xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

立場が変われば

近頃メディアでは「コロナ離婚」という言葉が使われているようです。
新型コロナウイルスが切っ掛けとなった離婚の事を「コロナ離婚」と呼ぶようです。非常時だからこそ、互いの価値観の違いが顕著になる事で夫婦として今後も続けていく自信が無くなってしまい、離婚という選択肢が出てきてしまうのでしょう。
そんなコロナ離婚にまつわる記事を読んだ時に、引っ掛かるものがありました。


このままではコロナ離婚かも? 夫に憤りを覚える妻たちの生の声
https://serai.jp/living/392223

35歳女性:夫が自宅で仕事をするようになり、ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。私はリモートワークができない仕事なので、コロナ前と同様に出勤していて帰りも遅いです。せめて、食材の買い物や夕飯のしたくくらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。自宅にいても仕事をしていると分かっていますが、せめてお昼を食べた後の後片付けくらいできるでしょと思って、二人の生活にうんざりしています。

この場面を頭に思い描いた時に、これまでしばしば読んできた育児にまつわる夫婦のすれ違いのシチュエーションをふと思い出しました。この場面は、赤ちゃんのお世話を言い訳にして、ずっと自宅にいたくせに夕食を作っていない妻に苛立つ夫、と類似してはいないでしょうか。

仕事から疲れて男性が帰宅すると、自宅の中は洗濯物は畳まれていない、玩具は散らかしっぱなし。専業主婦、あるいは育児休業中で妻はずっと自宅にいた筈なのに台所のシンクには汚れた食器が残ったまま。掃除も行き届いていない。子どもの世話に追われて、自分は昼食も食べていないと妻は言う。あげく夕食が作れなかったからコンビニで買ってきて欲しいなどと、ぬかす。こっちは仕事で疲れているのに。そっちはずっと自宅にいたくせに。
乳幼児を育てた事のある人ならば、この妻の言い分はよく分かるかと思います。やった事のない人が「このくらいの家事は出来るだろう」と思う事も、乳幼児の気分や体調次第では出来ない日は出来ないものなのです。

「ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。」

「せめて、食材の買い物や夕飯のしたくくらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。」

「せめてお昼を食べた後の後片付けくらいできるでしょ」

夫がこのように妻の愚痴を匿名掲示板などに投稿した場合、投稿した先にもよりますが、私が見てきた限りではインターネット上では育児に理解のない夫側に非難の声が集まりがちです。

ひるがえって今回の記事の、コロナ離婚を考えているという女性の場合はいかがでしょうか。
自分はコロナ前と同様に出勤して帰宅は遅い時間になる。テレワークでずっと自宅に夫がいるのに、夫は掃除も食材の買い出しや夕飯の支度もしてくれない。せめて昼食後の片付けくらいして欲しいのに、それもしていない事にうんざりしている。

この妻はもしかしたら、テレワークが出来る程度の仕事ならば、片手間に家事も出来るのではないかと考えているのではないでしょうか。
この夫のテレワークがどのような物なのかは想像するしかありませんが、私が思うテレワークとは、公私の区切りがつけられず、気付いたら本来あるべき筈の休憩時間すらとれていなかった、という事もあるのではないでしょうか。
私の夫はしばしば自宅でもパソコン仕事を行います。すると夫は区切りが良い所まで進めなければ作業の手を止めず、私にお風呂を沸かしておいてと頼んでおきながら、お風呂が沸いてもパソコンの前から動かず、結果お湯が冷めてしまう事がよくありました。
アイディアが浮かんだ時にすぐに形にしておかないと忘れてしまう時などは、昼食後の食器を洗っている暇など無いでしょう。そのままタイピングする指が興に乗れば、食器を洗っていない事なども忘れてしまうのではないでしょうか。
これはしばしば多くの男性が家事を自分事として捉えていないという側面もあるのかも知れませんが、女性がマルチタスクと言われる反面、男性がシングルタスクと言われているような特性の差もあるのではないかと思うのです。
記事の夫婦の元々の家事分担はいか程だったのかは分かりません。もし、これまであまり家事を分担してこなかった夫がテレワークで在宅するようになったのであれば、仕事のペースも掴みきれていない中で新たなタスクに取りかかる事は困難を極めるのかも知れません。

仕事の内容によっては、ずっと在宅でも家事にまで手が回らない事がある。多くの女性は育児の時にその問題に直面し、時には配偶者から「この程度の家事も出来ないのか」と呆れられた人もいるでしょう。
ずっと家にいるとは言え、育児をしていれば家事は疎かになるように、仕事をしていれば家事にまで手が回らない事もあると思うのです。
記事の夫婦には子どもはいないようです。もし子どもがいたならば、妻である自分の方こそが
「ずっと自宅にいるのですが、食事の用意も掃除もまったくしてくれません。」
「せめて、食材の買い物や夕飯のしたくくらいしてくれてもいいのにと思ってしまいます。」
「せめてお昼を食べた後の後片付けくらいできるでしょ」
と言われ、離婚を考えられてしまっていたかも知れません。

NHKのドラマ「伝説のお母さん」では、夫婦でありながら「夫が仲間になった」のは最終話でした。婚姻届を出しただけでは本当の夫婦(仲間)にはなれないのだと、結婚歴十年未満の私はこのドラマで学んだように思います。
新型コロナウイルス感染拡大防止の為の自粛生活が続き、多くの方々が大なり小なり疲れてしまっているのは分かります。記事によれば、40代の方では46%がコロナ離婚を考えたことがあるそうです。せっかく縁があって夫婦になったのですから、離婚という結論を出す前に、相手の状況を一度考えてみても良いのではないかと愚考した次第です。