xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

時と所と場合を考える

個人的意見を申し上げれば、私は和服が好きです。自身はお宮参りや七五三、大学の卒業式前に写真館で撮影した事、子どもの頃の夏に着せて貰った浴衣、成人してからカルチャースクールの申し込みが少ないからと浴衣の着付け講座に頼まれて参加し、帯まで自力で結ぶ機会が数回あった事(もう忘れて出来ない)、結婚の際の親族食事会で着用したくらいしか和服の経験は無く、結婚を機に用意した家紋入りの喪服は今のところ出番はありません。しかし和服を見るのは大好きで、美しく着こなしている方には憧れます。

昨今、小学校の卒業式で女児らに袴の着用が増えているとニュースで知った時には「そうか、この手があったか」と天啓を得たように思いました。片側には小学校入学の時の初々しいランドセル姿の娘、もう片側には袴姿で小学校の卒業証書の入った筒を持つ娘…なんと素晴らしいアルバムになる事でしょう。
しかし小学校の卒業式での袴を自粛する流れが出てきたようです。


”はかま姿“が「小学校の卒業式」で人気…なぜ? 自粛の呼びかけをする自治体も…
https://sp.fnn.jp/posts/2019032018040306KTV


和服が高価な事から着られない家庭の子の事も考えるべきだという意見、着馴れない着物で締め付けられ長時間の式典で具合を悪くする子もいる事、また手助けが必要になる子もおり式典の進行の妨げになる子がいる事、せっかくの晴れの日の壇上でつまづく子が可哀想などの意見があるようです。

和服が高価かと言われれば、流行による変形はないのでお下がりが着られ、元手がかからない場合の子もいるようです。むしろブレザーにスカートの「なんちゃって制服」の方が今後は着用の機会が少なそうな事を考えると高くつく事もあると思います。
しかし早朝からのヘアメイクや着付けでの寝不足、緊張状態の中で締め付けられる衣服を着ている為に晴れの日に具合を悪くしてしまう子が現れる事は確かに可哀想です。卒業生には起立や着席以外にも出番があり、体調不良で抜けた子の穴を急きょ埋めなければならなくなるなど他の子にしわ寄せがいく事は出来れば避けたいものです。卒業式は卒業生全員が主役なのですから、練習の通りにつつがなく進行される事を望みます。
こうした理由を考えれば洋装が最も無難なのかも知れません。

私の住む地方では、小学校の卒業式で卒業生は中学校の制服を着用する事になっています。ヤフーのこの記事でのコメント機能に寄せられた意見でも、小学校の卒業式では中学校の制服を着用したという方々の意見があちこちに見られました。
学生の制服は第一級礼装なので、たとえブレザーが赤くても冠婚葬祭いずれの場面でも着用が出来ます。「キラキラプリキュアアラモード」で大人向けのガーデンパーティーに制服で出席した有栖川ひまりは決して失礼では無いのです。出費を抑える為には中学の制服での小学校卒業式参加は非常に効率的だと言えるでしょう。今後は着もしない「なんちゃって制服」の購入ほど無駄なものはありません。

ですがその集団の象徴である制服を、集団に属する前に着用する事はおかしいのではないかという意見もあり、一理あるなと思いました。
また中学受験が盛んな地域では子どもたちの進学先が保護者らに知られてしまう為、受験に失敗した子にとっては中学の制服での出席は苦痛だろうとの意見もあり、目から鱗でした。学年全児童が同じ公立中学に進学していた私にとって思いもよらないご意見でした。

袴姿での小学校の卒業式には憧れますが、やはり中学の制服や落ち着いた洋装などの方が良いのだろうと思います。袴姿は別途写真館などで記録に残す事が好ましいと思います。


しかしそもそもの問題は式典の長さのような気もします。様々な方からの挨拶が子どもにとって長すぎるからこそ、同じ着席姿勢を保とうとして具合を悪くする卒業生が現れてしまうのではないでしょうか。
長い挨拶をして保護者に顔と名前を覚えてもらおうとする来賓の方こそTPOをわきまえるのが宜しいかと思います。卒業式の主役は誰が何と言おうが卒業生なのですから、新中学生に向けた分かりやすくて含蓄のある、短くても心に残る挨拶をするべきだと思います。




余談ですが「第一級礼装」という単語は中二心が疼きます。