xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

プチ空の巣症候群?

夏休みが終わりました。
上の子を幼稚園に送り、下の子と共に帰宅。夫は仕事に出ており、自宅には自分と未就園児の下の子の二人きり。

……あれ?
上の子が一学期の時にはこんな時、どう過ごしていたんだっけ?
私と下の子だけで何をすれば良いのかな?

下の子の希望のままに玩具を出して遊んでも、二人だけでは何だか味気ない。
下の子と一緒にお絵描きをしても2才児ゆえにクレヨンで殴り書きをしては紙を次々と消費するだけ。折り紙をすれば折り紙をぐしゃぐしゃに丸めるだけでどんどん消費する。夏休み中、下の子をお昼寝させている間に上の子と紙粘土で作ったドーナッツでお店屋さんごっこをしても、語彙の少ない下の子とでは店員と客の会話が成立しないので、物足りなくて私は楽しめない。

そうか、こんなにも私は上の子に依存していたのだなと気付かされました。

まだリモコンを思うように操作できない下の子が、テレビのチャンネルを変えて欲しいと台所にいる私にリモコンを渡そうとしてきた時には、上の子にやって貰おうとして私はつい上の子の名前を呼びそうになります。
下の子がして欲しいと私に要求してくる事を上の子に頼もうとする度に、上の子は幼稚園に行っているのだった、と気付いては寂しさが胸に押し寄せてきます。そして夏休み期間中は上の子にお願いしていたあれこれを全て母である私に下の子が頼んでくると、私は家事を止めなければならなくなるので面倒だなと思ってしまうのです。

上の子がひとりっ子だった時にはそのような事は感じませんでした。上の子が年中さん、下の子が1才児だった時にも、そうは思いませんでした。ところが上の子が年長になり、下の子が2才児になると、子どもたちはそれなりの事を自分たちだけで出来るようになってきたので私はしばらくぶりに子どもから手が離せ自分のやりたい事に集中して出来るようになり、おかげで時折それが中断される事に煩わしさを感じてしまうようになってしまったのです。


子どもの夏休み中ママさんは大変、という記事が夏休みの序盤や終盤にインターネットに溢れていましたが、専業主婦という名の無職の私にとっては、上の子の長期休みの間の方が何かと楽でした。
朝は時間に追われる事なく過ごせ、夜も翌日の事を考えて早く就寝させなければと焦る事もない。玩具でごっこ遊びが好きな上の子(娘)と、プラレールが大好きな下の子(息子)は外遊びよりもインドア遊びの方が好きなので、二人は一日中家の中にいてもストレスにはならないらしい。
私は私で下の子からのちょっとした頼み事は上の子にお任せ出来たので家事が殆ど中断されず、読書まで出来るほど自分の時間が取れました。
ところが上の子の夏休みが終わると、下の子の要求は全て私に向かってくるので、それが重たく感じてしまうのです。
そのくらい自分でやってと言いそうになる度に、ああ、2才児では無理だったなと思い出してから思い腰を上げる始末です。

上の子が幼稚園で不在なだけで、自分が何をしたら良いのか分からなくなる。今は下の子がいるのでその相手をすれば良い訳ですが、下の子が幼稚園に入園したあかつきには、幼稚園に送り届けて帰宅した時に私は本当に一人きりの自宅で何をすれば良いのでしょうか。

結婚を機に退職した私に、私の親戚がかつて言った言葉があります。
「一日中家にいて何してるの?」
その親戚は遠方に嫁いだ早々に独身の頃と同じ業種の仕事をお姑さんに用意され、三人分の産休育休を取得し、子育てをしながらずっと仕事を続けてきた女性でした。
それなりにやる事はあるよ、と言い返しましたが、いま思うと大人だけの生活でやる家事など数えるほどしかありませんでした。来年、下の子が幼稚園に入園したならば午前9時から午後2時まで私は自宅で一人きりになります。親戚の言葉ではありませんが、一日中独りで家にいて、本当に、何をしたら良いのでしょうか。
専業主婦でいられる収入が旦那さんにあっても、子どもが幼稚園に入園したならば再び働きに出る女性が現れるのは、より世帯収入を得たいという目的以外にも、寂しさを埋める目的もあるのではないかと思いました。

子どもが成長し、結婚や進学等で子どもが自宅を出ていくと精神状態が不安定になる女性が出てくるそうです。それは空の巣症候群(からのすしょうこうぐん、Empty nest syndrome)と呼ばれ、Wikipediaによると燃え尽き症候群五月病などとも似通った症状になるのだそうです。
自分の存在価値が揺らぎ、虚無感に襲われ、自分は社会に必要とされていないと感じる空の巣症候群は、子育てが生き甲斐だった女性に起こりやすいのだそうです。

元々働いていた私が専業主婦でいる今の状態を許容できるのは、子育てという免罪符があると思っているからです。新婚で働きだしても、すぐに妊娠してつわりで体調を崩したり産休になったりしては受け入れてくれた会社に申し訳ないと思って結婚後の新天地では就職活動はしませんでした。小さい子どもはよく体調を崩し、就業中に頻繁に保育園からお迎え要請を受けると聞いていたので、仕事に穴をあけ会社に迷惑をかけてしまうからと思い、これまで私は専業主婦を続けてきました。夫の休みは不規則なので、それに私が合わせるには無職のままでいた方が都合が良かった事もありました。
上の子が幼稚園に入園した最初の年度は、発熱で2週間ほど連続で幼稚園をお休みした事があります。他にも2~3日の連続病欠は何回かありました。下の子も入園したならばきっと、新しいウイルスと出会い、体調を崩す事もあるでしょう。しかし上の子は年中さんになると病欠日数はぐっと減り、年長になった現在は今のところ皆勤賞です。ならば下の子もそうなると予想されるので、いざという時に備えている手も少しずつ必要とはされなくなるでしょう。つまり、私が専業主婦でいる必要性は無くなるのです。

子どもたちを守り、支えていたつもりで、実際には私が子どもたちに支えられていたのです。
私は私の存在理由を、子育て以外にも見いださなければなりません。

母ではない「私」とは誰か。
下の子の入園説明会を前に、そのような事を思いました。