xharukoの日記

妊娠、出産、育児の中で思った事をつれづれ書きます

年収2000万円あっても子どもは2人

2019年5月29日、自民党桜田義孝前五輪相が千葉市で開かれた同党議員の政治資金パーティーで、「結婚しなくていいという女の人が増えている。お子さん、お孫さんには子供を最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」と述べたそうです。
「産むべき」と言っている訳ではなく、「産んで欲しい」という、ただの啓蒙なだけですが、これを失言だなんだと騒いでいる方々も何だかなと思う昨今。
ふと匿名掲示板のまとめサイトを読んだところ、2000万円の年収が夫にあっても子どもは2人だとする女性の書き込みを見つけました。


10年付き合ったヒモ男の事を一生養うつもりでいたのに、年収2000万の人に求婚されて金に目が眩んでOKしてしまった
http://kazokuchannel.doorblog.jp/archives/55324139.html?ref=category1_article_footer2&id=5728714

10年付き合ったヒモ男の事一生養うつもりでいたのに 
年収2千万のフツメンに出会ったその日に求婚されて金に目がくらんでOKしてしまった。 
ヒモには散々尽くしたし貢いだから別れたいと言ったら向こうはむしろ安心したような顔してたし 
新しい彼氏は車で送迎してくれるし美味しいごはんも作ってくれるしありがたいけど 
全然好きじゃない。でも親は泣いて喜ぶし、この人しかいないってわかってる 
でも恋愛の情熱はヒモに全部使った。 
昨日彼氏の金でホテルのフルコースごちそうしてもらったけどヒモに食べさせてやりたいとしか思えなかった 
面白い漫画読んでも仕事で失敗してもヒモに連絡したくなる 
でも結婚はしたい。好きじゃない人と結婚していいのかなあ

(中略)

結婚したくないとか子供いらないとか言い張ってたけど今の彼氏の財力に包まれて過ごしてると 
子供2人くらい生んでみたいとさえ思うようになった 
今までの自分は強がってたんだなとはっきり自覚してそれもつらい

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夫が年収2000万円だとすると、妻となる投稿者は家事も外注できる悠々自適な専業主婦でいられるでしょう。しかし、年収2000万円の財力に包まれて暮らしたとしても、この投稿者は子どもは「2人くらい」だと考えています。
おそらく、3人目の子どもをためらう理由がどこかにあるのです。

人口を増やしていく為には夫婦の元に子どもが3人以上生まれなければならないという事は理解できます。だからこそ産んで欲しいという気持ちが先行し、これまでにも様々な政治家の方々から「子どもを3人以上産んで欲しい」やら「子どもを4人以上産んだ女性を表彰」などという発言が出てきました。
結婚にメリットを見い出せず独身を貫く方や、たまたま縁がなかった方、3人以上の子どもを育てる事は出来ないとする夫婦が多くなった社会だからこそ人口が減っているのだろうと思います。政治家の方には「産んで欲しい」ではなく、「自分のお子さんに頼らなくても安心して老後を暮らせる社会を実現させましたので、ぜひ産む事を検討して下さい」と言って頂きたいものです。我が子に老後はおんぶに抱っこをしてもらう事を前提とするような、そんな世界においでだなんて無責任な事は言えません。私たち女性が子どもを産むよりも先に、やるべき事をして頂きたいと思います。私たちや我が子が自分の人生を安心して暮らせる保証が先になければ、子どもを産み育てたいと思う女性は今後も減り続けていくだろうと思います。

現代は、自分一人の生活を保つだけで精一杯の方々が少なくないような印象があります。若い男性が、結婚相手に不自由をさせたくないからと収入が増えるまで結婚の機会をうかがったままでいては、自分が定年を迎えた後で子どもがこれから最も学費がかかる年齢になってしまい老後破綻する可能性があります。
真偽のほどは不明ですが、婚活市場では女性が相手の男性に望む年収は800万円が相場なのだそうです。男性に800万円の年収がなければ、女性は安心して結婚できないという事なのでしょう。
結婚する為には男性には年収が800万円求められ、子どもを1人育てる為には1000万円はかかると言われているので、結婚後は更なる収入アップが要求されるという事になります。夫の収入だけでは足りず、妻も働くとして、子どもを3人育てるとなると、果たしてどれくらいの世帯収入が必要になるのでしょうか。
まずは人口が増えて、税収が増えてからでなければ安心社会の仕組みは作れないと政治家の方はお考えなのかも知れません。しかし、そもそも金銭的に余裕がなければ先々の自分たちの生活の不安を前に、子どもを3人以上産もうという意欲はわかないのではないでしょうか。

国の政策の為にではなく、自らの幸福の為に私は子どもを2人産みました。本音を言えばもう1人くらいは欲しいところですが、我が家は子どもは2人で終わりだと思っています。
何故3人目への踏ん切りがつかないのかと言えば、我が家ではひとえに金銭的な理由からです。子どもは産んだら終わりではありません。つわりなどの体調不良になる事も折り込み済みで妊娠期間を過ごし、これまでの人生では体験した事のない痛みを伴いながら必死になって産んだ後は、産んだ我が子の人生を守る責任が親に生じます。子どもが成人するまでには教育費、被服費、食費、娯楽費、おこづかい等、諸々の費用がかかります。成長すれば自分の部屋が欲しいと言い出すだろうので、それなりの間取りの住まいに暮らさなければなりません。すると子なしの時よりも住宅費が多くかかり、光熱費もかかるでしょう。
それだけの費用を賄うには、結婚後は専業主婦でいさせて貰えていた私もそろそろ働きに出なければなりません。夫の収入だけでは子ども2人分の学費と私たちの老後資金を用意する事は出来そうにないからです。「子ども2人」は私たちの願いだったので、自分たちの老後の分を削ってでも子ども2人の分の学費等は工面する心積もりでいますが、流石に3人分の学費になると、二馬力で働いた所で用意できよう筈がないように思えるので、子どもは2人が限界だと思っています。

先に挙げたまとめ記事の投稿者が私で、もし私の夫の年収が2000万円だったならば、私たち夫婦は迷わず3人目の子どもを希望するでしょう。下の子どもが幼稚園に入園し手持ち無沙汰になったならば、もう一度赤ちゃんのあの柔らかさが恋しくなるだろうからです。将来の子どもの学費と私たちの老後資金の心配さえなければ、あの痛みももうひと頑張り出来るような気がします。
私の専業主婦生活の続行、部屋数の多い家への住み替え、乗員数の多い車、新たなチャイルドシートの購入、潤沢な教育費、食費など、夫に年収が2000万円もあれば我が家の3人目以降の出生を阻む、どのハードルも越えられそうです。
妊娠中の体調の変化や出産の痛みはこりごりですが、お金に余裕があるのならば家政婦の雇い入れや無痛分娩の実績が多数ある有名産院での出産の夢も叶えられるので、頑張ろうという気にもなれます。

しかし心のどこかでは「本当に3人目を作っても大丈夫か?」という不安もよぎります。3人目を産んだ時に夫の年収が2000万円あっても、その生活がずっと続く保証がないからです。
病気や怪我で夫が働けなくなったなら、万が一夫が亡くなりでもしたら、そして降格や会社が倒産でもしたら、年収2000万円の皮算用がすべてご破算になってしまいます。
どうしても、年収がこのまま2000万円、あるいは今後も増えていくという妄想が私は妄想の中ですらも続けられないのです。だからこそ子どもは現状の2人のままが最善なのです。
まとめ記事にもなった投稿者がどのような考えの元で「子どもを2人くらい生んでみたい」としたのかは分かりません。2000万円の年収がある夫と専業主婦の妻ならば、もっと子どもを望んでも良いような気がします。しかし、そもそもまだ前彼氏(ヒモ)の事を想っており、現彼氏(年収2000万円)との結婚に迷っている段階での投稿なので、結婚後の展望自体が積極的には描けない事もあり、子どもの人数を社会の基準である「2人」としたのだろうなと思います。

住宅メーカーのチラシを見る限り、子ども部屋は一つの住宅に二つが基本です。場合によっては一つしかない物件もあります。子ども部屋が三つ以上用意できる間取りの住宅は、新居の夢を消費者に魅せるチラシの中でも特殊なのです。
また我が家の自家用車は軽自動車なので、乗員数は4名です。3人目を授かったならば買い換えなければ家族でのドライブが出来ません。

軽自動車が人気の理由は?普及率50%超えているのはどうして?
https://www.navikuru.jp/articles/knowledges/17/

というサイトによると、一世帯あたりの軽自動車普及率は、近年では50%を超え、年間に販売される新車台数でも軽自動車が4割を占めているのだそうです。
維持費が安く、場所をとらず、燃費のよい軽自動車を先に購入してしまうと、普通車への乗り換えには余程の情熱が必要となります。既にある車に乗れる人数として、子どもの人数を制限するのは妥当な判断ではないかと思います。
先日放送されたNHKチコちゃんに叱られる!」では、何故プリンは3個入りパックなのかの説明がありました。子どもたちのおやつの時間にお父さんは家庭に不在である事を想定し、子ども2人とお母さんの分で3個なのだそうです。お母さんが我慢すれば子ども3人分のおやつになるかと思いますが、子どもたちは多くの場合お母さんと経験を共有したいと一緒に食べようと希望してきますし、女性の権利主張が強くなった昨今では、お母さんが「食べない」という選択肢は無いのだろうと思います。3個入りパックのプリンを購入して丁度良いのは、子どもが2人の時なのです。なお、ヨーグルトが4個セットなのは朝食にお父さんもヨーグルトを食べるからだそうです。
住宅、自家用車、プリンに限らず、「夫婦に子どもは2人」という家族構成は、この国の多くのモデルケースなのでしょう。

きっと、夫婦に子どもは2人いるのが最も自然な形で、3人目以降は規格外なのです。一人っ子のママさんは「2人目は?」と聞かれる事が多いらしいですが、子どもを2人連れている私は「3人目は?」とは聞かれる事がまずありません。
父親と母親がそれぞれに子どもの手を繋ぐ。あるいは母親が左右の手で子どもの手を繋ぐ。子どもが2人ならばそれらは丁度良く、3人目となると手を繋いで貰えない子どもが出てきてしまうか、夫婦のバランスが崩れてしまう。だからこそ「夫婦に子どもは2人」が最もしっくりくる家族構成なのだろうと思います。

「わがまま」で結婚しない、子どもは欲しくないと考えている若い女性も確かにいるのかも知れません。
以下のような記事がありました。


女性は独身で子供がいないほうが幸せという新研究結果が
https://www.harpersbazaar.com/jp/lifestyle/womens-life/a27675512/women-happier-without-marriage-and-children-190602-lift1/

行動科学者のポール・ドーランは先週末のイギリスで有名な文学祭であるヘイ・フェスティバルで、成功の印として用いられてきた伝統的な目印は、もはや昔ほどの意味を持たないと語った。彼はまた、配偶者や子供のいない女性のほうが、子育てをしている同年代の人より長生きだと信じているとも語った。

(中略)

彼は、新刊の著書『Happily Ever After』に書いた研究結果を引き合いに出して語ったものだが、男性は結婚によって「落ち着く」ので、メリットがあるという。

リスクを犯すことが減り、仕事でもっと収入を得るようになり、少し長生きするようになります」と、彼は説明する。「一方、女性はそれに耐え、一度も結婚しない場合より早死にします。もっとも健康で幸せなサブグループは、一度も結婚せず、子供もいない女性なのです」

彼は続けて、現在の状況では、独身女性は配偶者がいないという身分を不十分だと感じているかもしないが、現実には、独身女性のほうが既婚の友だちより裕福だとも語っている。


実は女性は、一度も結婚せず、子どももいないグループこそが健康で幸せで裕福なのだそうです。イギリスでの調査らしいので日本の場合にも該当するかは定かではありませんが、仕事をもってバリバリと働いている未婚女性は、子持ち専業主婦の私から見ると確かに何だか自分の人生をしっかりと歩いているように思えます。「結婚しないの?」との周囲からの非難の目は30代を耐えきれば少なくなりそうなので、それ以降は本当に自分が自分として生きていく事が出来そうです。独身子なしならば、休暇になれば自分の好きなように過ごせるでしょう。女性1人での宿泊は警戒される事があるらしいですが、それも気の合う友人が一緒ならば解決されます。

結婚すると夫側の親族との付き合いも出てきます。子どもが出来ると行動が制限されます。子どもを産むのには壮絶な痛みがあり、産んだ後は子ども中心の生活になります。睡眠も子どものタイミングに合わせ、観たいドラマさえ録画しておいてもなかなか観る時間が確保できなくなり、外出先は子どもの希望にそい、食事も静かなレストランへは足が遠退きます。
私は自分の人生は既に余生に入っていると思っているのでそれでも不満はありませんが、自分の思う通りに出来なくなる人生を息苦しいと感じる女性は少なくないのではないかと思います。女性の婚期が遅くなる傾向にあるのは、少しでも自分が自分でいたいからなのだろうと思います。しかし、それを「わがまま」と年配男性(政治家)が言う権利はあるのでしょうか。
女性が周囲からの圧力に屈して結婚し出産すると、今度は様々な不自由に縛られる。家事に協力的な夫とならば楽しく暮らせるかも知れませんが、専業主婦家庭より共働き家庭の方が多くなっても結局のところ家事は女の方に重くのしかかる事が多いようなので、夫の身の回りの世話をする為に結婚したのかと自分を思う女性は少なくないのかも知れません。男性と同じように働ける女性にとって、現代は正しく、「結婚は墓場」なのです。
かつてはその不自由さが女性のあるべき姿、女性らしさと尊ばれ、「女性の幸福」とされてきました。しかし、女性にも働けと社会が言うのならば、もう女性たちは働きに出ない引け目を感じないので、権利を強く主張するようになっても仕方がないように思います。むしろ今までの女性たちが抑圧されており、その犠牲の元に社会が成り立っていただけなのだろうと思います。
子どもは女性にしか産めません。その女性の行動を妨げる「子ども(幼児)」という存在は、女一人が両手で抱えられる2人が最適なのです。子ども同士の年齢の間隔を開け、上の子が幼児ではなくなってからなら3人目育児も可能かも知れませんが、そうなると今度は自分たちの老後にしわ寄せがやってくるのです。

結婚は自分たちの老後や子どもを想定しての男女の契約なので、この男性が安心して子どもを育てられる相手かどうかが女にとっては結婚の重要な判断材料になります。
子どもを持つと女は十分に働けなくなるので、子育てをするには男性に十分な収入が必要であると女は考えます。子育ての不安を解消する為には男性に多くの収入が安定的にある事が求められるのです。そして男性はその空気を読み、結果的に男女の婚期が遅くなる。
婚期が遅くなると夫の定年後の自分たちの暮らしを考えて子どもの人数を制限する(高齢になると不妊の可能性が男女ともに高くなる件はここでは除外します)。いずれも将来の支出が現在からの収入を上回りそうだという不安がそうさせるのです。
年金だけでは定年後は暮らせないと分かっているからこそ、支出を抑える為に子どもの人数を希望の人数よりも少なくせざるを得ないのです。発展途上国で子どもをどんどん産むのは家庭の労働力の確保でもあるのだと聞きます。子どもを自分の生活の金づる要員にはしたくないと考えるからこそ、安易に産もうと考えない人が日本では多くなっているのでしょう。

老後は年金だけでは足りず、2000万円の貯蓄が必要だと話題になっています。子どもたちを3人以上育てる為には収入の殆どを費やさなくてはならず、一番下の子を巣立たせた後で私たちが働けなくなる年齢になる迄の期間に私たちの為の潤沢な老後資金を貯める事など、私たちには到底無理な話です。
我が家に子どもは2人います。3人目は欲しくても、行動にうつすつもりはありません。子どもは2人は欲しいと願っていましたが、流石に3人目となると、金銭的な問題でその子がやりたいと願った事を殆ど叶えてあげられないと思うのです。今いる上の子と下の子にだって我慢を強いる場面はあると思います。
子どもたちには可能な限り不自由な思いをさせたくない。おそらくは2人目の子すら現代では贅沢品なのです。それでも子どもは2人いる方が形としてはしっくりくるので、多くの夫婦が2人目までは頑張れるのだろうと思います。それ以上をと願うのであれば、貯金がなくても安心して老後を送れる、その保証を頂きたい。年金制度が崩壊している今、仮に夫に年収が2000万円あっても将来の不安は払拭できないのです。