xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

仕方ないとはいえ

不慮の事故でも児相に即、通報! 無実の“虐待親”を生み出す恐怖のシステム

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180927-00013393-jprime-soci

今年8月には、こんなケースが。夕方帰宅した夫が妻と会話をしている隙に、生後11か月の赤ちゃんがソファから転落し嘔吐。夫婦は急いで救急車を呼んだ。

 前出・藤原医師が、その後の経緯を伝える。

「急性硬膜下血腫と眼底出血が認められ、診断をした医師は児相に通告したのです。落下事故の3日後から、乳児の収容先も知らされず、面会謝絶状態の『一時保護』に。児相からの書類には、『児童の養育状況、監護状況を調査確認する必要があるため』とだけ書かれていました。

 14日後の判定会議の結果、“自宅に帰す方針”と告げられたが、やっとわが子に会えたのはその1週間後で、面会はたった1時間。一時保護から18日もたっていました。自宅に戻れたのはその3日後、事故から24日目でした」

 当時の心境を、母親がコメントで寄せてくれた。

「私の不注意でもあるため医者が疑い、児相に調べられるのは仕方ないが、何が問題だったのか明確にしてほしい。ただの疑いでしかないのに行政処分(一時保護)は、強権的で長すぎる。『親子分離』をされたときは、子どもが親のことを忘れないか心配でした。『面会謝絶』は、親に対する刑罰のような仕打ちです。

 乳児院へ移った際には『熱が出た』と連絡をもらったが、問題が起こったら児相が責任をとってくれるのでしょうか。自宅に子どもが戻ったときも、なんの説明や謝罪もなく、疑いは晴れたのかもわからず今も家庭訪問をされています」


虐待死事件が起きる度に「ちゃんと仕事しろ」と世論から叩かれる児童相談所
この記事を読んだ最初の感想は「児相もやる事はやっているのだなぁ、でも頑張る所が違くない?」でした。

子どもの虐待対応の手引きには
「硬膜下血腫を負った乳幼児が受診した場合は、必ず乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)を第一に考えなければならない」
と記されているのだそう。

更に児童福祉法25条にて
「被虐待児を診断した場合には児童相談所(以下、児相)に通告する義務がある」
と医師がとるべき対応を規定しているとの事。

それゆえに冒頭の記事の例のように不注意で転落した赤ちゃんが親元から引き離されてしまった訳ですが、虐待は濡れ衣だというのに自宅に赤ちゃんを連れて帰れたのは何と24日後。しかもその後も家庭訪問が続いているという。

これが自分の身に起きたらと思うとゾッとします。つかまり立ちを始めた頃の赤ちゃんは、ふとした拍子に受け身も取れずに後頭部から落ちます。たまたま我が子は泣くだけで済んできましたが、上手に歩けるようになるまで何度も何度も転んでは床に頭を打ってきました。それで脳に損傷が出来ていた場合、私たち夫婦も記事のような境遇にさらされていたのかと思うと本当に恐ろしい。しかもその後も家庭訪問が続くとなれば、近所から「あの家は子どもを虐待したのだ、だって児相が来ているのだもの」という目で見られます。それは赤ちゃんの転落という、親の不注意への罰としては相当なものです。

しかし子どもの転落が一瞬なら、暴力も一瞬の間に起こります。その一瞬の暴力で子どもの生命が奪われる事もある。
家庭内の出来事は第三者には見えない。だからこそ乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)の可能性のある損傷が見られた赤ちゃんは一律保護するしかないのだとは頭ではわかっています。
厄介なのは虐待をしている親も、その事実を隠そうと「自分は子どもを愛している、早く子どもを返して欲しい」と訴える事です。どの親の子が不注意で、どの親の子が暴力で硬膜下血腫になったかは第三者には簡単には判断がつかない。
大丈夫だと判断して家庭に子どもを帰したその日のうちに、決定的な暴力で子どもは命を奪われる可能性もあるのですから。

児童相談所の仕事は、数多の濡れ衣の中から本当の虐待を見つけ出す事なのだろうと思います。たった1つの虐待を見落とせば世論から「ちゃんと仕事しろ」と叩かれるのですから、濡れ衣を承知で子どもを保護するしかないのでしょう。

私にとって児童相談所とは別世界の機関で、もし訪問してきたらと思うと恐ろしい存在です。「相談所」という名称から育児に困ったら相談をしに行って良い機関なのだろうとは思うのですが、普通の生活をしている分には無縁の場所です。妊婦健診にも出生届提出にも子どもの健診にも保育施設申し込みにも「児童相談所」は関わって来ません。子どもを泣かせていたら、ある日突然やってきて子どもを奪っていく機関。私にはそういう印象です。

Wikipediaによると児童相談所の受ける「相談」の種類は下記の5つに大別されるそう。

・養護相談
 父母の家出、死亡、離婚、入院などによる養育困難、被虐待児など

・保健相談
 未熟児、虚弱児、小児喘息など

・心身障害相談
 障害児、発達障害、重度の心身障害など

・非行相談
 虚言、家出、浪費癖、性的な逸脱、触法行為など

・育成相談
 性格や行動、不登校

出来れば一生無縁でいたい機関です。だからこそ、そのような機関が自宅に訪問してきたらと思うだけで恐ろしく、児童相談所に通報されないよう赤ちゃんを泣かせてはならないと産後すぐの母親は神経過敏になり、ストレスを溜めるのではないかと思うのです。

いっそ保健師児童相談所に所属するものとし、子どもに関わる全ての健診を役所ではなく児童相談所が担当すれば良いのに。そうすれば児童相談所は身近な存在になり、仮に訪問してきたとしても私の住んでいる自治体であったような保健師による新生児訪問なのかしら、と近所の人も家庭訪問に特別な興味を抱かないのではないかと思います。
保育園や幼稚園の入園申し込みや一時保育の申し込み窓口は児童相談所にし、児童相談所が各園に空き状況を問い合わせてマッチングすれば良い。現状、虐待の疑いのある乳児を保護している機関なのですから、いっそ病児保育を引き受けてくれる機関にもなって欲しい。
役所の子どもに関わる課の業務は児童相談所が担当すれば、健診の受診状況、予防接種の受診率、病院にかかった回数と内容、どの園に子どもを預けているかがすぐに分かり、より早く虐待の芽に気付けるのではと思うのです。

現行のシステムでは虐待と不注意の違いが見えず、冒頭の記事の例のように無実でありながら何日も親子分離されるおそれがあります。
虐待死を防ぐためには仕方の無い事だとはいえ、もう少し、訪問される側が負担にならないよう、育児をする者にとって身近な機関になって頂きたいと思いました。