xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

それ、好き嫌いじゃないかも

「キュウリでアレルギーなんて聞いた事がありません」
栄養士さんがそう口にしたのは、我が子が通園している幼稚園の給食説明会ででした。
あるママさんが、「うちの子、キュウリでアレルギーが出るんです」と発言した時の事です。

我が家の上の子もアレルギーがあります。珍しいとは言われますが、幸いながら「特定原材料に準ずるもの」のひとつなので幼稚園給食の栄養士さんも理解して下さいました。
食品表示法によると、特に発症者数や症状の重症度が高く、表示する必要性の高い食品7品目を「特定原材料」として定め、表示が義務づけられています。また20品目を「特定原材料に準ずるもの」として、可能な限り表示するよう推奨しています。

●特定原材料
えび、かに、小麦、蕎麦、卵、乳、落花生

●特定原材料に準ずるもの
あわび、いか、いくら、さけ、さば、牛肉、豚肉、鶏肉、オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、もも、りんご、やまいも、くるみ、カシューナッツ、ごま、大豆、まつたけ、ゼラチン


幼稚園給食ではこれらの品目が使用される際にはメニューの原材料の項目に必ず記載するし、我が子がアレルギーを起こす食品はそもそも給食では使用しないという理由から、我が子はアレルギーの届出も除去食申請もしなくて良いと言われました。

給食説明会は、子どもにアレルギーがあると分かっている人は他の保護者と座席を区分けされて実施されました。80人ほど集まった中で、アレルギー持ちの席に座ったのは私も含めて4人でした。
「どの食品がアレルゲンですか?」と個別に質問され、小麦や卵アレルギー等のお子さんには代替食が出されるのでその申請を、との事でした。我が子は先述した理由により他の子とまったく同じ給食が出されるので特別な申請は不要だと言われ人心地ついた後だったので、他の保護者の発言にもしっかりと耳を傾ける余裕が生まれました。そのような中だったからこそ私の次の方が「うちの子、キュウリでアレルギーが出るんです」との発言が耳に残りました。

自分が落ち着いた後だからこそ、キュウリでもアレルギーになるんだな、夏にキュウリ一本丸かじりが出来ないなんて可哀想だな、アレルギーにも色々あるのだな、ウチも珍しいとは言われるけど、キュウリはもっと珍しいな、27品目にも挙げられていないしな、などと滔々と考え、ではどんな回答がくるのかなと待っていると、回答役の栄養士さんがこのように言いました。

「キュウリでアレルギーなんて聞いた事がありません」

なので除去食は用意できないという事でした。つまりメニューにこの日の給食にはキュウリが使われると記載してあったならば、どの料理に含まれているのかを確認して「食べないように」と親が子どもに指示を出せ、という事のようでした。
キュウリに触れた他の食品は食べられる子らしく、そして多くの場合キュウリはキュウリだと分かる形状で使用される食品であるため、例えばポテトサラダのキュウリはお子さん自身が摘まんで取り除く、という事になったらしいです。
それはそれで一見好き嫌いをしているように見えるので他の園児の教育によろしくないのでは、とも思いましたが、代替食を用意できない以上、その子が安全に給食を食べられるようにするにはそれしか方法は無いようでした。
給食を希望しない場合は弁当を持参してもよい、という幼稚園なので、最終的にその子が弁当組になったのか、本当に摘まんでキュウリを取り除く事にしたのかまでは我が子とクラスが異なる子だったので私には不明ですが、アレルギーのある子を持つ親として納得のいかない気持ちになった給食説明会でした。

そんな事があったので、以下の記事を読んだ時に鬼の首を取ったような気持ちになりました。


生の果物や野菜を食べると唇や口の中が腫れる…「口腔アレルギー症候群」の可能性
(ヤフー掲載時のタイトル)

生の果物、野菜で発症
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190626-OYTET50012/

13歳の中学1年生の女子は、ある時から、リンゴやモモ、生野菜のサラダなどを食べると、5分ほどで口の中にピリピリした感覚を訴えるようになりました。口にできない品目は徐々に増えましたが、缶詰やジャムなど加工処理後のものは問題がありません。専門医を受診すると、OASと診断されました。

 彼女は7歳の頃から、スギやシラカバなどの花粉症(アレルギー性鼻炎)があり、医師から「関係があるかもしれない」と言われました。生の果物や野菜に含まれるたんぱく質は、花粉のたんぱく質と構造が似ており、アレルギーを起こすことがあるのです。

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花粉症をお持ちの方は、そのアレルゲンとなる花粉のたんぱく質と構造が似ている食品のたんぱく質でアレルギー反応を起こす事があるのだそうです。
それは食物アレルギーの1つ「口腔アレルギー症候群(OAS)」と言い、ブタクサの花粉でアレルギーを起こす人はキュウリだけでなく、メロン、スイカ、バナナでもアレルギー反応が起きる事があるのだそうです。
そもそもキュウリにたんぱく質が含まれていた事に私は驚きました。何しろキュウリといえば最も栄養の無い野菜としてギネスブックにも掲載されているというネット都市伝説を読んだ事があったからです(実際には「Least calorific fruit[最もカロリーが低い果実]」との事らしいです)。
キュウリが直接アレルゲンになる事はないのかも知れませんが、しかしこのように、ブタクサ花粉がアレルゲンの人にキュウリのたんぱく質でアレルギー反応が出る事はあるのだそうです。

花粉アレルギーは実際に発症してからでなければ花粉症だと認識されず、可能性を秘めながらも自分がそうだと知らないままの人もいるのだろうと思います。
我が子がとある食品でアレルギー反応を出した後に病院で検査して頂いた所、食品の他にも様々なアレルギーの可能性がある事が分かりました。なんとハウスダスト、ダニ、スギ花粉に反応する可能性を秘めているらしいのです。

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幸いながら我が子はこれらに今のところアレルギー反応を出した事はありませんが、アレルギーはある時になって急激に発症するらしいので、発症しないうちからもスギ花粉の多い時期にはマスクを着けさせる等の対策をとっておいた方が良いかなと思っています。
スギ花粉に似ている構造のたんぱく質の食物の事は記事にはないようでしたが、この記事がヤフーヘッドラインに掲載された時に一般の方から投稿されたコメントによると、スギ花粉アレルギーの人はトマトでもアレルギーを起こす場合があるらしいです。我が子たちはトマトが大好きなので今夏もぱくぱく喜んで食べているのですが、今後、万が一という事もあるので食後の体調には気を付けていきたいです。

差し出がましい事ですが、もしお子さんが何かを食べた後で口の中がおかしいと言い出したならば、周囲の大人は「これは特定原材料でもないし、気のせいだろう」「食べたものが古かったのかな」などとやり過ごさず、体調不良の可能性も含めて心に留めておくと良いかと思います。「特定原材料」や「特定原材料に準ずるもの」は、特に発症者数や症状の重症度が高いものだからこそ定められたものでしかありません。ここに含まれない食物でもアレルギー反応を発症させる可能性はあるのです。
我が子がとある食品でアレルギーを発症した時には、本人が「口がピリピリする」と愁訴してきた際にすぐに口から出させたお陰で口の周り、喉の中、首、ひじの内側の湿疹とかゆみが2時間程度続いただけで済みました。数回咀嚼して吐き出しただけでこれなのですから、もし僅かでも飲み込んでしまっていたならば呼吸困難もあり得たと思っています。
私の父と妹は花粉症ですが、私自身にはアレルギーは何も出た事が無かったので、私にとってアレルギーはずっと他人事でした。妊娠してから離乳食のレシピ本で食物アレルギーの勉強をしておいたおかげで、我が子がアレルギーを発症した時にも割りと冷静に対応できたと思っていますが、それでも「このまま子どもが呼吸困難になったらどうしよう」と考えていたあの時間は生きた心地がしませんでした。我が子の身に起きてみないとアレルギーの深刻さは私にはこれ程のものとは理解できなかったのです。

その人が「何かおかしい」と訴えたならば、その身には本当に何かが起きているのだと思います。体調によっても食べた後の反応の仕方は変わるようですが、単なる好き嫌いだとは片付けない方が良いかも知れません。
特に教師の方は子どもの好き嫌いを克服させようなどと躍起にならず、アレルギーの可能性がある事も留意して、子どもが学舎で安全に過ごせるかどうかの方に目を配って頂きたいと思います。