xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

男児の下着問題

女性には来るべき時が来たなら自分がどのような下着を着用するべきなのか、発育段階という目に見える形で、ある程度の目安があります。手元にある通販カタログには
【バストトップが痒い、痛いと感じてきたら】
 →胸部が二重構造になっているタンクトップやキャミソールなど

【バストトップの周りが膨らんできたら】
 →クッション入りハーフトップなど

【バスト全体が膨らんできたら】
 →ノンワイヤーブラなど

このように、目的に合わせてどの下着を着用すべきかが特集されていました。なお、これ以降は成人女性と同じ下着が少女たちの選択肢に加わってきます。ワイヤーが食い込んで痛いと感じる人はノンワイヤーブラを使い続けるも良し、カップ付きキャミソールで十分だと感じたならばノーブラを選ぶ人もいます。
自分のバストがどのカップにまで成長するのか確定するまで下着のステップアップは続き、かつ妊娠出産すれば新たに授乳ブラという選択肢も登場します。
全ては痛むバストトップを守る為、そして重みを増していくバストを支える為という目的が女性の下着にはあります。まずは機能、その後でオシャレ目的が付随します。

上半身ほど形状が変化しない下半身も、女性には生理用のサニタリーショーツや、産後用の産褥(さんじょく)ショーツといった機能性下着が幾つかあります。同じ出血対策ショーツでも、レベルが変わるのでステップアップする必要があるのです。他にも体型補正のガードルなど、挙げればどんどん出てきます。
一方で男性には下着のステップが女性ほどには無いように思えます。何をもって一段上がるかという明確な目的は特に無く、幼児から高齢者までブリーフを選び続けていても身体上の不都合はないようです。
しかしながら私は何となく、下記の記事のように男児はオムツを卒業したらブリーフになり、中学生あたりからトランクスになり、それ以降は好みによりボクサーパンツなどに変化していくものと勝手にイメージしていました。
なぜこのようになったのでしょうか。


男性下着ブリーフ「子供が履くもの」にいつからなったのか
https://media.moneyforward.com/articles/3059

ところで、今回、男性のブリーフについて調べていく中で、もう一つ気になる点が浮上してきました。それは、ネットの掲示板で何件も見られた、小学生男子やお母さんなどからの以下のような質問です。
「僕はいま小6でブリーフを履いているんですが、いつからトランクスやボクサーに移行すべきですか」
「男の子は、何歳からトランクスに移行すれば良いですか」

かつて言われていた「ブリーフ派VSトランクス派」という好みの問題ではなく、いつの間にかブリーフは「子どもの履くもの」になっているのしょうか。つまり、男性の場合、最初に出会うパンツがブリーフで、それを「卒業」して行き着く場所がトランクスやボクサーパンツということなのか。

(中略)

周囲の男の子のいるお母さんたちに聞いてみても、「小学校高学年くらいから」「中学くらいから」など、時期の違いはあれど、大まかに「ブリーフ→トランクスかボクサーへ」という流れを辿る子は多いようです。

上記の記事がヤフーヘッドラインに挙がっていた時に投稿されていたコメントを読む限り、トランクスは男児には向かないとは分かりました。制服、体操服が短パンの時にトランクスにすると、座った時に男性器が太ももの隙間から見えてしまう事があるのだそうです。ならば、まだまだ砂遊びをする年頃には尚のことトランクスは向きません。
しかしブリーフは蒸れて暑く、精子には良くない環境にもなるらしいとの事。精子は熱に弱いため、少しでも冷ます為に男性器は身体の外に飛び出ている構造になっています。だからこそ、思春期あたりには股間を包み込むブリーフから通気性の良いトランクスに移行する男性が多くなるのでしょう。

そもそも「ブリーフは子どもが履くもの」というイメージになったのは、色が白のものが殆どだからではないでしょうか。女性も綿素材の白を受け入れられるのは小学生までである事が多いと思います。汚れが目立ち、デザインが単調な「いかにも下着です」と言わんばかりのブリーフよりも、柄が選び放題のトランクスに憧れるのは自然なのかも知れません。しかも一見すると水着のようで、あまり下着らしくもありません。女性からすると「おりもの」が出てきた時にどうするのだ、流れ出るがままではないかと心配してしまいますが、男性からはそんなものは分泌されないのでトランクスでも下着としての機能は十分果たせるのでしょう。

しかし、そんなトランクスでは成長とともに肥大する睾丸が太ももに貼り付いてしまい、動く時に不快になるらしいとの事です。一方でブリーフは全てを包み込む為にそれを防げるのだそうです。更にブリーフなら男性器をブラブラさせる事も無いので安定感もありそうです。どちらにもメリット、デメリットがあるようです。

男児下着売場に行くと幼児サイズのボクサーパンツも陳列されており、2才の息子がトイレトレーニングを終えたなら、どの下着を着用させるべきか悩んでいます。私はオーソドックスに、息子にはブリーフを選ぶべきなのでしょうか。それとも流行に従って幼児からボクサーにするべきなのでしょうか。
ボクサーパンツには濃い色や柄物が多く、チラ見えしてもブリーフほどには恥ずかしくないような気がします。しかもぴったりフィットするので砂遊びをしても股間に砂が入らなそうです。
ですが安易に幼児のうちから下着をボクサーにしても良いものでしょうか。パンツデビュー時から息子にボクサーパンツを選んだ場合、息子の精神的な成長を阻害してしまうおそれもあるのかも知れません。このようなマンガを読みました。


大人の男になるための3条件とは? 成長期の男子に訪れる“あるある”描く漫画に共感の声
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/spv/1802/01/news013_0.html

 「大人の男になる条件」について描いた漫画を、漫画家のビーノ(@bambi_no_3)さんがTwitterで公開しました。「大人になる」ってなんだろう。「感情を抑える」とか「相手の立場で考える」とかかな……と思ったら、むしろ「一人称を『オレ』にする」など、「男子あるある」的な話で妙に納得。

(中略)

2つ目は小学校高学年~中学進学くらいでありがちな「下着移行期」。男子には体操着へ着替えるときなどにブリーフをはいているのがバレると、笑われてしまう時期があるのです。しかしトランクスに替えたいと思っても、母親に申告するのが恥ずかしくてなかなかできないもの。ばかばかしい話かもしれませんが、思春期の男子にとっては深刻な問題なのです。

ブリーフからトランクスにしたい。
それを少年が母親に告げる。
これは確かに男性が大人になる為の通過儀礼のような気がしてきました。

下着の話をするという事は、母という、親でありながら異性でもある相手に下半身の話をする事になります。そしてその行為は、自分は「子ども」から「一人の男」になったと親に宣言するようなものです。これは即ち、庇護されるべき対象から一歩踏み出す事を意味するような気がしてきました。
少女ならシングルの父親にブラジャーを買ってきて欲しい、生理用ナプキンを買ってきて欲しいと頼む事に相当しそうですが、こちらは目に見える変化なので必要性が高いのに対し、少年がブリーフからトランクスに変更しなければならない明確な理由は特にありません。
少女の場合、初潮を迎えたと父親に告げるのもハードルは高いかも知れませんが、その時に出てくる物は血液です。性教育を十分に受けても初めて目の当たりにした時にはどこから出血しているのか、何が理由で出血しているかも確信が持てない事もあるのですから、保護者が父親しかいない場合には言わざるを得ません。しかも腹痛などを伴いますので重大な病気の可能性も頭によぎり、本人にとっては危機的状況下でもあります。実際に子宮からの不正出血はガンの可能性だってあるのですから。

少年が夢精した時にも母親がシングルなら母親に相談せざるを得なくなる状況にはなるのかも知れませんが、出てくる物は血液ほどセンセーショナルなものではなく、痛くもなさそうなのでそのまま隠してしまう人もいるかも知れません。何より性的快感を得た時に出てくる物と同じなのですから、夢精を母親に言わないまま放置していてもいずれ自分で理解する時が来るような気がします。

ブリーフではなく、トランクスを買って来て欲しいと少年が母親に告げる。
オシャレに目覚めた事、性に興味が出てきた事、どちらの意味も含むカミングアウトは、少年たちの自立への第一歩なのかも知れません。最初からボクサーパンツを母親が息子に履かせる行為は、自己主張の機会を奪い、自立を阻害してしまうおそれもあるような気がしてきました。越えるべきハードルを親が最初から撤去しておいてしまうのは、親心という名の飼い殺しなのかも知れません。

ところで、「ブリーフ」を検索したところ新たな疑問が出てきました。売り上げランキング上位のブリーフは、私の知っている「ブリーフ」では無かったのです。検索結果に出てきたのは成人男性サイズのものでしたが、色は青や黒、グレーがあり、赤や柄物までありました。ブリーフと記載してあるのにビキニのようにしか見えない形のものもあります。これも「ブリーフ」と呼ぶならばビキニパンツとの違いが私には分かりません。アルファベットも入り、縁取りにもカラーが差し込まれ、水着ではないかと見まごうものが多数表示されてきました。
こちらはこちらで股間が強調され下着としての印象が強すぎるので、やはり中学生の頃には囃し立てられるような気もしますが、時代の変化を感じました。やはりブリーフは機能的に優れている証なのでしょう。原点にして頂点。初歩にして究極といったところなのでしょうか。

やがて青少年が迎える反抗期は自己主張の場です。親の用意した殻を打ち破り、一回り大きくなる為に必要なものです。
被服を購入するという金銭を必要とする行為、汚れた衣類を洗濯するという家事を家族に依存している間は、この下着の自己主張ばかりは感情的に当たり散らしても解決には至りません。
「ブリーフじゃなくてトランクス買ってこいって言ったじゃねーか!」と怒鳴っても、内容が内容だけに格好が悪いと本人も気付くでしょう。

もしかしたら男性が、自らが下手(したで)になって相手に交渉をする初めての経験がこのパンツミッションであるべきなのかも知れません。
このパンツミッションを経験したかしないかで、その後の人生におけるハードルへの感じ方も変わってくるのではないでしょうか。

ならば、どんなに可愛い幼児用ボクサーパンツが売られていようとも、私たち母親は息子の将来の為に、あえて白ブリーフを選ぶべきなのかも知れません。