xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

生活感ってダメ?

先日テレビでリモート料理教室の様子が放送されていましたが、10人ほどの受講者の画像は全てモデルルームのような台所が背景でした。カメラの角度にもよるのでしょうが、どの方のキッチンにも買い置きの食材すら見えませんでした。
同じように、私の夫の母は食器洗いの洗剤も台所以外からは見えないように横倒しにしておくような、可能な限り生活感を隠そうとする人です。
そうした方々ならば下記の記事にも共感するのだろうと思うのですが、どうも、私にはその感覚が合いません。


婚活女性が興ざめ!男性がやらかした「オンラインお見合い」ならではの失敗談
https://www.jprime.jp/articles/-/18404

 先日オンラインお見合いをした智美さん(仮名、32歳)が、終えてからこんなことを言いました。
「今日お見合いした義次さん(40歳、仮名)は、キッチンのテーブルにパソコンを設置されたのだと思うのですが、後ろに棚があって、その左側に使い込まれた鍋と醤油のボトルが見えました。頭の上にはグチャグチャの布巾がかかっていて、さらに右側には、シャケをくわえた木彫りの熊が飾られていました(笑)」
 この様子に、一気に生活感を感じたそうです。
「お話をしながら、どうも背景が気になってしまって(笑)。気取らない方なのはわかりましたが、義次さんとは今後、恋愛に発展しないと思いました。お見合いは、お見送りでお願いします」
 女性が男性に好意を抱くには、ロマンチックなきっかけ作りが必要です。初対面で生活感丸出しの様子を見てしまうと、“この男性と恋愛したい”とは思わなくなります。ありのままの自分を見せるのは、仲が深まってからです。

記事では「ぎっしりと本の詰まった本棚、自慢の趣味のコレクション、南国風の観葉植物、お気に入りの絵画が写りこむ」ようにパソコンやスマホを設置すれば、個性になって良いと記してありました。また、生活感を出さないように綺麗なカーテンや白壁を背景にする事も勧めています。

40才男性の義次さんが一人暮らしだとするならば、使い込まれた鍋と醤油のボトル、グチャグチャの布巾がかかっている所がオンラインお見合いでこちら側に見えた時に、私はむしろ義次さんを好ましく思っていた事でしょう。気取らない男性だという事、しっかり自炊をしている事が見てとれ、この義次さんと結婚したならば、きっと私の掃除の手の行き届かなさも許容してくれるであろう、私とさほど変わらない生活レベルだという点で。
これが、ぎっしりと本の詰まった本棚、自慢の趣味のコレクション、南国風の観葉植物、お気に入りの絵画が背景の男性であったならば、私はその男性と「恋愛」は出来るかも知れませんが、気後れして「結婚」まで考えるには至らないかも知れません。
「初対面で生活感丸出しの様子を見てしまうと、“この男性と恋愛したい”とは思わなく」なると記事にありましたが、智美さん(仮名、32歳)がしたいのは「結婚」だったのでしょうか。それとも「恋愛」だったのでしょうか。

結婚とは他人同士で育ってきた誰かと生活を共にする事です。ぎっしりと本の詰まった本棚、自慢の趣味のコレクション、南国風の観葉植物、お気に入りの絵画はオンラインお見合いの為だけの小道具であり、実際にはシャケをくわえた木彫りの熊がその人のお宅のインテリアだったと後で知ったならば、それこそ「騙された」という印象を持ちはしないでしょうか。


上記の記事のタイトルは「婚活女性が興ざめ!」なので、次に挙げる男性も私の納得のいかない理由で女性に見限られてしまったようです。

 仁美さん(34歳、仮名)が、康太さん(40歳、仮名)とオンラインお見合いをしたときのこと。お互いにひとり暮らしだったので、夕食をどうしているかという話題になりました。

(中略)

「僕もなるべく自炊していますが、仕事で疲れているときは、駅前のスーパーで出来合いの弁当を買ってくることもあります。弁当を買うのは、19時過ぎに行くことにしているんです。30%引きとか安くなっているから。ただ、弁当が続くと、コレもかかるんでね」
 そう言って、親指と人差し指を丸めて、お金を表すマークを顔の前で作ったそうです。
 仁美さんは、言いました。
「私も値引きシールが貼ってあるお惣菜やお弁当を買うことがありますよ。だけど、それをお見合いで言う話なのかなって。お財布に割引券とかラーメン屋さんの“ライス大盛り無料券”とかたくさん入れている男性がいますよね。デートのときにそういうのを使われるとセコイなぁと思う。浪費家も困りますけど、お金に細かい男性って、どこか器が小さく見える。康太さんが指でお金のマークを作ったときには興ざめでした」

仁美さん(34歳、仮名)は、自身もスーパーで値引きシールが貼ってあるお惣菜やお弁当を買うことがあるという。しかし自分を棚上げして康太さん(40歳、仮名)を器が小さい、セコイと判断しました。
私がアラフォーのおばさんだからなのか、指でお金のマークを作った康太さんはきっと、はにかんだような笑顔を浮かべていたのだろうなと勝手に想像し、これまたその飾らなさに親近感を抱いてしまいました。康太さんが指でお金のマークを作った時に仁美さんが興ざめをしたのは、その仕草がオジサンくさいと感じたからなのかも知れませんが、ならば仁美さん(34歳、仮名)もあと一年でアラフォーのくせに、自分を一体何だと思っているのかと、憤りすら感じました。また親指と人差し指を丸めたジェスチャーは手話で本当に「お金」を意味するので、私には下品にも感じられませんでした。

自分がスーパーの惣菜などもっての他、という人間ならばともかく、仁美さん自身も値引きシールが貼られた惣菜を買った事があるのです。それを康太さんも買っている事を知ったからといって、彼をセコイだの器が小さいだのとよく言えるものだと呆れてしまいました。
かつてのマクドナルドのテレビCMで、「このセットが平日は○○円になる事を、妻は知らない」というものがありました。仁美さんはこうしたサービスを利用する人の事も「セコイ」と感じるのでしょうか。ちなみに我が家は先日、とある水族館に入場する際にJAF会員証を提示して入場券を割り引いて貰いましたが、これも仁美さんが知ったら噴飯ものなのかも知れません。

きっと仁美さん(34歳、仮名)は、自分に関する事でお金をケチられた時に、自分の価値もその分だけ下がると思っているのだろうと思います。あるいは康太さんとのお付き合いの最中や結婚した後に自分もその吝嗇を強要されると思い、恥ずかしくなる場面でも想像したのでしょうか。
仁美さんの気持ちは分からなくもありませんが、「お財布に割引券とかラーメン屋さんの“ライス大盛り無料券”とかたくさん入れている男性がいますよね。デートのときにそういうのを使われるとセコイなぁと思う」と、割引券の話はあくまで仁美さんの中でのイメージでしかありません。康太さんとの事は、実際にそうした場面に遭遇してから判断しても遅くはなかったのではないでしょうか。


『男性から結婚相手として選ばれるために。未婚アラサー女子がやってはいけない3つのNG行動』婚活アドバイザー、植草美幸(第100回)
https://withonline.jp/love/konkatsu-jyoshi/Y6Gc9

第一印象で相手のイメージができあがってしまうと、それを短期間でくつがえすのはとっても難しい。逆に、第一印象でいい印象を残してしまえば、「アバタもエクボ」じゃないけれど「多少のアラも愛嬌があるからOK」となるものです。

こちらの記事でも、第一印象は可能な限り良く整え、後から多少のアラを見せていく方が良いという話がされています。
もちろん、私もお見合いの席などで「ありのままの自分を知って欲しいから」との理由で相手にヨレヨレのシャツで来られては気持ちが遠ざかってしまうだろうとは思います。しかし、相手がそういう人ならば、お付き合いが進んだ後からそういう人だと判明するよりはまだマシだとも思うのです。
相手がお金目当てかどうかを判断する為に、資産ある男性がわざと「借金を抱えた」「親が大病になった」といった嘘をつく、という話をインターネット掲示板などで目にした事があります。お見合いの場合、何回か会えば周囲はそれで話がまとまったのだと勝手に盛り上がり、断りを入れ難くなるのかも知れません。それゆえ冒頭の記事に出てくる女性たちは一回目のお見合いで早々にお断りをしてしまったのかも知れませんが、減点方式ばかりで人を判断するのは勿体無いのではないかと思うのです。

人は見た目が9割」という書籍が話題になった事があります。コロナ禍によるオンラインお見合い等で相手のプライベートが初見でこれまでよりも多く見えてしまい、その画面の背景から見える「見た目」も相手の印象に含まれ、そこから相手を判断してしまう事は致し方ないとは思います。
それでも、その人が地に足をつけて生きている証である「生活感」を、そんなに否定しなくても良いのではないでしょうか。我が家の例で言えば夫がトイレに籠った時に漏れ聞こえる音を思うと、私の音もきっと夫に聞かれているのです。その音を思う度に、これが結婚生活なのだなと思うのです。
自分も自炊をする人ならば、使い込まれた鍋と醤油のボトルが見えるくらい、お互い様だと思った方が、沢山の人が幸せになれるのではないでしょうか。