xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

壁ではなく

「小1の壁」という言葉を多くの方が見聞きした事があろうかと思います。共働き家庭の子どもが保育園を卒園して小学校に入学すると、一般的な学童保育では保育園時代よりも子どもを預かってくれる時間が短い為、親はこれまでのような働き方が難しくなる、というものです。
私も様々なメディアで見聞きしてきたので「小1の壁」は既に社会に定着した言葉かと思いますが、今度は「小4の壁」という見慣れない言葉をネットで発見しました。


「小4の壁」「9歳の壁」どうやって乗り越えた?先輩ママ135人に聞いてみました
https://kufura.jp/family/childcare/110160

高学年の仲間入りをする小学校4年生は、6年間の小学校生活の中で、親と子にとっての“節目”が重なる時期であるようです。

(中略)

小学校4年生は、“自分”と”あの子”の差が少しずつ明確に見えてくる年頃。客観的な物の見方が少しずつ身についてくる一方で、劣等感を抱きやすくなる時期ともいわれ、「9歳の壁」と表現されることがあります。

と同時に、学力の難易度があがり、勉強に追いつけなくなる「小4ビハインド」、学童に通い続けられなくなる「小4の壁」といった言葉もあります。

つまり、子どもが9歳~10歳の頃は、子どもの情緒面や親子関係において、変化が訪れやすい時期だと言えます。

思えば子育てとは「壁」の連続のような気がします。不妊治療をしていれば妊娠するまでが大きな壁になるでしょうし、夜泣きで苦労をしている人にとっては「ここを乗り越えれば楽になる」と周囲からどんなにアドバイスを受けても、いま目の前で直面している子どもの夜泣きは高くそびえる壁に思えるでしょう。
過ぎた人にとってはただの階段ですが、当事者にとってはそそりたつ壁にしか思えず、そして「○○の壁」という言葉が出てくると、それらがまだまだ先の身にとっては「目の前の壁を乗り越えても、まだまだ先に新しい壁が続くのか」と恐怖におののいてしまいそうになります。
子どもの保育園決定通知書が届くまで続く保活(ほかつ)、子どもに合ったランドセルを選ぶラン活(らんかつ)など「○○活」という言葉もどんどん誕生し、幼児がいる身の自分には、あとどれくらい壁と活動が控えているのかと辟易してしまいます。

我が家の上の子はこの四月に小学生になりますが、先日、上にもお子さんがいる子どもの同級生のママさん(子どもが同じ小学校に入学する)からは「小学校は強烈な保護者も出てくるよ」と脅されました。公立小学校には様々な保育園、幼稚園、こども園の子が集まるので家庭の事情も子育ての方針も様々な保護者が集う為、参観日の立ち位置やPTA活動などなかなか大変だと言うのです。
また壁…(あと立ち位置って何だろう)

我が子の幼稚園での役員決めは、専業主婦の中でも未就園児のいない、妊娠もしていない、介護もしていない人の中から選ばれる事が通例となっていました。上のお子さんたちを何年も通わせてからの末子の入園で役員を引き受ける方々は既に園の方針にも慣れているので、行事の運営は私から見ると、とてもスマートでした。
また我が子の園はパパさんの送迎率が私の予想よりも高かったせいもあるのか、特定のママさんだけで長く話し込むような姿も見かけませんでした。上の子の入園前にはママ友付き合いへの不安がありましたが、いざ飛び込んでみると少なくとも私から見た限りでは保護者間トラブルなど無縁なように思えました。
穏やかな流れの中にたゆたうような保護者の付き合いしか経験していない私にとって、子どもがこれから同じ小学校に入学する事になるママさんのその言葉に未知の恐怖を味わいました。ネットの話ではなく、子どもがこれから通う小学校の先輩ママさんの体験談なのですから。あと数週間後、果たしてどのような激流が私を待っているのでしょうか。

いま赤ちゃん育児一人目、という方にとって、小学生のママになる私は幾つもの「壁」を越えた猛者に見えるかも知れません。しかし私には「壁」を乗り越えたという自覚は無く、気が付いたらここまで来ていた、というだけの認識です。
これからも私にはまた新たな「壁」が出現するのだろうと思いますが、これまでと同じように、乗り越えた後で「もしかしてあれが『壁』だったのだろうか」と首を捻る事もあるかも知れません。

壁、という言葉の印象が強烈なだけで、結局のところ子育てとは階段をひとつひとつ登るだけなのではないかと思うのです。次の段差が現れる度にいちいち「○○の壁」などという名称をつけて未経験者の不安を煽る事は止めて頂きたいなと思います。
「壁」ではなく「ステップ」。可能な限り、私は次のステップも楽しんでいきたいです。




というか、ランドセルを買うだけで「ラン活」だなんて仰々しい…