xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

安全日なんてない

スウェーデンの避妊アプリNatural CyclesをFDAが承認、ただし完璧な避妊方法は存在しない

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00090418-techcrj-sci

このような記事を見つけました。

要約すると、デジタル避妊法と言うべきスウェーデンのアプリ「Natural Cycles」がアメリカで認可された。
それはユーザーの体温や生理の周期などを計算し、受胎しやすい期間を算出するアプリで、女性はその日には行為をしないようにするか、または避妊具を使用する目安にするのだそう。


「安全日」「危険日」という表現を私は小学生の頃に友人たちと読んだ成人誌で覚えました。
行為の最中に女性側が
「今日…安全日だから」と嬉し恥ずかしそうに言ったり
「危険日なのにぃぃーーー!!!!」と絶望的な表情で泣きながら言ったりし、子供心にそうか、妊娠はしやすい日と、そうでない日というものがあるのだと覚えました。
そして時が経ち結婚してからふとこの言葉を思い出し、今はあの頃とは意味が逆だなと人生の妙にしみじみと感じ入ったのです。
妊娠したくない人にとっては妊娠しにくい日の事を「安全日」と呼びますが、
結婚後は早く子どもが欲しかった私には、妊娠しやすい期間こそが「安全日(というか実行日)」でした。
そして私が妊娠しにくい期間は夫の精子を無駄遣いしては「危険な日」という認識となりました。
(男性は都度生産できても、妊娠成功には濃度の問題もあるようなので)


妊娠しようと活動する事を「妊活」と呼び、芸能人が堂々と子作り宣言をする。排卵検査薬のCMをテレビで目撃した時には、時代は進んだと衝撃を受けました。

妊娠検査薬は薬局の棚に普通に陳列されて誰でも買えるのに、排卵検査薬は氏名と住所、生年月日を書かされてからようやく奥から出して貰えた代物だったので知る人ぞ知る、どこか秘密めいた印象だったのに、今ではテレビで普通に目にする商品になってしまった。

それどころか妊娠についてもインターネットの広告で「排卵日を狙っているのに妊娠しない…そんな時は」といった広告を目にするようになり、
妊娠=避けたいもの
ではなく
妊娠=希望してもなかなか成就できないもの
というものに社会のイメージが変わったように思います。

妊娠を望まない年代の時には妊娠がしやすく、子どもを望んでいる30代以降は妊娠がしにくくなるというのも皮肉めいたものを感じます。

TBSで放送されたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」にて主人公が「高校生で出産すれば良い」と提案した場面がありました。視聴当時、第一子の育児中だった自分は原作者の慧眼に非常に感服しました。
学校の中に託児所を作り、休み時間に授乳する。保健医が育児の指導を行ない、発育相談にのる。家庭科でベビー服を作れば本気で技術を修得しようと授業に身が入るし、調理実習で離乳食や幼児食の作り方を教わればいずれ必ず役に立つ。赤ちゃんが小さいうちにしか使わないベビー用品を学校の備品にし、必要な人が図書室の本を借りるように借りていけば無駄もないし、それで気に入れば自分たちで新品を購入すれば良い。高校生の若さがあれば徹夜も平気で乗りきれる。何より、この時に自分が妊娠し難い体質だと知る事が出来れば、不妊治療に早期から取り組む事が出来る。
高校生の年代なら妊娠もしやすく、卵子が若いおかげで子どもの障害の割合も今より少なくなるかも知れない。なんと画期的な社会システムだろうかと感動しました。
収入がない高校生の出産なので出産・育児費用は税金から出すとしても、問題は女を「産む機械」と見なす人たちがより一層多くなりそうな事と、男女の出会いの場が学校環境にばかり片寄ってしまう事、何より夫側がどこまで育児に協力できるかですが…


不妊治療の大変さの一方で、望まない妊娠に苦しむ人もいる。
若くて妊娠すれば何事かと近所でささやかれ、子どもの間隔が開けば避妊の失敗かとネタにされる。高齢出産になれば母体の危険性が増し、障害をもった子どもの確率も上がると言われる。
危険日だの安全日だのと言わずに、誰もが望む時に望んだ数だけ子どもを持てれば良いのに。

今では性的コンテンツは数多進化し、人類にとって娯楽の1つにもなった。夫は、行為はコミュニケーションだと言う。しかし私にとってそれは子作り作業であるという印象がとても強いので、子どもを望まないならする必要はないと思っています。

子孫繁栄しにくい生き物は絶滅してしまうので、人間の身体はどうあっても妊娠しやすいように出来ているのです。
アプリを使って「安全日」などと過信せず、生命の神秘ときちんと向き合うべきなのではと、冒頭の記事を読んで思いました。



あと避妊具は避妊の為だけでなく感染症予防に効果的なので子作り時以外は着けるべきだと思います。
というか名称を避妊具ではなく安全具とかに変えればイメージが変わるのでは。
排卵周期を整えるピルも経口避妊薬ではなくホルモン安定剤とかにすれば印象がだいぶ変わるのに。