xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

体験するならせめて丸一日

2019年4月21日(日)のNHKニュース「おはよう日本」の中で、学校教材の無駄についてを取材したニュースを視聴しました。


“お金がかからない” 学校づくり進む 教材レンタルも
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20190421/amp/k10011890921000.html%3Fusqp%3Dmq331AQPCAEoAZgB_vyiibrsnsVQ



子どもが小学校に入学する時の親への試練と言えば、細々とした部品の多い算数セットへの記名だという事はしばしば様々な所で語られます。算数セットは私が小学生だった頃にも親が用意してくれましたが、家で遊びこそすれ、実際に授業で使った事は殆どありませんでした。そのように、学校現場では大して使用もしないくせに購入しなければならない教材というものが多々あるそうです。それをいかに削り、家庭の負担を減らす取り組みを進めていこうというニュースでした。
資料集はスクリーンに画像を映す事で削り、問題集は必要なページだけをコピーして配付と、取材を受けた学校では従来よりも一万円程の教材費を削る事に成功したそうです。

教材にも様々なものがあり、個人が所有するものもあれば、学校でひとつ保有するものもあるそうです。その中の例として胎児の成長過程の模型と妊婦体験セットが紹介されました。
先日Eテレ「ふしぎエンドレス 理科5年 おなかの赤ちゃんはどう育つ?」という番組が放送されていましたが、今では小学生は理科の授業で胎児の成長過程を学ぶようです。
ニュースの取材を受けていらした方が持ち上げた、およそ10万円もするという「妊婦のお腹」の再現模型は、きっと授業で児童が装着して使用するのでしょう。


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ニュースで登場した模型は産婦人科で行われる父親学級などで使用されるような、胸部にも重りのあるようなタイプではなく、本当に臨月の腹部だけの再現でしたが、そこそこの重さはあるようです。
インターネット上のどこかで、せっかく両親学級に参加して夫に妊婦体験スーツを着せて妊婦の身体の重さを疑似体験させても「何だ、大した事ないじゃん」と言い放った男性がいて場が凍りついた、という記事を読んだ事があります。
一般的に男性は女性よりも筋力があるので、妊婦体験スーツを着用しても「こんなものか」と拍子抜けする人も実際にいるだろうなと思います。
筋力の弱い女性が数ヶ月、24時間、脱ぎたくても脱げない状態になるからこそ妊婦は大変なのです。しかも大きくなった子宮に内臓が圧迫される様は、あたかも常時水中歩行をしているかのような息苦しさです。両親学級で男性が妊婦体験スーツを着用していてもせいぜい一時間程度、胃や肺も圧迫されず脱ごうと思えば脱げる体験スーツごときで、あの大変さを男性が実感できるとは思えません。何より「自分が転んだら腹の中で子どもが死ぬ」という恐怖は理解できるとは思えないのです。

もし学校教材で妊婦体験をする機会が今の小学生にあるというのならば、クラスの男子は一時間目からその日の授業が全て終わるまで妊婦体験スーツを着用し続けるべきではないかと思いました。
女子は将来、嫌でも体験しなくてはならない事もあるので着用は交代でほんの数分、しかし男子はどうせ体験するのであれば、椅子から立つ、椅子に長時間座っている、階段の昇降、靴の脱ぎ履き、食事やトイレ中でも大きくなったお腹を外せない大変さを知るべきではないかと思うのです。
ついでに言えば無理な動きをして腹部の模型に衝撃があった時にはブザーが鳴る仕組みがあっても良いかも知れません。

費用対効果を検証し、教材の無駄を省こうとする動きは素晴らしい事だと思います。しかしあの重さは経験しないと大変さは分かりません。
妊婦体験セットがまさか10万円もするとは驚きでしたが(胎児の模型と合わせての金額かも知れません)、一年間の授業の中で高学年の児童がたった一日だけ使うものなのであれば、近隣の自治体とも協力して30個ほど用意して、「男子は丸一日妊婦体験スーツを着用する日」を設けても良いのではないかと思いました。