xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

彼女は、いつかの私

私がこの保育士でも、目的を果たす為には、結果を知らずに使ったかも知れないなとニュースを見ながら戦慄した覚えがあります。2019年6月に京都の認可保育園で発生した一件の続報を目にしました。


園児やけどで捜査書類送付、京都 メラミンスポンジでこする
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020052201001329.html

 京都市右京区の認可保育園で昨年6月、男児(3)の頬を研磨作用のあるメラミンスポンジでこすってやけどをさせたとして、京都府警が元保育士の女性を業務上過失傷害容疑で捜査した結果の書類を京都地検に送っていたことが22日、府警への取材で分かった。

顔に付いたペンの汚れが落ちなかったので、この「汚れが良く落ちるスポンジ」を使おう。だってこのスポンジは、軽く擦るだけで洗面所がピカピカになる程の洗浄力なのだから。
この事件の容疑者はきっと、その程度の認識だったのではないかと思うのは、実を言えば私もメラミンスポンジの特性をよく知っていなかった為です。

子どもがお絵描きをしていれば、誤って手や身体のあちこちにインクがつく事はあると思います。我が子も先日、牛乳パックに絵を描きたいからと言うので油性ペンを使わせた所、ペンを持たない方の手にもお絵描きをしていました。手に書いた物はどうせ何日かすれば落ちるからと気にはしませんでしたが、責任感ある保育士ならば、付いたインクを落とそうと躍起になるのではないでしょうか。
私が小学生だった頃、隣のクラスの男子が腕の内側にタトゥーシールを貼って学校に来た事がありました。水でシールを濡らして、肌に貼り付けると模様が肌に転写されるという物です。彼はとても自慢気で、色々な子に見せていました。
そのタトゥーシールを見咎めた男子の担任の先生である中年の女性は、その男子児童を手洗い場に引っ張って行き、寒い季節でありながら流水とタワシでタトゥーシールを落とそうとしました。子どもの皮膚を亀の子タワシで擦っていればどうなるか、想像は容易いかと思います。
タトゥーシールを貼り付けてきた男子児童の腕は真っ赤になり、所々から出血もしていました。私が子どもの頃は教師が児童を叩く程度の事は教育的指導だと容認されていた時代でもありましたので、保護者が学校にクレームをつけたとは、ついぞ聞きませんでした。
「将来、刺青をするような人になるかも知れないから」
そんな事を先生は言っていたような気がします。どこかの国では合法とされている大麻が日本では禁止なのは、それがより依存度や危険性の高い薬のゲートウェイドラッグになるからだと聞いた事があります。この件はたかがタトゥーシールですが、そうした事をあの時の先生は危惧したのでしょう。やり過ぎの感は否めませんが、きっと、児童を正しく導かなければならないという使命感がそうさせたのだろうと私は思っています。

子どもを朝と同じ状態で保護者に引き渡さなければならないと思う責任感と、メラミンスポンジを「汚れが良く落ちるスポンジ」としか認識していなければ、きっと私がこの保育士でも子どもの肌にメラミンスポンジを使ったのではないかと思います。
道具は使い方を知っているだけでは足りない事がある。その道具がどのような特性で効果を発揮するのかも知らなければ、悪気は無くても過失傷害になり得る。普段は子煩悩でも、抱っこの時に手を滑らせて赤ちゃんを床に落とせば、こちらもやはり虐待と過失傷害の容疑がかけられるでしょう。
以前、除光液を赤ちゃんの近くで使うと除光液の成分が気体となり、それが空気よりも重い為に下に溜まり、その気体を吸った赤ちゃんが危険な状態になるという話を聞いた事があります。便利な道具でも、機能だけを見ていては電子レンジに洗った猫を入れかねない。
何気無い事でも、これをしたら結果はどうなるかを意識しなければならないなと改めて思いました。道具は使いようです。




我が子の通う幼稚園では、先生がご褒美だと言っては子どもの手の甲に花丸や動物のイラスト等を描いてくれます。
ちゃんと保護者は子どもをお風呂に入れてやっているかの確認かなと私はひそかに思っているのですが、穿ち過ぎでしょうか。
子どもは折角の花丸だからと残そうとするので、子どもが自分で書いた肌への落書きも、それで私は気にしなくなった気がします。
…あれ、うちの子の先生、流石プロだ。