xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

休み時間こそ大人の目が必要なのでは

学校の過ごし方で重要なのは休み時間だと思います。授業時間中は席が指定され、「授業を受ける側」という明確な役割が子どもたちに与えられます。しかし休み時間になると子どもたちは思い思いの過ごし方をするようになるので、仲良しのメンバー同士で固まります。孤立している子やイジメを受けている子ほど、休み時間は授業時間以上に苦痛なのではないでしょうか。
もちろん中には静かに読書をするなど一人で過ごす事の方が好きな子もいると思います。しかし仲間はずれに遭い孤立させられた子にとっては、休み時間ほど苦痛な時間はないかも知れません。掃除の時間には役割があります。放課後には自宅という自分の居場所に帰れます。しかし休み時間には身の置き所がないのです。
そんな風に思ったのは、以下の二つの記事を読んだからでした。



4月授業参観に「行くだけの親」が見落とす本質
https://toyokeizai.net/articles/-/275198

子どもが休み時間をどのように過ごしているか、ぜひ見てください。そうすれば、新しい環境に適応できているか否かがよくわかります。授業では、子どもたちはそれぞれの席に座って、先生の指導のもとみんな同じように行動しています。言ってみれば、よそ行きの行動ばかりです。でも、休み時間は違います。子どもたちの本当の姿が見られるのです。

多くの場合、授業参観は5時間目なので、可能な場合はちょっと早めに行って、その前の昼休みの時間から見るようにするといいでしょう。理想を言えば、親が自分を見ているということに、子どもが気づいていない状態で見られればいちばんいいでしょう。子どもが親の目を意識すると、普段と違う行動をする可能性が出てくるからです。


子どもたちの本当の姿が見られる休み時間ほど、我が子がどのように過ごしているかを参観日は見るべし、という記事です。そして次は「独りで過ごす休み時間」に哀れみで話しかけられた時の衝撃を描いた記事です。さやかさん、という友人関係に悩む相談者への回答という形をしています。



「友人に絶交されました…」 鴻上尚史が指摘する原因“無意識の優越感”とは
https://dot.asahi.com/dot/2019040500077.html

 僕は、39歳でロンドンの演劇学校に留学した時、「英語の戦場」で本当に苦しい思いをしました。

 授業中より、休み時間が地獄でした。20歳前後の若者の口語で早口の英語は、大部分が分かりませんでした。それでも、留学して半年ぐらいはなんとか食らいつこうとがんばりました。最初は、クラスメイトも気を使って、ゆっくり言ったり、簡単な言い方をしたり、繰り返したりしてくれましたが、やがて、かまわなくなりました。

 だんだんと、休み時間、独りでいることが多くなりました。そこで休んだり仮眠を取ったりして、集中力を回復させて、授業に使おうとしたのです。

 でも、そうすると、淋しくなります。誰かに話しかけて欲しくなります。複雑な議論はできなくても、「調子はどうだい?」とか「ランチは何を食べるの?」なんてなにげない会話がしたいと心底思うようになります。

 そんな中、クラスメイトであるイギリス人男性が時々、話しかけてくれました。

 ですが、彼には「かわいそうなアジア人をなぐさめている」という雰囲気がありました。イギリスの中流階級出身の白人として、クラスで唯一のアジア人を心配しているという匂いでした。

 別に自慢げとか偉そうな態度を取っていたわけではないです。彼の名誉のために言っておけば、彼はとても優しい人でした。だから、話しかけてくれたのです。

 でも、どこか、「かわいそうなアジア人には優しく接しよう」という意識を感じました。それは、無意識の優越感だと思います。

 本人に言っても、キョトンとしたまま、「だって、君はかわいそうだから」と答えるような雰囲気でした。

 さやかさん。僕は生まれて初めて「人間として見下されるとはこういうことか」と感じました。


スクールカーストという言葉があるように、学校での子どもたちの中には見えない序列があります。私のイメージでは上から順にクラスのリーダー格、その友人、ノリと勢いの派手なグループ、おとなしめの子たちになるのではないかと思います。カースト下位の子はイジメのターゲットにもなりやすいのではないでしょうか。
私はスクールカーストで言えば下の方だったと思います。そして幼稚園での話を聞く限りは、娘は活発な子に引っ張られて遊びに加わるタイプのようなので、やはりカースト的には下位の方に所属するでしょう。近頃は「○○ちゃん(活発な子)は私がやりたい遊びは一緒にやってくれないからキライ」と娘は不満をもっているようです。先生いわく○○ちゃんの方が娘にくっついているとの事ですが、自分のしたい遊びに付き合ってくれる娘は○○ちゃんにとって都合の良い存在なだけなのかも知れません。
このままの関係で小学校に進めばグループが本格的にかたまり、しかし、いつか○○ちゃんが娘に飽きた時に、娘はポツンになってしまうような気がしてなりません。女の子は一度グループがかたまれば、再編成がされにくいように思うからです。

私が「スクールカースト」という言葉を意識したのは日テレ「学校のカイダン」というドラマを知ってからでした。上の子である娘が小さかった頃の放送のドラマなので視聴こそしませんでしたが、カイダンとは怪談の事ではなく、階段らしいとはCMで理解しました。
そんな頃、幼い娘と散歩中にとある幼稚園の近くを通った時にある場面を目撃しました。
ジャングルジムに3人の女の子が登って談笑している所に1人の女の子が近付き
「○○ちゃーん、△△(聞き取れなかった)無かったよー」
「えー、見つけてって言ったじゃーん。じゃあ皆、行こっ」
後から来た子がジャングルジムを登ろうとすると、既にいた3人はするすると降りてしまい走り出します。後から来た子は少し遅れてその後を「待ってー」と追いかけて行きました。
何となく、リーダーとその下に同列の2人、そしてパシリにされている子の4人グループなのだろうなと理解し、そうかこれがスクールカーストなのかと思ったものでした。たまたまなのかも知れませんが、一見仲良しのグループにも序列が見えたのです。あの後から来た子は自分から加わろうと努力し続けないとグループにいる事が難しい立場なのかも知れません。

子どもたちの人間関係が明確になる休み時間には、授業の準備をしなければならない教師の目は残念ながら届きません。イジメとは教師の目が届かない、休み時間に起こるものなのではないかと私は思います。

先に挙げた【4月授業参観に「行くだけの親」が見落とす本質】という記事のヤフーコメントには、保護者はいつ学校を見に行っても良い、としている学校があると書き込まれていました。目的は保護者が安心して子どもを学校に通わせる為だと思いますが、他にもメリットがあるように思いました。大人の目がそこかしこに常にあれば、子ども同士の無用なトラブルは軽減出来るのではないでしょうか。

ただし、児童の親が直接見回りをするのでは支障が出るように思います。自分の親ばかりが頻繁に学校に来る事は子どもにとって恥ずかしい事でしょうし、
「○○君のお母さん、また来てるー」
と、からかいの対象になる事間違いありません。
何よりそれでは、社会を学ぶ為に学校に行っているのに、子どもが家庭とは違う顔をしていられなくなってしまいます。
また当番制にしても保護者にとっては負担です。
そこで児童にとって第三者となるシルバー人材の方に校舎内の見回りをして頂くという活動をして貰い、イジメの芽が育たないようにするのです。授業時間中は待機部屋で休憩し、休み時間に校内を巡視する。高齢者ならではの知恵を子どもたちに披露するも良し、ただ校舎内を散歩するも良し。そして一人でいる子には「調子はどうだい?」などと話しかける。
もしその子が仲間はずれにされて独りでいた場合、世話焼きなクラスメイトの哀れみの感情から話しかけられるよりもずっと、シルバー人材の方には気楽に答えられ、かつ「話しかけられたから話相手をする」という役割が与えられるので、教室に身の置き場が出来るのではないかと思うのです。
いつも集まっていたメンバーから誰かが除外されているような事があれば、シルバー人材の方から教師に報告する。そうすれば教師もどの子をケアすれば良いかが分かりやすくなるのではないでしょうか。

少しでも大人の目が届かない場所を減らし、子どもたちには「よそ行きの行動」を意識させる。学校は人間関係を学ぶための場所でもありますが、社会に出れば様々な年代の方と居合わせるのが普通です。学校に集まるのはほぼ同年代だけという異質な環境だからこそ、よりトラブルが発生しやすくなっているのではないでしょうか。

また自分の親よりも高齢の方とのふれあいは子どもにとって大切だと思います。核家族化で自分の祖父母とも会う機会が少ない子には、福祉施設に訪問するよりも良い刺激になるのではないかと思うのです。
子どもは社会で育てるものでしたが、現代は見知らぬ他人の子どもを叱るとトラブルが発生する事があります。そこでシルバー人材の方に校内を巡視して頂き、子どもたちと面識を持って貰い、街で会った時にも声を掛け合う仲になったら良いなと思いました。

教師も外部の目があると思えば、子どもたちに対して威圧的になりやすい人も抑えられるのではないでしょうか。
学校は子どもたちを守る為に、かえって社会から隔離されて濃密過ぎる人間関係になっているように思います。そこに第三者の目を常に入れる事で新しい空気が入り、イジメの芽を育たせないようにしたら良いのではないかと思いました。