xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

せいりとカレンダーの話

下記の記事を読んだ時に私が思い出したのは、「戦争は女の顔をしていない」作画 小梅けいと、原作 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、監修 速水螺旋人(私が読んだのはコミカライズ版)の、支給される衣類は男性用しかない為、従軍した女性は男性用下着を着用するしかなかった、それゆえ生理中の経血は行軍中も垂れ流すしかなかった、という場面です。女性も戦闘に参加していた事にまず驚きましたが、支給される下着が男性用なので流れ出る経血をどうする事も出来なかったという場面に私は胸が苦しくなりました。ズボンや地面に落ちた女性たちの血液に見ないふりをする男性たちの表情にも哀しくなりました。
私たちの社会は男性基準で造られている。「戦争は女の顔をしていない」は、それを突きつけてくる作品でした。

日本に暮らす私には戦争は遠い出来事ですが、しかし似たような扱いを受けている女性は未だ多いのではないかと思います。その一例が女性アスリートなのではないでしょうか。女性の身体には月経期、排卵前期、排卵開始から月経前症状が出る間の時期、月経前期というフェーズがあり、フェーズによってコンディションが変化する事があります。私が初めてそれらを意識したのは10代の頃に読んだ女性誌のダイエット特集で、女性には体重を落としやすい時期と、落ちにくい時期がある事をその時に知りました。
この度、世界初の試みとして、各選手の生理周期に合わせたトレーニングを行っているチームがある事が明かになりました。


女子サッカーで世界初、生理周期に合わせてトレーニン
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2020/02/post-337.php

女子サッカープレミア・リーグ2位のチェルシーはこのほど、各選手の生理周期に合わせたトレーニングを行っていることを明らかにした。サッカーチームとして世界初の試みとなる。生理周期を考慮することで、パフォーマンスを上げ、負傷のリスクを下げることができるという。

(中略)

ヘイズ監督は英テレグラフ紙に対し、女子サッカー選手は長い間、男子サッカー選手と身体的に同じように扱われてきたと指摘。しかし女子選手の場合、生理がパフォーマンスに与える影響を考慮する必要があるため、生理についてもっと理解し、いかにしてパフォーマンスを向上できるかを考えなくてはいけない、と説明している。

実は私の夫は、毎月○日になったら私の生理が始まると思っていたようです。生理周期が30日の人であればそういう事もあるかと思いますが、生憎と私の生理周期は24~28あたりなので、カレンダーをめくらないうちに次の生理が始まり、夫に驚かれる時もあります。現在使用されているカレンダーは太陽の周期で決めたものであって、太陰暦を使用すればカレンダーは変わります。ましてや女性には一人ひとり体内カレンダーがあり、それが太陽暦と合致する訳ではないという事が男性には分かりにくいようです。

女性アスリートの方々はきっとピルなどを駆使して大会の日程に合わせて生理をコントロールしているのではないかと思いますが、それでも練習中には様々な障りがあるのではないかと思うのです。この度明らかになったチェルシーの生理周期を考慮したトレーニング方法は画期的だなと感動すらしました。

チェルシーによると、生理周期には4つのフェーズ(月経期、排卵前期、排卵開始から月経前症状が出る間の時期、月経前期)があり、どのフェーズにいるかによって選手の体調にはさまざまな影響が出る。フェーズ1とフェーズ4のときには体の動きが鈍る可能性が高まり、フェーズ1とフェーズ2にはけがのリスクが高まる。そしてフェーズ3とフェーズ4のときにはジャンクフードが食べたくなるため、体重が変わる可能性もあるという。

女性はホルモンに左右される。世界には男性だけでなく女性もいるのですから、こうした事実を男性にもっと理解して貰えれば良いなと思いました。