xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

長子の話

「俺は長男だから我慢できたけど
 次男だったら我慢できなかった」

週刊少年ジャンプで連載していた吾峠呼世晴鬼滅の刃」(集英社)は、上記のセリフが何かとネタになっているのではないかと個人的に思っています。
2020年4月28日にTBS「この差って何ですか? ~★お気楽末っ子芸能人・加藤浩次ミキ指原カミナリVS長子川田爆笑トーク~」 が放送されたかと思ったら、その数日後の5月2日にはEテレ「すくすく子育て」で「きょうだい育ての悩み」がテーマになるなど、何だかきょうだいにまつわる話をこの期間はやけに多く触れた印象です(「すくすく子育て」は2019年10月19日放送の再放送のようですが)。

我が家の子どもは上が小学生の女の子、下が幼稚園の男の子という二人きょうだいです。きょうだい育児の場合は上の子を優先に、としばしば言われています。上の子と三学年差で下の子を産んでからは私もそのつもりで上の子と接しようとしましたが、いかんせん乳児が相手ではどうしてもお世話の手がかかり、下の子のお昼寝の寝かしつけの間の時など、上の子には一人でテレビを観ている時間がかなり多い幼児期を過ごさせてしまいました。そうした結果のせいなのか下の子は末っ子らしくのびのびと朗らかに、上の子は生真面目で甘え下手に育ったような印象です。
三学年差で子どもたちを出産した事もあり、下の子が生まれた途端に上の子は幼稚園に入園しました。そして上の子が幼稚園児だった三年間は、上の子を登園させた後の私は下の子とずっと一緒に過ごしました。上の子の幼稚園送迎の時も下の子は私と一緒だったので、上の子が私に甘える隙は無かった事が気がかりでした。
私は長子では無いので想像するしか無いのですが、世の中の長子の方々は、きっと本当に、幼児期に色々な事を我慢してきたのだろうなと思うのです。

長子の性格の特徴として、TBS「この差って何ですか?」という番組では「生真面目で責任感が強い」と説明していました。実際に我が家の上の子も物事に対して「~しなければならない」と考える傾向が強いように感じます。長子は「兄弟のお手本として、自分が弟や妹に示しをつけなければならない」という気持ちが働くのだと番組で説明がありました。生真面目な所は上の子の個性によるものかなと思っていましたが、どうやら長子として生まれた方の多くはそうした傾向の性格になってしまうようです。
番組では「お兄ちゃんなんだから」と親からも期待されるからこそ、そうした性格に長子はなるのだと解説がありました。私がこれまで読んできたママさん方の声をまとめたサイトでは「自分が言われて嫌だったので、自分の子には『お姉ちゃんなんだから』とは絶対に言わない」というものがありました。たまたま生まれ順によって「お姉ちゃん」にさせられただけで、仮にひとりっ子であったならばそう呼ばれる機会は殆ど無いのに、不可抗力で「お姉ちゃん」になってしまった上の子にその役目を強要する事は不憫であろうと、私も上の子に「お姉ちゃんなんだから」とは言った事はありません。口で言った事は無いのですが、上の子は私が下の子を寝かし付けている間の独りでのテレビ視聴中、きっとずっと、「私はお姉ちゃんなんだから、お母さんに甘える事は我慢しなければならない」と思っていたのかも知れません。また、そのように上の子が考えるよう私が振る舞ってしまったのではないかと思います。

そんな上の子は、このコロナ対策での休校中、やけに素直に勉強をしました。幼稚園児にまで成長した下の子は今や一人でも安全に遊べるので、自宅内では大人が常に様子を見ていなくても良くなりました。それに対し上の子は学校の課題の内容をまだ学校では習っていなかったようで、親が見てやらなければなりませんでした。自分がドリルを広げれば私が下の子よりも自分を優先すると気付いたようで、上の子の課題はトントン拍子に進みました。
何とも切ない上の子なりの気の引き様ではありますが、そう育ててしまった自分としては、精一杯受け止めてやろうと思いました。

TBS「この差って何ですか?」という番組では、長子は「お兄ちゃんなんだから、ちゃんとしなさい、我慢しなさい」と言われる事で「しっかりした性格」になると解説していました。我が家の上の子も「しっかりした性格」に育ち、それ故に失敗をとても怖がる子になりました。
緊急事態宣言が解除となり、学校が再開となりました。先日、上の子は授業で失敗したらどうしようと先回りして心配していました。もしかしたら、このまま家庭学習の方が性に合う子なのかも知れません。
時折、この子は長子として生まれなければ、どんな性格の女の子になっていたのだろうかと考えます。もし我が子たちの生まれ順が逆になっていたならば、上の子はドリルなど開かずとも私に自由に甘えて来れる子になっていたのかも知れません。それとも、子どもたちの性格が生まれ順、ひいては私の育て方に起因しているのであれば、今度は今の下の子に対して同じように悩んでいたのでしょうか。

長い休校に疲れた方々も多いかと思います。しかし、我が家にとっては上の子と私の濃密な時間がとれて有意義な期間となりました。でも次の長期休業の時には勉強以外の事で二人の時間をとってやりたいと思います。