xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

殺したくなかった親心を理解して

2018年11月24日、福島県の病院の前に乳児が置き去りにされました。警察は保護責任者遺棄の疑いで遺棄した人物の捜査をしているそうです。

病院に乳児置き去り 健康状態に問題なし
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181125-00010007-houdoukvq-soci


赤ちゃんを遺棄した人物が赤ちゃんの母親だった場合、その女性はどういう気持ちだったのだろうかと考えると、その人が今後は犯罪者として追われる身となった事をとても哀しく思います。
殺したくなかったから病院の入口に赤ちゃんを置き、病院に保護を求めたというのに、それはこの社会では罪なのだという。ならば赤ちゃんを殺せば良かったというのか。

赤ちゃんを授かっても育てられない事情のある女性は少なくありません。出産した事を知られたくない人もいるでしょう。女性は産む性であるが為に性行為に同意があろうと無かろうと最終的な責任をとらされる立場となります。だからこそいわゆる援助交際パパ活)をする女性は逮捕まではされない訳ですが、妊娠し中絶すれば身体に負担を強いられ、出産すればたちまち人ひとりの人生を背負うほどの重責を担わなくてはならなくなります。
男性はその責任から逃れる事も可能だというのに、女性ばかりが保護責任者遺棄として罪に問われる。
出産しても育てられない事情がある。
自分に子どもがいる事を知られてはならない事情がある。
だから病院に助けを求めた。
病院ならばきっと赤ちゃんを助けて貰える。
病院から速やかに適切な機関に連絡が行き、適切な世話を受け、自分の元で育つよりもきちんとした環境で子どもは成育をさせて貰えるだろう。
そう願う事は罪なのでしょうか。

子どもを殺したくない。
子どもには生きていて欲しい。
子どもが適切な世話を受ける事を願う。
それはまごうことなき「親心」なのではないでしょうか。

発見された時に男児は水色のベビー服を着て毛布にくるまれていたそうです。男の子らしくベビー服は水色で、発見されるまでに低体温症にならないよう毛布でくるむ。
保護責任を完全に放棄するならば、その人は赤ちゃんを丸裸で人気のない場所に放置する事も出来たし、川に投げ捨てる事だって出来たのです。もちろん殺害して可燃ごみに混ぜる事も。
きちんと男児らしいベビー服を着せ毛布にくるみ、誰かに気付いて貰いやすく、かつ直ちに適切な処置を施して貰えるであろう総合病院の入口に赤ちゃんを置く。どうかこのせめてもの親心を汲み取って欲しいと切に願います。

赤ちゃんポストを非難する人もいるかと思いますが、私は設置に賛成です。もし全ての都道府県、あるいは市単位で赤ちゃんポストが設置されていたならば、どれだけの赤ちゃんが成長できていられたでしょうか。
嬰児殺しの理由の大半は親となった人物に赤ちゃんを育てる環境を用意出来ない事かと思います(自分が親にはなりたくないから、という理由も「環境」に含んで良いと思います)。しかし赤ちゃんポストが各地にあれば、そうした事件は無くなるかも知れないのです。
赤ちゃんポストを設置する事で、育児が適切に行えない場合は公的機関に助けを求める事へのハードルが今よりも和らぐのであれば、もしかしたら乳幼児の虐待事件もその数を減らせるかも知れません。

妊娠は女性ひとりで出来るものではありません。そこには必ず男性の存在があります。もし冒頭の事件で乳児を遺棄した人物が乳児の母親で、その女性に子どもを育てられない事が事件の原因であったにも関わらず、その女性ばかりが保護責任者遺棄の罪に問われるのならば、それはおかしいだろうと私は言いたいです。
性行為の結果は必ず女性にばかり重く残りますが、そもそも男性が射精をしなければ女性はまず妊娠しないのです。排卵は健康な若い女性には停める事は出来ませんが、膣内射精は余程の事がなければ男性には止められると夫が申しておりました。膣から男性器を引き抜けば良いだけだからと。

コンドームの更なる普及、アフターピルの入手方法の緩和。それでも望まない妊娠、赤ちゃんの遺棄は無くならないかも知れません。
性行為を行えば女性には妊娠という結果が残る。ならば男性にはDNAという結果が残るよう、男性の遺伝子の登録を行えば良い。
パートナーが妊娠した時に、男性には「本当に自分の子だろうか」という不安があると聞きます。それは女性には妊娠という目に見える証が残るのに対し、男性には調べなければ確たる証が無い為です。
現在では子どものDNA鑑定は随分安価になったと聞きます。しかしDNA鑑定は何か特別な事情がない限り行う機会はありません。
男性のDNAを登録しておき、赤ちゃんが産まれたなら産院は出生後の検査の一環で父親の情報を照会する。そうすれば父親となった男性は安心して赤ちゃんを我が子だと認められ、他の男性の子を夫に育てさせる托卵などという不義を働く女性もいなくなるでしょう。

今回の乳児の遺棄事件、遺棄した人物が赤ちゃんの母親で、その母親が罪に問われるならば、男性にも父親としてその責任を負って欲しい。
性行為は子どもを授かる作業。父親の務めを果す事が性行為の責任なのだと男性に受け止めて頂きたいです。