xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

給食が苦手な子の話

実を言うと日本テレビのドラマ「美食探偵 明智五郎」第五話の初視聴時、その内容に私は具合が悪くなりました。
アレルギーのある児童が教師より「あなたの場合は単なる好き嫌い」と言われ、クラスの雰囲気は「その子はイジっても良い」となっている中、アレルギーのある子が背中にアレルゲンの食品を入れられてしまう。重度のアレルギー持ちであった児童はアレルゲンが肌に触れた事で皮膚に炎症が起き息が苦しくなり倒れ、学校の関係者ではない大人によって助けられ、救急車で運ばれるのです。
その児童は乳製品アレルギー。ランドセルを背負っていた時に背中にチーズを入れられた為、アレルゲンを肌から離すのが遅れてしまったのでした。

もしこのイジメが校内で起きた出来事であったならば、救急車の要請はもっと遅れていたのかも知れません。
私の子どもも食物アレルギーがある為、我が子も学校でこのようなイジメを受けたらと想像すると、私は動悸が激しくなりテレビ画面を直視できなくなってしまいました。もし我が子の担任教師もドラマのようにアレルギーに理解のない大人であったなら。もし我が子も同級生から無理矢理アレルゲンを押し付けられるような事があったなら。
我が子が入園、入学で手が離れ、傍で守れなくなった事に不安を感じている親御さんもいらっしゃるかと思います。私の場合は小学一年生になった上の子の担任の先生の声をこれまでに聞いたのは入学式の日とコロナ休校中に課題を自宅まで先生が届けに来て下さった時、そして家庭訪問の三回。幼稚園の先生とは登園と降園の度にお会いできたのに対し、小学校の担任の先生とはドラマ視聴時には未だ一回しかお会い出来ていなかったので、まだまだ自分は不安がっているのだとドラマを観て自覚しました(ドラマ放送は2020年5月10日、コロナ休校真っ最中でした)。ドラマの教師と我が子の担任の先生のどちらもが女性で、年齢もさほど変わらなかったせいもあるのかも知れません。

子どもの学校生活の中で私が最も不安な事は給食です。食物アレルギーがあり、食べるのが遅く、少食な我が子は幼稚園時代から給食が苦手なようでした。同じように、給食に不安を感じている子は少なくない事を下記の記事を読んで知りました。そして、その為の対策が記事にありました。


ようやく給食再開…でも「食べられない」子ども増加、保護者はどうすべきか
https://otonanswer.jp/post/68348

筆者がおすすめしているのが「わが子の食の説明書」を作って担任の先生にお渡しすることです。
例えば、「うちの子は“無理しないでね”と言われると安心して食べられることが多く、“全部食べなさい!”とプレッシャーをかけられると、食べること自体がおっくうになり、食べられなくなってしまうみたいです」というように、子どもの食について文章で説明するのです。このような内容をプリント1枚にまとめて、先生にお渡しすることをおすすめしています。

我が子の小学校では就学時健康診断の際にアレルギーのある子の保護者は養護教諭と個別に面談がありました。我が子のアレルゲンが給食に使われる事はまず無いので、その点は安心なのですが、アレルギーの検査結果を提出したおかげか学校からは他の児童と同じ毎月の白黒印刷の献立表だけでなく、内容は同じで「○○を使う日はありません」と一筆が入ったカラーの献立表が配付されてきます。きっと、他のアレルギー持ちの児童に対しても同じようにきちんと対応して下さっているのだろうと思います。
更に入学式の日には先生に知っておいて貰いたい事を記入した用紙の提出があったので、アレルギーの事以外にも、幼稚園では最初から他の子の半分の量の給食が我が子には出されていた事を記入して提出しました。
我が子から聞いた話によると、担任の先生も沢山食べられず、給食が苦手な子どもだったそうです。家庭訪問の際には自ら私にその話をして下さり、給食は残しても良い、無理矢理食べさせる事はしないとおっしゃいました。そのおかげか、あるいはもっと苦手なものとして算数が登場したので、我が子は給食への苦手意識は薄まったようです。「牛乳以外は全部食べてきた!」と笑顔で帰宅して来る我が子を見ると、担任の先生への信頼感が増してきました。今なら録画した「美食探偵」第五話を観ても座った姿勢を維持できそうです(初視聴時は床に崩れた)。

しかし、学年が上がった時などに我が子の担任の先生が変わり、担任教師の給食へのスタンスが変わったならば。入学時に提出したような「先生に知っておいて貰いたい事」の用紙の提出は学年が上がる度に提出できるのか。記事を参考に我が子だけ「食の説明書」を提出したならば、面倒くさい保護者だと思われはしないか。ドラマのようにその雰囲気がクラスに広まり、我が子がイジメの標的になりはしないか…
自分の事ならば気にしなかったのに、我が子の事になると何故こんなにも心配が尽きないのか。給食は素晴らしい文化だと思うのに。食事は人生で大切な営みだというのに、それで苦痛を感じる人がいるだなんて。

子どもたちはストレスから給食が食べられなくなっていると記事にありました。大人もストレス次第で食欲が変わるのですから、子どもが適応できなくなるのも当然です。そのやわらかい心をどう守り、導いていけば良いのか。
記事にある「わが子の食の説明書」も、伝え方次第で先生の印象は変わるのかも知れません。ならば私が今後磨かなければならないのは物事にきちんと対応できる保護者力なのかなと、「美食探偵」第五話で子どものクラスメイトの皆にきちんと頭を下げた刑事さんを観て思いました。