xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

青いレールを繋ごう

大切な事はアニメからも学べる。そのような感想を抱くくらいアラフォー女の私は感動にうち震えました。
新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION」第50話「共闘!! ブラックシンカリオンVSトラメ」は素晴らしい回でした。何故ヒトはヒト同士で争うのか。この世界から戦争や紛争を無くす為にはどうすれば良いのか。このアニメを観て育った子どもは、将来この問題に行き詰まった時に「シンカリオン」主人公の言葉に支えられる。そんな気がしました。

漫画、アニメ、ゲームを悪影響だからと子どもから遠ざけようとする大人もいますが、中にはそれらに接する事を推奨しても良いくらい素晴らしい作品がこの世には数多くあります。
また子どもがゲームの世界に触れる事で良い影響がみられたという研究もあるそうです。


ゲームが子供に与える良い影響と悪い影響!親の取るべき対処法とは

https://allabout.co.jp/gm/gc/455532/

ミシガン州立大学教授リンダ・ジャクソン博士が、12歳児を対象に行った研究では、普段テレビゲームをしている子の方がそうでない子より、創造力が高かったと言います。「現代のゲームにある複雑なキャラクターやストーリー設定は、子供の問題解決能力を高め、ゲーム以外の場に応用する力を促進する」とジャクソン博士は言います。

現実の出来事ではないとは言え、漫画やアニメ、ゲームの世界でも様々な人の思いが交錯します。私たちはそれらの世界に触れる時に主人公と同じように悩み、苦しみ、問題が解決した時には擬似的ながらもカタルシスを得られます。それまで敵対していた人物同士が和解し共闘する流れは現実世界ではなかなかお目にかかる機会はありませんが、創作の世界ならばその場に立ち合えるのです。「シンカリオン」第50話は、まさにその話でした。

シンカリオン」の敵は地下世界で生き延びた、しかし滅びゆく種族です。彼らは生き抜く方法を模索しており、地上世界への侵攻はその一環でしかありません。主人公はそんな彼らとの対話の道を探ろうと奮闘します。戦い、負けを認めさせ屈伏させるのではなく、対話し共存の道を探す。新幹線好きの少年の夢はどこまでもどこまでも繋がっていくのです。

主人公の少年は言います。
「種族とか、そんなものは関係ない
 新幹線の線路は繋がっていく
 北も南も、東も西も、昔も今も
 たとえ今は繋がっていなくても
 信じ続ければいつか必ず繋がる事が出来る
 俺は種族も思いも、どんな隔たりがあっても必ず繋げてみせる
 それがシンカリオンだ!」

この場面でかかるオープニング曲の歌詞が本編とリンクしており場面を更に盛り上げます。
「南から北 古今東西
 この世界守りたい
 走れ!走れ!新しい自分を
 目指すのが進化理論(シンカリオン)」

その少し前の一節に
「希望のレール進めよガンガン」
という歌詞があります。この時に私の脳裏によぎったのは
「青いレールを繋ごう プラレール
というタカラトミーの玩具、プラレールのテーマ曲「走れ!走れ!プラレール」でした。

「青」という色のものを思い浮かべる時に、私は真っ先に青空が挙がります。
この空はどこまでもどこまでも続いている。歌詞が耳に入った瞬間、その青空に希望のレールが繋がる様がイメージされました。レールを繋げていけば、争い合う人同士であっても、いつかは繋がる事が出来るのかも知れない。
妥協、という言葉は何かを諦める事も含みますが、諦めずに対話し合い、より良い着地点を模索し続ける事で、最大多数の最大幸福を得られるのではないだろうか。そうすればこの世界から血を流すような争いだって無くせるかも知れない。

力が無ければ対話の道も示せない。
機動戦士ガンダムSEED」のヒロインが言った「思いだけでも、力だけでも駄目なのです」という言葉を私は思い出しました。「ガンダムSEED」視聴当時、この真理にはっとさせられたものです。
対話の道を提示するには相手より強くなくてはいけない。そしてその力に溺れてはならない。力を持っても驕らずいられる「シンカリオン」主人公のような人が増えれば、世界はきっと変われる。様々な作品で描かれている「力は正しく使わなければならない」というメッセージが、より多くの子どもたちの心に響きますように。

漫画やアニメ、ゲームの世界は誰かの創作でしかありません。ですが現実世界とは解離しているからこそ、理想を示しやすいのだと言えるでしょう。そこに創作ものの価値があると思います。

アニメを観て現実世界の平和を願う。
大雪の予報が一転、穏やかな青空となった正月にそんな事を思いました。


新幹線のレールが繋がるように、どうか、より多くの人の思いのレールが目的地に繋がりますように。