコイイ」感覚になり、敢えて色覚異常を装う場合があるからだそうです。
しかし2003年以降に入学した小学生はそもそも、この色覚テストを受けていないのだと知りました。そしてそのせいで、成長してから具体的に思い描いた夢を断ち切られる人がいるのだという事も。


職業選択で初めて自覚も…「色覚障害」早期発見の必要性、指摘の声
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190406-00010002-nishinpc-sctch

 赤と緑、赤と黒、水色とピンクなど、特定の組み合わせの色が見分けにくい色覚障害(医学用語では「色覚異常」)。かつては小学校で色覚検査を行っていたが、2003年に健康診断の必須項目から削除された。このため自覚しないまま成長し、進路を選ぶ段階になってから、自衛官や消防士など色覚に関して採用制限がある職業を選べない現実に直面するという事例も表面化しており、早期発見の必要性が指摘されている。

 大学2年のユウイチさん(20)が幼稚園児のころ、友達から「ピンクのクレヨンを取って」と言われて渡したのは、灰色だった。指摘され「子ども心に衝撃を受けた」。小学生のときには緑のペンを黒と勘違いしたり、高校生になると赤ちょうちんの色を緑と言ったりした。色の見分けにくさに自覚はあったが、真実を知ることが不安で、検査は受けなかった。

 昨年、自らが通う九州大で、芸術工学研究院の須長正治准教授(53)が色覚障害の研究のため当事者を被験者として募った際「現実に向き合いたい」と参加した。検査の結果、視細胞の一種で色を識別する「錐体(すいたい)細胞」のうち、緑を識別するM細胞が欠けていることが分かった。

 高校生の頃からパイロットへの夢を抱いてきた。仕事について調べるうちに色覚障害のある人はなれないと知ったが、昨年の検査結果を手にするまで諦められなかった。親には検査したことすら伝えていない。「小学校で一斉に検査があれば、家族も含めて早く状況を認識でき、将来の職業もそれに基づいて考えられただろうが…」と語る。

色覚テストが普通の人とは異なる見え方をする人には、就けない職業がある。筆記試験で落とされるならまだしも、憧れていた夢が自分の特性を理由に断ち切られる。頑張りようがない事を理由にされては悔しさもひとしおなのではないでしょうか。
2003年から色覚検査の実施義務がなくなったのは、検査が色覚障害者への差別につながるという理由からだそうですが、逆にそのせいで何も知らずに育ち、辛い思いをする人も現に出てきているようです。
以前ネットで妻側の遺伝子に色覚障害がある事を知らなかった夫が、自分の息子にその特性が遺伝した事を激怒したという投稿を読んだ事があります。色覚異常は、遺伝子を持っていても女性に顕現する事は少ないのだそうです。色覚障害は男性が20人に1人という割合に対し、女性は500人に1人だという割合の男女差の理由はそこにあるようです。
投稿では妻は、自分の父たちは色覚障害でも苦労していなかったので、大した事ではないと思い育った。だからわざわざ夫に言うまでもないと判断し、言わないでいたという内容でした。

私の学年では検査で色覚障害が判明した人はいなかったように思いますし、学校全体でもそれがイジメの理由になっていた人はいなかったように思います。なので色覚障害は私にとって遠いイメージでしたが、日本では男性の20人に1人という割合の高さを知り驚いてしまいました。
子ども同士は「へー、そうなんだ」で済んでも、親側が「○○君とは遊ばないように」と差別を助長する事が全国のあちこちで行われていたのかも知れません。

子どもが将来の夢を具体的に思い描いた後に遺伝子を理由に門前払いされる事は親も辛いと思います。学校で検査をしてイジメに繋がると言うのならば、学校以外の何かの機会に検査をしても良いのではないかと思います。
【色覚テスト】と検索した時に数字だけではなく、蝶々やウサギの形に見える検査の図もある事を知りました。学校での検査が難しいと言うのであれば、保護者が連れて行く、同じ月生まれの子だけが保健施設に集まる3歳6ヶ月健診の時に実施しても良いのではないかと思います。

子どもに何が向いていて、何が向かないかを知りたいとは多くの親が思う事だと思います。私の娘もピアニストになりたいと言うようになりましたが、親の目線から言わせればピアノで食べて行けている人はピアノを習い事にしていた人数から考えるとほんの一握りなので、趣味で続けていければ良いなと思っています。夫の親戚でピアノで音大に進学した人がいるのですが、その人が卒業してから何をしているのかを思うと、受験の為にどれだけの労力と金額を費やしたか切なくなります。私の従姉妹が幼稚園の先生で、園児の前でピアノを弾いている事など言えません。

子どもの適性が分からないからこそ親は様々な習い事を子どもにさせ、空振りに終わる事も少なくありません。
向いている事は親が試行錯誤する中で見つけるか、子どもが自分で気が付くしかありませんが、せめて「遺伝子上の理由から向いていない事」は早くから知っておいても良いのではないかと思います。