xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

あの幸福の日々が懐かしい

上の子の時は完全母乳を目指しましたが、しかし私の母乳の出なさにより混合を経て次第に完全ミルクに切り替えて育てました。下の子の時には妊娠後期にミルク缶を買い置きしておき産後の授乳に備えていましたが、今度は母乳がどんどん出たのでミルク缶は赤ちゃんのいる友人に貰ってもらい、我が子は母乳で育てました。

上の子を産んだ時には子どもはもっと欲しいと思っていましたが、下の子が産まれてからは子どもを産むのはこの子で最後だと思ったので、夫にあるお願いをしました。

私の胸はいじらないで!
この乳は息子の為の物なの!
息子に虫歯菌をうつさないで!

赤ちゃんに虫歯菌をうつらせないようにするには、箸の大人との共有は厳禁です。
つまり私の乳首の共有も厳禁なのです。
下の子を産んでから夫と性交する時には、私は夫が私の上半身の服に手をかける事を許しませんでした。

しかし下の子が授乳を必要としなくなって暫くしてから、夫からそろそろ良いかと訊かれる事に。
断る口実が無くなってしまったので数年ぶりに夫に私の胸を触る許可を出し愛撫されたのですが、



ものすごく気持ち悪かった!!!



やっている事は一見同じようでも、授乳と愛撫での乳首への吸い付きはこんなにも違うものなのだと愕然としました。

吸血鬼に噛まれているのに恍惚の表情を浮かべる女性の映画があったように思いますが、慣れてからの授乳の感覚はそれに似ていたように思います。母乳は元は血液だと考えれば、吸血鬼も赤子も同じなのかも知れません。
男性にも分かるように表現するならば、授乳で吸われている時の感覚は、乳房の中に溜まっている不愉快な何かを吸い出して貰える清々しい気持ちよさなのです。私は経験が無いので合っているかは分かりませんが、ひざに溜まった水を取り出す、皮膚を切開して溜まった膿を出した後の爽快感にも通じるかも知れません。それはどんなに吸われても何も出ない性交持の愛撫では、決して得られない快感なのです。

息子が授乳なしで寝てくれるまでに成長した今、夫への私の乳房へのおさわり禁止の良い建て前が思い浮かびません。
第一子の時には血豆が出来たり乳首が切れたりした為に歯をくいしばって行っていたあの授乳。傷口を容赦なく開かせつつ、私の魂、生命力を吸い尽くすような感覚だったあの悪夢のような苦痛の時間が、まさか第二子の時には心地よいマッサージに変わるとは思いもしませんでした。
きっと赤ちゃんにも吸い付きが上手、下手があり、第一子は下手くそで、第二子は上手に飲んでくれる子だったのかも知れません。また私自身の乳腺も第一子時の苦痛を乗り越えたお陰で開栓し、第二子の時にはスムーズに分泌されるようになったのかも知れません。
授乳がこんなにも心地よいものだと知ってしまった今、あの感覚がとても懐かしく、うっかり3人目の子が欲しくなってしまいました。今いる子どもたちの今後の生活の為に自制しますが、もうあの経験ができないと思うと寂しくて寂しくてなりません。



なお、授乳時の赤ちゃんの吸い方はストローを使うような「吸う」とは異なり、上あごの窪みに乳首をセットして舌で押し潰す方法で吸うらしいので、赤ちゃん以外には再現不可能なのです(上あごの窪みは成長と共に消えるらしい)。
おばあちゃんになってからシワシワ乳首を孫に吸わせようとする妖怪にだけはなりたくありませんが、そうしたくなる気持ちが理解できました。